園芸店店長、ゲーム世界で生産にハマる!

緑牙

文字の大きさ
78 / 143
2章 村での生活

31話 実は危険なミドリサツマノイモ!?

しおりを挟む
  手持ちの焼きサツマノイモを取り上げられた俺は、かまどにある残りの焼きサツマノイモを女将さんとラベンダーに渡す分を残してストレージにしまった。

 本当はもう少し食べたかったが、今は止めておいた方がいいような気がするんだよな……

 そんな俺が視線を向けた先には──


「これが焼きサツマノイモ……! 砂糖みたいに甘いです!」
《柔らかな舌触りと優しい甘さ……とっても美味しいですね!》


 俺から奪った焼きサツマノイモをとても美味しそうに食べる二人が居る。

 ……うん、二人も満足してくれたようで何よりだな。

 ものすごい勢いでガツガツ食べてるのは……見なかったことにしよう。


 ……のどに詰まらせた時用に水を用意しとこうかな。


「先生! これすごく美味しいです!」
《リョウさん! 焼きサツマノイモは大成功ですね!》

「二人とも……食べ終わってから話そうな?」


 立ったまま凄い勢いで食べながら話すから、あちこちに芋の破片が飛び散ってるのだが……

 二人が食べ終わったら掃除しとこ。



「サツマノイモって、こんなに美味しかったんですね……」

《ふぅー……もうお腹いっぱいです……》


 二人とも食べ終わって満足したようだけど……まだメインのミドリサツマノイモはまだ焼いてもないんだよな。



「ラベンダー、ちょっと聞いていいかな?」

「はい、なんですか?」

「さっきサツマノイモにかけた魔法って、ラベンダーにどれくらい負担かかるのかな?」

「んー……全く無いです!」

「そ、そうか」


 二人の食べこぼしを掃除しながら聞いてみると、あっさりとそう返された。

 しかし負担がないというのは、ブレンからしたら異常だったらしい。

 嘴を開けっ放しにして驚いてるくらいだからな……


《そんな……あれだけの魔法を使って全く負担がないなんて……!?》

(やはり異常なレベルなんだな。ラベンダー、まだ子供なのに……いったい何をしたらあれほどの魔法でも負担に感じなくなるんだろ)

《そうですね……考えられるのは、最初からラベンダーさんの保有魔力が規格外だったか……あるいは日頃からかなりの頻度で使うことで負担を感じなくなってる……のでしょうか?》

(両方かもな。ただ、元々保有魔力高くても普段から使わないとあんなこと出来ないんじゃないかな? 何事も、日々繰り返すことで体が慣れて負担も減るだろうし)


 まあ、ラベンダーの場合は……頑張りすぎたのがメインじゃないかなとは思うが……

 一度女将さんに聞いてみた方がいいかもしれないな。



 まあ、それはともかくとして。

 負担があまりないということなら、残りのサツマノイモとミドリサツマノイモもお願いしておきたい。

 普通のサツマノイモであれだけ美味しかったわけだし……

 食べたら幸福が訪れるなどと言われているミドリサツマノイモを焼いたら、食べた時どうなってしまうのか。

 ものすごく、興味がある!


「なあラベンダー」

「なんですか?」

「実は少しだけミドリサツマノイモがあるんだが──」
「ミ、ミドリサツマノイモですかっ!?」
《ひゃっ!?》


 焼きサツマノイモを食べた余韻に浸っていたラベンダーとブレン。

 だが、俺がミドリサツマノイモと言った瞬間にラベンダーが高速で詰め寄ってきたので……

 ブレンはラベンダーの肩から落ちて、慌てて俺の肩まで飛んできた。


「お、おう……さっきの魔法で残りのサツマノイモと一緒に焼くのを手伝──」
「もちろんです!」


 うお……圧が、圧力がヤバイ!

 思わず一歩後ずさる。


「それでその……お手伝いはちゃんとしますので、できたら──」


 急に勢いが弱くなるからなにかと思ったら……


「分かってる。もちろんミドリサツマノイモも女将さんとラベンダーの二人分渡すから、安心していいぞ」

「やったあ!」


 飛び上がって喜ぶラベンダー。

 ……俺、さっきミドリサツマノイモは少ししかないと言ったけど……

 ちゃんと聞いてたかな?

 この喜びようだと、一人一本くらいもらえると思ったりしてないだろうか……?


「あの、ラベンダー?」
「はい! なんですか先生!!」

「ちょ、ちょっと落ち着いて! そんなに詰め寄らなくても聞こえるから!」


 ミドリサツマノイモで、どれだけテンション上がってるんだよ!?

 かなり年下とは言え、ラベンダーはかなり美少女だ。

 あまり詰め寄られると、心臓に悪い……

 それにあの女将さんの娘だからな……

 色々な意味で怖すぎる……!


「さっきも言ったが、ミドリサツマノイモは少ししかないんだ。だから、女将さんとラベンダーの二人分でも一本くらいしかあげれないんだが……」
「じゃあ一人分は半分ですか!?」


 若干距離を空けながら、ミドリサツマノイモが少ないことを話すと、ラベンダーは予想以上に驚いた顔をした。

 あまりの少なさに驚いたのか? しかし、これ以上渡すのは厳し──


「多すぎますよ! そんなに食べたら、天に召されてしまいます!!」

「……え? 多すぎ……? と言うかブレン、ミドリサツマノイモって亡くなるような毒あるの?」
《ありませんよっ!》


 ラベンダーの口から飛び出た『天に召される』などと言う物騒な言葉に、無意識でブレンに質問してしまった。

 知識量が俺よりはるか上のブレンが食い気味に毒はないと言うのだから、間違いはないだろう。


「ラベンダー? 天に召されるってどう言うことだ?」

「それはですね! ミドリサツマノイモは一口食べれば幸せが訪れ、二口食べれば頬が落ち、三口食べれば天に召されると言われているからです!」


 ……たった三口で召されちゃダメじゃん……

 それで半分でも多すぎと言った訳か。


(なあブレン、実際ミドリサツマノイモに何か特殊な効果ってあったりするのかな?)

《毒は無いし、とっても美味しいと言うことは知識で知ってるのですが……私も含めて実食した人がかなり少なくて……》


 つまり、食べてみないと分からない……と言うことか。

 まあでも、森で希に見つかる食材でとても美味しいとネットに書かれていたくらいだから、恐らく危険はないはずだ。

 ……無いと思いたい。
しおりを挟む
感想 14

あなたにおすすめの小説

ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います

とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。 食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。 もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。 ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。 ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

龍王の番〜双子の運命の分かれ道・人生が狂った者たちの結末〜

クラゲ散歩
ファンタジー
ある小さな村に、双子の女の子が生まれた。 生まれて間もない時に、いきなり家に誰かが入ってきた。高貴なオーラを身にまとった、龍国の王ザナが側近二人を連れ現れた。 母親の横で、お湯に入りスヤスヤと眠っている子に「この娘は、私の○○の番だ。名をアリサと名付けよ。 そして18歳になったら、私の妻として迎えよう。それまでは、不自由のないようにこちらで準備をする。」と言い残し去って行った。 それから〜18年後 約束通り。贈られてきた豪華な花嫁衣装に身を包み。 アリサと両親は、龍の背中に乗りこみ。 いざ〜龍国へ出発した。 あれれ?アリサと両親だけだと数が合わないよね?? 確か双子だったよね? もう一人の女の子は〜どうしたのよ〜! 物語に登場する人物達の視点です。

断罪後のモブ令息、誰にも気づかれずに出奔する

まる
ファンタジー
断罪後のモブ令息が誰にも気づかれないよう出奔して幸せを探す話

【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……

buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。 みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

義妹の嫌がらせで、子持ち男性と結婚する羽目になりました。義理の娘に嫌われることも覚悟していましたが、本当の家族を手に入れることができました。

石河 翠
ファンタジー
義母と義妹の嫌がらせにより、子持ち男性の元に嫁ぐことになった主人公。夫になる男性は、前妻が残した一人娘を可愛がっており、新しい子どもはいらないのだという。 実家を出ても、自分は家族を持つことなどできない。そう思っていた主人公だが、娘思いの男性と素直になれないわがままな義理の娘に好感を持ち、少しずつ距離を縮めていく。 そんなある日、死んだはずの前妻が屋敷に現れ、主人公を追い出そうとしてきた。前妻いわく、血の繋がった母親の方が、継母よりも価値があるのだという。主人公が言葉に詰まったその時……。 血の繋がらない母と娘が家族になるまでのお話。 この作品は、小説家になろうおよびエブリスタにも投稿しております。 扉絵は、管澤捻さまに描いていただきました。

卒業パーティでようやく分かった? 残念、もう手遅れです。

ファンタジー
貴族の伝統が根づく由緒正しい学園、ヴァルクレスト学院。 そんな中、初の平民かつ特待生の身分で入学したフィナは卒業パーティの片隅で静かにグラスを傾けていた。 すると隣国クロニア帝国の王太子ノアディス・アウレストが会場へとやってきて……。

処理中です...