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第二章 あ、忘れてた
7.
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7.
―またね?アカリちゃん
お兄さん、花守さんは、そう言っていたけれど。結局、あの後彼とは一度も会っていない。チサが嫌がる気がして、緑地公園に近づくのを避けているからかもしれないけれど。
そして、気づけば季節は冬、大学受験がもう目の前に迫っている。最後の追い込みは、やっぱりチサ先生の力に頼って、ひこきもり勉強生活を送っている。
「…明莉、手が止まってる。どこがわからない?」
「あ、ごめん。大丈夫、わかる。さっきやったのと同じパターンだよね?」
言われて、意識を目の前の参考書に戻した。
「…明莉、最近、ぼうっとしてることが増えてる。あの男のせい?」
「…」
返事に戸惑い、手が止まる。チサの『あの男』とは、どっちのことだろうか?
たまに罵倒してくる以外は、話しかけてもガン無視の来叶のことか。それとも、勘の鋭いチサのこと、今まさに考えていた花守さんのことを言っているのかも。
下手な反応は出来ずに、愛想笑いで返してみる。
「…『新しい恋でも始めてみる』の?」
「…何のことでしょう?」
「明莉は『花守秀一』が気になってる?」
「ぐっ」
ど直球の問いかけに、思わず詰まった。真剣に見つめられて、何と答えたものか、自分自身、よくわかっていない気持ちを何とか言葉にする。
「えーっと、気になるって言うか何て言うか。ただ、『アカリちゃん』って呼ばれたの、久しぶりだなーって思って」
それが、何だか、女の子扱いみたいで嬉しかったのだ。
「…チョロい女」
「いやいや!別に、それで惚れたとかそう言うんじゃなくて、本当、ちょっと嬉しかっただけで」
ため息混じりのチサの言葉を必死に否定する。
「別に明莉が好きならそれでいいと思う。だけど、あの男は何か変。気を付けて欲しい」
「変?変だったかな?なんか、大人の余裕?的な落ち着きっぷりはあったよね?。いいよねー、優しそうで、頼りがいがある感じ」
特に、私の恐れおののくチサの怒りの波動に動じない辺りなど。
「…大学生だって名乗ってた」
「うん、そう言ってたね?」
「…。明莉と同い年、年下の可能性もある」
「!?」
チサの温い視線が言っている。
―明莉の『大人の余裕』は何処に?
「…とりあえず、勉強します。頑張ります」
「頑張れ」
完全に止まっていた手を再び動かす。『大人の余裕』の獲得方法は不明だけれど、今すべきなのは、受験勉強。セーラー服生活との決別のためにも、今は目標に向かって進むのみ。
―またね?アカリちゃん
お兄さん、花守さんは、そう言っていたけれど。結局、あの後彼とは一度も会っていない。チサが嫌がる気がして、緑地公園に近づくのを避けているからかもしれないけれど。
そして、気づけば季節は冬、大学受験がもう目の前に迫っている。最後の追い込みは、やっぱりチサ先生の力に頼って、ひこきもり勉強生活を送っている。
「…明莉、手が止まってる。どこがわからない?」
「あ、ごめん。大丈夫、わかる。さっきやったのと同じパターンだよね?」
言われて、意識を目の前の参考書に戻した。
「…明莉、最近、ぼうっとしてることが増えてる。あの男のせい?」
「…」
返事に戸惑い、手が止まる。チサの『あの男』とは、どっちのことだろうか?
たまに罵倒してくる以外は、話しかけてもガン無視の来叶のことか。それとも、勘の鋭いチサのこと、今まさに考えていた花守さんのことを言っているのかも。
下手な反応は出来ずに、愛想笑いで返してみる。
「…『新しい恋でも始めてみる』の?」
「…何のことでしょう?」
「明莉は『花守秀一』が気になってる?」
「ぐっ」
ど直球の問いかけに、思わず詰まった。真剣に見つめられて、何と答えたものか、自分自身、よくわかっていない気持ちを何とか言葉にする。
「えーっと、気になるって言うか何て言うか。ただ、『アカリちゃん』って呼ばれたの、久しぶりだなーって思って」
それが、何だか、女の子扱いみたいで嬉しかったのだ。
「…チョロい女」
「いやいや!別に、それで惚れたとかそう言うんじゃなくて、本当、ちょっと嬉しかっただけで」
ため息混じりのチサの言葉を必死に否定する。
「別に明莉が好きならそれでいいと思う。だけど、あの男は何か変。気を付けて欲しい」
「変?変だったかな?なんか、大人の余裕?的な落ち着きっぷりはあったよね?。いいよねー、優しそうで、頼りがいがある感じ」
特に、私の恐れおののくチサの怒りの波動に動じない辺りなど。
「…大学生だって名乗ってた」
「うん、そう言ってたね?」
「…。明莉と同い年、年下の可能性もある」
「!?」
チサの温い視線が言っている。
―明莉の『大人の余裕』は何処に?
「…とりあえず、勉強します。頑張ります」
「頑張れ」
完全に止まっていた手を再び動かす。『大人の余裕』の獲得方法は不明だけれど、今すべきなのは、受験勉強。セーラー服生活との決別のためにも、今は目標に向かって進むのみ。
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