転生したら王族だった

みみっく

文字の大きさ
82 / 223
第一章 - 出会いと成長

82話 リリスとリリィ

しおりを挟む
 帰ろうとしていたシオンを呼び戻した。「シオン、おいで~」と、両手を広げると嬉しそうに戻ってきた。「うん。レイニーさまぁ……、何でしょうかぁ?」

 シオンが嬉しそうに戻ってきて、レイニーの膝の上にちょこんと座った。その仕草はまるで子供のようで、レイニーを振り返って目をキラキラさせながら見つめてくる。

「えっと……もう少し抱っこさせて?」とレイニーが声をかけると、シオンは「……はい♪ うにゅぅ~痛いですよぉ……やさしくしてくださいぃ~」と甘えた声で返事をした。レイニーはぷにぷにと柔らかなシオンの頬を触りながら、そっと頬ずりをする。

 その微笑ましい光景を見守っていたリリスがふと好奇心に駆られ、首飾りをそっと外してしまう。そして、次の瞬間──

「わ、わぁ……ムリムリ……うわぁ……気分悪くなった……。やっぱり……ホンモノだ……。見た目詐欺だぞ。その可愛さで、油断させておいて魔王とかって……反則だぞ」リリスは青褪めた顔で座り込み、息を整えながら言葉を放つ。その混乱した様子に、周囲は驚きつつもどこか笑いを誘われた。

 シオンはそんなリリスの反応にムスッとした表情を浮かべ、愛らしい顔をしながらレイニーにしがみついた。レイニーは首を傾げながらクスクスと笑みを浮かべ、「なんの反則で、詐欺なんだか……本当に意味が分からないよね」と冗談めかして言った。
 
「……だれです?この娘は……?ボクを見てブツブツ言ってます……失礼なやつ……です。」シオンがリリスをじっと見つめながら、不満げに尋ねてきた。

「俺の仲間だから、仲良くね。」レイニーが優しく言うと、シオンは少しムスッとしながらも、「わ、我は……まおう、シオン。よろしく頼む!」と可愛らしく自己紹介をした。その姿にリリスは一瞬驚き、逃げ出したい気持ちを抑えながら、慌てて跪き頭を下げた。

「え、わ、あ……こ、こちらこそ……よろしくお願いします。まおう様!」リリスの声は震えており、その緊張感が伝わってくる。それを見たシオンはニヤリと笑い、どこか得意げに偉そうな態度を取っていた。

「シオン、調子に乗ったらダメだよ?」レイニーが優しく注意しながら、シオンの頬をむに~っと摘むと、「うにゃー……痛いれす……レイニーさまぁ……ごめんなさい……」とシオンは甘えた声で謝った。

「わ、わわわぁ……レイニー様、ちょ、ちょっと……。まおうさまですよ。怒らせちゃマズイですって……」リリスが慌てて止めようとするが、レイニーは落ち着いた表情で答えた。

「ん? 魔王? 元魔王ね、今はシオンだよ。ね?」とシオンを見つめると、シオンは「はい。ボクはシオンですよ♪ レイニーさまぁ」と笑顔で答えた。その可愛らしい姿に、レイニーは思わず頭を撫でてしまう。

 シオンは満足げに大きく手を振りながら笑顔でリビングを出ていった。その背中には、かつての魔王の威厳とは異なる、どこか愛らしい雰囲気が漂っていた。

 リリスは心配そうな表情で隣に座りながら、言葉を続けた。「ん……そ、そうですか。どうなってるんだ……?レイニー様が手なづけたっていうのは知ってるけど……。謀反を起こしたって……大丈夫なのか?」

 レイニーはリリスの頭を軽く撫でて、穏やかな声で答えた。「見ての通り、大丈夫だよ?まあ、たまに魔王を名乗るけど……気にしなくて良いよ。」その言葉には、自信と優しさが込められていて、リリスの不安を少しずつ和らげた。
 
「もぉ、また……子供扱いして……やめろよなぁ~」チラチラと俺の顔を見て逃げようともせずに、さらに近寄ってきた。「……ん。」俺の方を見て目を閉じて頬を差し出してきた。

「なんだか……久しぶりな気がするなぁ……リリスのぷにぷにほっぺ♪」リリスの頬を撫でて、ぷにぷに触るとスッと指をズラして優しく唇を触った。

「わ、だめぇ……ここ、リビングだし……恥ずかしいよぉ」リリスが頬を赤くさせて、俺の指をペロッと舐めてきた。

「わぁ、もお……リリス……ビックリさせないでよね~ドキッとするじゃん」リリス……今のエロすぎぃ……

「にひひ……♪いきなり唇を触るほうがダメでしょ~」リリスがむぅ~っと頬を膨らませて言ってきた。

 するとロディーがやってきた。「リリス、セラフィーナお姉ちゃんが呼んでるよー」

「もお……タイミング悪すぎぃ……。分かったってば。先に行っててよ……」ロディーがムスッして言われた通りに先に行き、ドアが閉まると同時にリリスが俺の唇にキスをしてきた。久しぶりの感触で……柔らかくてシットリしてる。

「ん……ぅん……。はぁ、んっ……ちゅぱぁ。はぅ……。もう……少し……んっ、れろっ……ぷはぁ……♡ちゅっ♡」一方的にキスをして満足そうにリビングから出ていき。「また、構ってよね……!」と言ってドアを閉めた。

 えっと……何が起きたんだ?いや、気持ちよかったけど……。ここじゃ休めないや、部屋で休もうっと。

 部屋に戻り、ベッドに勢いよく倒れ込んだ。ボムっと、この瞬間が気持ちいいよね~目を閉じると、そのまま寝ちゃいそうかも。

「さっきのキス……良さそうでしたね?ふんっ」リリィが不機嫌そうに、どこからともなく話しかけてくる。俺のプライバシーは??覗き魔め……

「また覗きですか……リリィさん?」うつ伏せのまま動かずに答えた。

「仕事ですから……仕方ないでしょ」今度は、耳元から聞こえてくる。顔だけ横を向くと可愛い顔が近い……

「一方的にキスされたんだけどね~」リリィを見つめながら答えると、いつもなら逃げ出すのに見つめ返してくる。

「ふぅ~ん……そうなのですか。一方的……それは、許せませんね」リリィが呟きムスッとした。えっと……リリスでも、リリィの攻撃は防げないだろうな。

「いや、攻撃はするなよ? 愛情表現なんだからさぁ……」慌てて言った。

「愛情表現……ですか?」首を傾げて聞き返してきた。

「そうそう……俺もイヤじゃなかったしさ」

 リリィがジッと俺を見つめて近寄ってくると、リリスと同じように俺の唇に、唇を重ねてきた。「ちゅっ、ちゅぱぁ。ん……、はぁ」再び唇を重ねてくると、にゅると俺の唇を押しのけ柔らかく小さな舌が口の中に入ってきた。「んっ……れろっ、ちゅぱぁ、ちゅぅぅ……。はぁ、どうでしょうか?」唇が触れそうなでお互いの鼻が触れ合う距離で聞いてきた。もちろん……柔らかくて、良いに決まってるじゃん。

「リリィ、どうしたの?」いつものリリィと違う気がするんだけど?

「なんでもない……です」リリィが、明らかに不機嫌そうに答えてきた。

「柔らかくて、気持ちよかったよ」ヤキモチなのかもなぁ……。そっとリリィの腕を掴んで、影から引き上げてベッドに二人で横になった。

「少し……休もうっか?」と聞くと、小さく頷くと……スッと影に消えドアに鍵を掛け珍しく笑顔で戻ってきた。

「邪魔が入る……し」リリィが恥ずかしそうに言うと、抱きしめられるとベッドで二人で横になり、しばらく休んだ。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

伯爵家の三男に転生しました。風属性と回復属性で成り上がります

竹桜
ファンタジー
 武田健人は、消防士として、風力発電所の事故に駆けつけ、救助活動をしている途中に、上から瓦礫が降ってきて、それに踏み潰されてしまった。次に、目が覚めると真っ白な空間にいた。そして、神と名乗る男が出てきて、ほとんど説明がないまま異世界転生をしてしまう。  転生してから、ステータスを見てみると、風属性と回復属性だけ適性が10もあった。この世界では、5が最大と言われていた。俺の異世界転生は、どうなってしまうんだ。  

小さな貴族は色々最強!?

谷 優
ファンタジー
神様の手違いによって、別の世界の人間として生まれた清水 尊。 本来存在しない世界の異物を排除しようと見えざる者の手が働き、不運にも9歳という若さで息を引き取った。 神様はお詫びとして、記憶を持ったままの転生、そして加護を授けることを約束した。 その結果、異世界の貴族、侯爵家ウィリアム・ヴェスターとして生まれ変ることに。 転生先は優しい両親と、ちょっぴり愛の強い兄のいるとっても幸せな家庭であった。 魔法属性検査の日、ウィリアムは自分の属性に驚愕して__。 ウィリアムは、もふもふな友達と共に神様から貰った加護で皆を癒していく。

悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます

竹桜
ファンタジー
 ある部屋の中で男が画面に向かいながら、ゲームをしていた。  そのゲームは主人公の勇者が魔王を倒し、ヒロインと結ばれるというものだ。  そして、ヒロインは4人いる。  ヒロイン達は聖女、剣士、武闘家、魔法使いだ。  エンドのルートしては六種類ある。  バットエンドを抜かすと、ハッピーエンドが五種類あり、ハッピーエンドの四種類、ヒロインの中の誰か1人と結ばれる。  残りのハッピーエンドはハーレムエンドである。  大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。  そして、主人公は不幸にも死んでしまった。    次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。  だが、主人公はゲームの中で名前しか出てこない悪役顔のモブに転生してしまった。  主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。  そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。  

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

乙女ゲームの隠れチートモブ〜誰も知らないキャラを転生者は知っていた。〜

浅木永利 アサキエイリ
ファンタジー
異世界に転生した主人公が楽しく生きる物語 その裏は、、、自分の目で見な。

辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します

潮ノ海月@2025/11月新刊発売予定!
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる! トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。 領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。 アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。 だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう 完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。 果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!? これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。 《作者からのお知らせ!》 ※2025/11月中旬、  辺境領主の3巻が刊行となります。 今回は3巻はほぼ全編を書き下ろしとなっています。 【貧乏貴族の領地の話や魔導車オーディションなど、】連載にはないストーリーが盛りだくさん! ※また加筆によって新しい展開になったことに伴い、今まで投稿サイトに連載していた続話は、全て取り下げさせていただきます。何卒よろしくお願いいたします。

3点スキルと食事転生。食いしん坊の幸福無双。〜メシ作るために、貰ったスキル、完全に戦闘狂向き〜

幸運寺大大吉丸◎ 書籍発売中
ファンタジー
伯爵家の当主と側室の子であるリアムは転生者である。 転生した時に、目立たないから大丈夫と貰ったスキルが、転生して直後、ひょんなことから1番知られてはいけない人にバレてしまう。 - 週間最高ランキング:総合297位 - ゲス要素があります。 - この話はフィクションです。

スキル買います

モモん
ファンタジー
「お前との婚約を破棄する!」 ローズ聖国の国立学園第139期卒業記念パーティーの日、第3王子シュナル=ローズレアは婚約者であるレイミ・ベルナール子爵家息女に宣言した。 見習い聖女であるレイミは、実は対価と引き換えにスキルを買い取ることのできる特殊な能力を有していた。 婚約破棄を受け入れる事を対価に、王子と聖女から特殊なスキルを受け取ったレイミは、そのまま姿を消した。 レイミと王妃の一族には、数年前から続く確執があり、いずれ王子と聖女のスキル消失が判明すれば、原因がレイミとの婚約破棄にあると疑われるのは明白だ。 そして、レイミを鑑定すれば消えたスキルをレイミがもっている事は明確になってしまうからだ。 かくして、子爵令嬢の逃走劇が幕を開ける。

処理中です...