俺の彼女がウブすぎる ~初々しい二人は一緒に帰ったことをきっかけに仲を深める~

空野進

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 翌日、俺は柏木の家へとやってきた。
 呼び鈴を鳴らすと中から柏木が恥ずかしそうな顔をしながら出てくる。


「あっ、三島くん……、どうぞ」


 柏木に言われて俺は部屋の中へと入っていく。
 そして、柏木の部屋へと案内された。

 可愛らしい内装に綺麗に片付けられている部屋。
 ベッドにはいくつかぬいぐるみが置かれていて、とても柏木の部屋らしかった。


「あ、あの、汚いところで申し訳ありません……」


 俺がじっと部屋を見ていたせいか、柏木は申し訳なさそうに謝ってくる。


「い、いや、全然そんなことない。むしろすごく片付いているくらいだ」
「そ、それなら良かったです……」


 安心した表情を見せる柏木。


「あっ、わ、私、ケーキを取ってきますね。その辺でくつろいでいてくださいね」


 柏木が慌てて出て行く。
 それを見たあと俺はとりあえずその場に腰を下ろす。

 すると、突然扉が開く。

 やけに柏木が早く帰ってきたんだな……とそちらに振り向く。
 すると柏木を幼くしたような少女がちょこっと顔をのぞかせていた。


「えっと……誰?」


 どこかで見たことあるような……って、柏木の妹か。
 おもわず声を上げてしまったが、冷静になると一度会ったことがあるなと思い出す。


「お兄さんは……あっ、お姉ちゃんの彼氏だ!」


 俺のことがわかると少女は嬉しそうに部屋の中へと入ってくる。
 そして、俺に飛びついてくる。

 それを受け止めると少女は嬉しそうに顔を埋めてくる。


「わっと……」
「わーい、私、お兄さんが欲しかったんだー」


 腕を回されてそのまま抱きつかれる。
 美咲と違ってこうやって全力で甘えられるのは初めてだな……。
 俺は思わず彼女の頭を軽く撫でてしまう。


「あっ……」


 すると少女が声を漏らしてくる。


「す、すまん。つい……」
「いいですよ、お兄さんなら……」


 上目遣いで微笑んでくる。
 するとそのタイミングで柏木が帰ってくる。
 そして、俺たちを見ると表情が一瞬曇った気がした。


「あっ、か、柏木。こ、これはやましい気持ちがあった訳じゃなくて……」
「ま、真奈!?な、何をしてるの!」
「あっ、お姉ちゃん。おかえりー」


 怒鳴り声を上げる柏木に対して真奈と言われた妹が表情を変えずに答えてくる。


「ただいま……。って違うよ!何で真奈が私の部屋にいるの!」
「何でって昨日お姉ちゃんが必死に部屋を片付けてたから誰か来るのかなー?って見にきたの」
「必死に……?」


 真奈の話に俺が首をかしげると柏木が必死に弁明する。


「そ、その、あの、や、やっぱり、三島くんが来るから……その……」


 慌てふためく柏木を見てると俺は思わず笑みを浮かべる。


「ありがとうな。わざわざ柏木は部屋を片付けてくれたんだな……」
「だ、だって、三島くんの部屋、すごく綺麗だったから……」


 もぞもぞと手を弄ぶ柏木。
 わざわざ俺のためにしてくれたと聞くと何だか嬉しく思えてくる。

 ただそんな俺たちを見ながら真奈は不思議そうに首を傾げていた。


「どうかしたのか?」
「あっ、そ、そうでした。真奈、いつまで三島くんに抱きついてるの!うらやま……、じゃない。迷惑でしょ!」


 無理やり柏木が真奈を引き離す。


「いや、俺は迷惑じゃなかったけど……」
「いえ、こういうことはしっかり言わないと!」


 ただ、言われっぱなしの真奈が顎に手を当てて不思議そうに俯いているのが少しだけ気になった。


「どうして……?」
「だって迷惑でしょ!」


 真奈がようやく声を出すと柏木がすぐに言い返す。
 ただ、彼女はすぐに首を横に振っていた。


「違うよ。お姉ちゃんたち、付き合ってるんでしょ?何で、名前で呼び合わないの?」
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