転生したら王族だった

みみっく

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第一章 - 出会いと成長

80話 シオンの謀反の結末

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「セラフィーナを助けてあげてね……」ルミエールは心配そうな表情で、そっと手を握り締めてきた。優しい力に励まされるように抱きしめ返し、彼女の気持ちを受け取った。

「じゃあ……行ってくるね。」そう言い残し、俺は転移魔法を使ってシオンとセラフィーナの元へ向かった。転移先で目にした光景は、想像を超える最悪の状況だった。セラフィーナがシオンの攻撃を受け、血を流しながら倒れている。その姿に胸が締め付けられるような痛みを感じた。

「……なぁ……シオン、謀反は笑って許せるが……俺の仲間を傷つけるのは許せない……」俺は怒りを抑えきれず、シオンを鋭く睨みつけた。その視線には、これまでにないほどの強い決意が込められていた。

「なにを言っているんだ? 謀反とは、そういうものだろ。フッフフ……」シオンは冷酷な笑みを浮かべながら言葉を放つ。その表情には、かつての魔王としての威厳と恐ろしさが宿り、周囲の空気をさらに重くしていった。

 その瞬間、レイニーが静かに詠唱を始めると、ざわついていた森が一気に静まり返った。その声はまるで異次元から響いているかのようで、空間全体が振動するような感覚を覚えた。彼の足元には、不気味で黒く恐ろしいオーラを放つ魔法陣が現れ、地面から浮かび上がるように展開されていく。その魔法陣から放たれる異様なエネルギーが周囲の空気を冷たく重くし、再び木々がざわめき始めた。

 辺りは黒い霧で覆われ、その霧はまるで生きているかのようにうねり、森全体をさらに緊張させる。突如として地鳴りのような音が鳴り響き、レイニーの手には槍の形をした黒い炎がボワッと燃え上がった。その炎は瞬く間に広がり、見る者に冷たい恐怖を与え、場の空気をさらに張り詰めさせた。
 
 霧の中心から徐々に禍々しいオーラが漏れ出し、周囲の空気をさらに冷え込ませていく。レイニーが詠唱を続けるたび、その声は空間を震わせるような異様な響きを伴い、存在感を増していった。そして黒い炎は次第に凝縮し、鋭い音とともに槍の形がくっきりと浮かび上がった。

 その槍の刃は赤黒く光沢を持ち、鋭く尖った矢じりのような形状をしていた。表面には古代の呪文が刻まれており、その文字が微かに輝き、まるで生命を持っているかのように脈動していた。その禍々しい美しさは恐ろしいほどに目を引く存在だった。

 普段は可愛らしい笑顔で中性的な雰囲気を持つレイニーが、その槍を握ると周囲の雰囲気は一変した。可愛らしい外見とは裏腹に、その槍が放つ威圧感は圧倒的で、誰もが言葉を失った。槍はまるで生き物のように黒い炎を燃え盛らせ、闇の中に燦然とした存在感を放ち続けている。

「シオン、ちょっと……悪さをしすぎたな。その代償を受けてもらおうか……」レイニーが静かに言い放つと、その言葉に合わせるように闇の王のオーラが衝撃波のように放たれた。ドンッ!!!という音とともに辺りの空気が震え、その力強さは森全体を呑み込むようだった。

 シオンは驚愕の表情でレイニーを見つめていた。彼が知っているのは、ニコニコと無邪気な姿や抑えられた力の姿だけだった。その強大な落差に、最古で最強の魔王と呼ばれていた自身が恐怖に怯え、動けなくなっていることに初めて気づいた。その圧倒的な力の差が一瞬で自分を飲み込み、シオンは自分が消え失せる運命を確信した。絶対的な力の前に、彼はただ覚悟を決めるしかなかった。
  
 静かにレイニーが近寄り、手を振りかざすと、シオンはその圧倒的な恐怖で完全に動けなくなり、直視することすらできず目を閉じた。その瞬間、オデコをパチンと指で弾かれた。あまりにも意外な行動に、シオンは慌てて動揺し、目を見開いた。

「うわぁ! わ、わ、わぁ……痛っ! ……うぅぅ……。な、なにをする、我は……まおうだぞぉ……ぶれい……な、やつめぇ……」怯えた声でシオンが言葉を紡ぐ。その姿は、かつての威厳ある魔王の面影を完全に失い、ただの子供のように見えた。

「ん? 反省してない? もう一度、デコピンされたいの?」レイニーは闇の王の槍を握りながら、圧倒的なオーラを放ち、鋭い視線でシオンを睨みつけた。その威圧感に、シオンはさらに怯え、言葉を詰まらせた。

「うぅ……ごめんなさい。反省……してるぅ……」シオンは俯き、目をうるませながら謝罪した。その姿は、かつて古代の最強として君臨していた最悪の魔王とは思えないほど、弱々しく見えた。

「うん。よし!次は……罰で閉じ込めるからね……?」レイニーは冷静な声で言いながら、あーちゃんを閉じ込めた異次元牢獄の不気味な黒い球体を目の前に出した。それはまるで空間にポッカリと穴が空いたような異様な存在感を放っていた。魔王であるシオンはその意味をすぐに理解し、恐怖に震えた。

「は、はい……レイニー様に生涯、誠心誠意の忠誠を……捧げさせてください……」シオンは怯えた声で言いながら、心から忠誠を誓った。その表情には、かつての威厳ある魔王の姿はなく、ただの従順な少年のような姿があった。

 一方、セラフィーナは結界の中で回復魔法を受けていた。彼女の受けた傷は跡形もなく癒え、穏やかな表情で静かに眠っていた。
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