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ボクの"エラブヒト"
ジョウネツを突き放すボクのコイ。
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「あっひゃっひゃ……っ! ひゃひゃひゃ!!」
食堂に集まる一同。
の中心で,三太は今日も引き笑いを起こし注目を浴びていた。
「目が覚めたら隣のやつに抱き付いてるとか……っ。どこのラブコメだよ」
ぎゃははとなおも笑う三太の脛を,いい加減にしろと僕は思い切り蹴飛ばす。
「ほんと勘弁してほしいよ」
やれやれと,(被害者の)和寧まで便乗して,そちらにもぎろりと視線を向けた。
「だから俺のとなりにしておけばよかったのに」
ぼそりと不機嫌に,僕の耳にだけ届く。
そちらは無視をして,僕は真っ赤な耳を隠すようにうつ向いた。
「とうとう今日で終わりか~。明日は大してすることもないしね」
「明日は雨らしい」
「えっそうなの」
聞き捨てならないスズとリューの会話に,思わず反応する。
それを受けて,食事の手を止めたリューはやんわりと微笑んだ。
「今日晴れて良かったな」
「あ……うん」
広い沖縄は,基本的にタクシーで移動することになる。
だとしても,天気がいいことに越したことはない。
「じゃあ,そろそろ別れよっか。俺たちのとこも,もう女子食べ終わってるみたいだし。行くよ,三太」
「あえーす」
「ほら,僕らも」
和寧に促されて,僕たちは今日一日のスケジュール通りの行動を開始した。
ハンバーガーは熱々ジューシーで,フルーツは瑞々しくて。
食べてばっかりだなと思いながらも,夜にはステーキをしっかりと腹に入れた。
基本的に僕の意見を全て尊重して貰ったような形で,リュー,和寧,敦には若干の申し訳なさのようなものを感じる。
そうか,明日帰るのか。
真ん丸の月の周りには,虹の輪郭が見えた。
そして,手のひらにそれを透かすように,僕は一人夜風を浴びていた。
少し,食べすぎたかな。
「大丈夫か,伊織」
敦の声だ。
僕は返事をするより早く,後ろを振り返る。
「うん。大分落ち着いてきた。今ならアイスも食べられるかも」
「調子のると痛い目みるぞ」
敦は僕の頭に大きな手のひらを乗せた。
ははっと笑って,僕もそれを受け入れる。
ふと沈黙が落ちて,僕もそれに倣う。
敦はその後,考えるように口を開いた。
「許される接触って,具体的にどこまで?」
これはいいんだろ? とでも言うように,今度はまた柔らかく撫でられる。
僕はそれも受け入れながら,どこまで……? と問われた通り考えた。
その間に,敦は手のひらの位置を変えたり,抱き締めてみたり,取りあえず順番に試すような行動を取る。
その度に僕はぴくりと動いて,拒否する理由のなさに恥ずかしく思いながらされるがままになった。
敦の手のひらが頬に触れる。
きす……
「はだめ」
両手でかたく拒否をして,僕ははっとした。
ツーっと背中を冷たい汗が流れていく。
和寧とは悪ふざけとは言え不必要に舌までいれようとしたのに,ここで敦を拒むのは……
「あ,あのこれには」
「いや,悪かった」
「あの」
「おやすみ,伊織」
どうしよう。
僕は敦を拒みたい訳じゃ……
傷付けたい訳じゃ,ないのに。
ーカサッ
え。
リュ……
「悪い。覗くつもりはなかった」
「い,いや僕こそ! あの……」
どうしよう,どうしようと。
どうにもならない頭で焦る。
恥ずかしさ,いたたまれなさ。
そして,おこがましくも……申し訳なさ。
「いい。分かってる。届いたんだろ……気持ちが」
「うん……僕は敦と付き合うことになった」
他人への初めての報告が,和寧を除いてリューだなんて。
リューは僕の目をそらさずに,じっとみつめて聞いた。
「辛くても? 言えなくても?」
「うん」
僕反対に視線をそらす。
それでも僕は,敦以外を考えるのはまだ無理だ。
馬鹿でもいい。
愚かでもいい。
それでもまだ,僕はこの恋と"ユメ"に浸っていたい。
どうしてだろう。
僕はリューをみて,今度は笑ってしまった。
「あいつが」
「?」
「少し可哀想だ……と思った」
「そうかな」
「もっと」
ー恋人なら信じて欲しいと思う
揺らぐ。ぐらりと世界観ごと否定されたように。
あまりにショックを受けた表情でもしてしまったのか
「すまない」
とリューは顔をそらした。
僕はふりふりと顔をふる。
僕は,敦の優しさを信じてる。
誠実さを信じてる。
大好きな敦の,僕への言葉を信じてる。
気持ちも,少しずつ信じていきたい。
でも……
そのどれもが,リューのいう信じるとは違うんだと感じた。
右手で左手を擦る。
それは気まずいときの僕のくせだ。
「ごめんね」
様々な意味を込めた言葉は。
その全てが無意味になるほど,薄情な音をしていた。
僕はたぶん,今日で,心の中にいたリューを永遠に失うのだと思う。
それはリューが,僕に,恋心を抱いたから?
僕がそれを受け入れなかったから?
僕の正体を知っていると知ったから?
それとも,僕が他の人を選んでしまったから?
他にも浮かぶ事柄は沢山あって。
きっと,その全部は正しいのだろう。
あの事故チューの日から,少しずつ会話や接触が減ったみたいに。
何もかも知らなかった時とは全く別の……
元通りではない別の形を目指して,僕らはまた新しく始まるのだと。
君の無言の返事に,感じた。
食堂に集まる一同。
の中心で,三太は今日も引き笑いを起こし注目を浴びていた。
「目が覚めたら隣のやつに抱き付いてるとか……っ。どこのラブコメだよ」
ぎゃははとなおも笑う三太の脛を,いい加減にしろと僕は思い切り蹴飛ばす。
「ほんと勘弁してほしいよ」
やれやれと,(被害者の)和寧まで便乗して,そちらにもぎろりと視線を向けた。
「だから俺のとなりにしておけばよかったのに」
ぼそりと不機嫌に,僕の耳にだけ届く。
そちらは無視をして,僕は真っ赤な耳を隠すようにうつ向いた。
「とうとう今日で終わりか~。明日は大してすることもないしね」
「明日は雨らしい」
「えっそうなの」
聞き捨てならないスズとリューの会話に,思わず反応する。
それを受けて,食事の手を止めたリューはやんわりと微笑んだ。
「今日晴れて良かったな」
「あ……うん」
広い沖縄は,基本的にタクシーで移動することになる。
だとしても,天気がいいことに越したことはない。
「じゃあ,そろそろ別れよっか。俺たちのとこも,もう女子食べ終わってるみたいだし。行くよ,三太」
「あえーす」
「ほら,僕らも」
和寧に促されて,僕たちは今日一日のスケジュール通りの行動を開始した。
ハンバーガーは熱々ジューシーで,フルーツは瑞々しくて。
食べてばっかりだなと思いながらも,夜にはステーキをしっかりと腹に入れた。
基本的に僕の意見を全て尊重して貰ったような形で,リュー,和寧,敦には若干の申し訳なさのようなものを感じる。
そうか,明日帰るのか。
真ん丸の月の周りには,虹の輪郭が見えた。
そして,手のひらにそれを透かすように,僕は一人夜風を浴びていた。
少し,食べすぎたかな。
「大丈夫か,伊織」
敦の声だ。
僕は返事をするより早く,後ろを振り返る。
「うん。大分落ち着いてきた。今ならアイスも食べられるかも」
「調子のると痛い目みるぞ」
敦は僕の頭に大きな手のひらを乗せた。
ははっと笑って,僕もそれを受け入れる。
ふと沈黙が落ちて,僕もそれに倣う。
敦はその後,考えるように口を開いた。
「許される接触って,具体的にどこまで?」
これはいいんだろ? とでも言うように,今度はまた柔らかく撫でられる。
僕はそれも受け入れながら,どこまで……? と問われた通り考えた。
その間に,敦は手のひらの位置を変えたり,抱き締めてみたり,取りあえず順番に試すような行動を取る。
その度に僕はぴくりと動いて,拒否する理由のなさに恥ずかしく思いながらされるがままになった。
敦の手のひらが頬に触れる。
きす……
「はだめ」
両手でかたく拒否をして,僕ははっとした。
ツーっと背中を冷たい汗が流れていく。
和寧とは悪ふざけとは言え不必要に舌までいれようとしたのに,ここで敦を拒むのは……
「あ,あのこれには」
「いや,悪かった」
「あの」
「おやすみ,伊織」
どうしよう。
僕は敦を拒みたい訳じゃ……
傷付けたい訳じゃ,ないのに。
ーカサッ
え。
リュ……
「悪い。覗くつもりはなかった」
「い,いや僕こそ! あの……」
どうしよう,どうしようと。
どうにもならない頭で焦る。
恥ずかしさ,いたたまれなさ。
そして,おこがましくも……申し訳なさ。
「いい。分かってる。届いたんだろ……気持ちが」
「うん……僕は敦と付き合うことになった」
他人への初めての報告が,和寧を除いてリューだなんて。
リューは僕の目をそらさずに,じっとみつめて聞いた。
「辛くても? 言えなくても?」
「うん」
僕反対に視線をそらす。
それでも僕は,敦以外を考えるのはまだ無理だ。
馬鹿でもいい。
愚かでもいい。
それでもまだ,僕はこの恋と"ユメ"に浸っていたい。
どうしてだろう。
僕はリューをみて,今度は笑ってしまった。
「あいつが」
「?」
「少し可哀想だ……と思った」
「そうかな」
「もっと」
ー恋人なら信じて欲しいと思う
揺らぐ。ぐらりと世界観ごと否定されたように。
あまりにショックを受けた表情でもしてしまったのか
「すまない」
とリューは顔をそらした。
僕はふりふりと顔をふる。
僕は,敦の優しさを信じてる。
誠実さを信じてる。
大好きな敦の,僕への言葉を信じてる。
気持ちも,少しずつ信じていきたい。
でも……
そのどれもが,リューのいう信じるとは違うんだと感じた。
右手で左手を擦る。
それは気まずいときの僕のくせだ。
「ごめんね」
様々な意味を込めた言葉は。
その全てが無意味になるほど,薄情な音をしていた。
僕はたぶん,今日で,心の中にいたリューを永遠に失うのだと思う。
それはリューが,僕に,恋心を抱いたから?
僕がそれを受け入れなかったから?
僕の正体を知っていると知ったから?
それとも,僕が他の人を選んでしまったから?
他にも浮かぶ事柄は沢山あって。
きっと,その全部は正しいのだろう。
あの事故チューの日から,少しずつ会話や接触が減ったみたいに。
何もかも知らなかった時とは全く別の……
元通りではない別の形を目指して,僕らはまた新しく始まるのだと。
君の無言の返事に,感じた。
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