転生したら王族だった

みみっく

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第三章 ‐ 戦争の影

141話 きっかけ_9

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「……もらう、理由がないけど?」リオンが首をかしげて言ってきた。その仕草が可愛すぎて、思わず心の中で「反則だろ」と呟いてしまう。

「理由? 言ったでしょ、似合うからって♪ 貰ってくれたら嬉しいなー。」俺は軽い調子で返した。

「なんか……おれ、人から物をもらうの……初めてだなぁ……ありがとなー! うれしいっ!!」リオンは嬉しそうに微笑み、その笑顔がまた可愛くて、つい見惚れてしまった。

「食材は俺が用意するから、調理をリオンに頼むってので良いかな? 食材の肉は、たっぷりあるし。」俺がそう提案すると、リオンは少し驚いた様子で答えた。

「いいのか? 貴重な食材じゃないの? ……それと、おれは……ホントの名は、リーナっていうんだ。女の子の名前だから、リオンって名乗ってるんだけどな。」

 そんなに簡単に秘密をバラしちゃって良いのかなぁ、と内心思ったが、まあリーナという名前を知ったところで、この町に知り合いがいるわけでもないし、問題にはならなさそうだ。

「偽名だったのかぁ。リオンって呼んだ方が良いよね。」俺は自然なトーンで返すと、リオンはほっとしたように頷いた。

「うん。そうしてくれると助かるー!」そう言うと、リオンは軽やかに立ち上がり、「あ、おれ、薪を拾ってくるなっ」と言って森の中へ向かっていった。

 しばらくして戻ってきたリオンは、薪だけでなく香草も摘んできたらしく、それを手で揉みながら肉に塗り始めた。器用に手を動かしながら、リオンが一生懸命調理を進めている姿に少し感心する。

「ほぉ、やるじゃん。ちゃんと考えて調理してるんだな。」俺が軽く声をかけると、リオンは少し照れ臭そうに笑みを浮かべた。

「まあな! おれ、調理は好きだからさ。美味しくなると思うから楽しみにしててよ!」と意気揚々と答えるリオン。その楽しそうな様子を見ながら、ふと思いついて尋ねた。

「味付けは? 調味料を使ってるのを見てないけど……?」

「ん? 森で調味料なんかあるわけねーじゃん。普通、香草で臭みを消して焼くだけだろー? まあ……おれは、普段から調味料なんか買えねーけどさぁ。」とリオンがあっけらかんと答えた。

 その言葉に、少し不安がよぎる。香草を摘んで来たのを見て料理上手かと思っていた分、期待が裏切られたようなショックが大きい。

「な、なぁ……塩とコショウがあるんだけど……使える??」俺は収納から塩とコショウを取り出して差し出してみた。

「塩か! すげえー、これがあれば美味くなるよなっ。」とリオンが感心したように塩を受け取る。しかし、コショウの瓶を手に取ると、「こっちは……なんだ? ゲホッ……っくしゅんっ! くしゅんっ! これ、いらねー!」とくしゃみを連発しながら瓶を返してきた。

 ……コショウがあった方が美味しいと思うけどなぁ。でも、まあ……香草の味付けにも興味があるし、任せるって言った以上はあまり口を出さない方がいいだろう。

「おいおい、そこは少し試してみてもいいんじゃないのか?」と軽く促してみたが、リオンは頑なに首を振り、塩と香草だけで仕上げる様子だった。その姿を見て、少し可笑しく思いつつ、完成した料理の味を楽しみにすることにした。

 リオンは瓶から塩を摘み取り、肉に丁寧に塗りつけると、火にかけて焼き始めた。ジュワーっと肉汁が滴り落ち、食欲をそそる香ばしい匂いが辺り一面に漂い始める。思わず腹の虫が鳴りそうだ。

「レイニーくんって……普段なにやってるんだー?」とリオンが、肉を焼きながらふと尋ねてきた。

 俺は一瞬考え込む。普段なにやってるんだろう? 改めて聞かれると……答えに困るなぁ。村づくり、かな? でも実際に作業をしているわけでもなく、村や森を散歩している時間が多い気がする。あれ? もしかして、俺って……けっこう暇人なのかも。

「俺は……その、えっとぉ……村の巡回と……その周辺の警戒をしてるかな。」と、少しかっこよく聞こえるように答えた。うん、ウソは言っていないぞ。それに、多少の誇張があっても、リオンなら信じてくれるだろう。

 ジュワジュワと焼き上がる肉を前に、会話が和やかに進む。俺もリオンの手際を見ながら、この食事が思ったよりも楽しいものになりそうだと感じていた。

「へぇー、カッコいいなぁ! レイニーくんって、つよいんだな、やっぱり!」目を輝かせて詰め寄ってきた。あのぅ……近いんですけど。膝が触れ合い……さっきのことを思い出すとドキドキするじゃん。柔らかかったなぁ……

 今のリオンの格好は、女の子っぽさが際立っていて、胸のラインがほんのり分かる。その可愛らしさに、つい意識してしまい、チラチラと視線を送ってしまう自分がいる。

「なーに?」リオンが可愛く首を傾げながら俺を見てくる。その仕草がまた可愛くて、思わずドキッとしてしまった。

「な、なんでもなーい。でも、可愛いなって思って……。」俺は目を逸らしながら小さく呟いた。

「ほえ!? お、おれが可愛い!? はぁ……? マジで言ってるのかー? へぇ……それって、胸を触ったからじゃ……? もう一度触りたくて……ウソ言ってるだろ!」詰め寄っていた距離を離した。
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