41 / 258
転生〜統治(仮題)
カレン
しおりを挟む
「まさか、気付かれるとは思いませんでした。流石は私の、愛しい愛しいルークですね?」
「・・・誰だ?」
透き通るような声とは、この人の声を言うのだろう。まだ距離はあるはずなのだが、叫んでもいないのにハッキリと耳に届く。同時に体中から汗が噴き出す。この感覚は、前世で剣術の師匠を死合いをした時以来だ。後ろの3人を無事に逃がす為に、頭脳をフル回転させる。しかし、答えを出せないまま、声の主は部屋の入り口を通り抜ける。その姿に、思わず心を奪われそうになる。絶世の美女なんてレベルじゃない。まさに女神だ。
「やっと見付けましたよ?お久しぶりですね、ルーク。と言っても、ルークは覚えていないでしょうけど。」
「まさか・・・か、カレン・・・姉さ、ん?」
「正解です!良く出来ました~!!いい子いい子。」
「っ!?」
目を離さず、全力で警戒していたにも関わらず、目の前の女性はオレの目の前に移動し、笑顔でオレの頭を撫でている。おまけに、両手で構えていた美桜も奪われていた。オレが予想していたよりも遥か格上。いつか届くかもしれないが、今ではない。
近付くのを待たずに、後ろの3人を連れて転移すべきだった。自分自身の致命的なミス。相手の実力を読み違えた。いや、全く読めなかったのだ。その時点で気付くべきだったのだが、今となっては後の祭りである。こうなっては、相手の機嫌を損ねないよう注意を払い、チャンスを伺うしかない。
「ど、どうしてここへ?」
「ルークという名の冒険者が、帝国に1人で宣戦布告したという情報が入って来たのですよ?確かめに来るのは当然です。」
頬を膨らませている姉に、思わず見惚れてしまう。
「目的は・・・それだけ?っ!?」
オレの質問に、それまでの微笑みが消え真剣な顔つきとなる。同時に殺気も放たれ、後ろの3人が倒れる音がする。耐えきれずに気絶したのだろう。
「ルークにおかしな虫が付いていないか確認する為に来ました。エレナから聞きましたよ?ティナと・・・ナディアという娘と婚約したと。ですが・・・他の女の匂いもしますね?」
「え?あ、あはははは。・・・はい。スフィアという女性とも婚約しました。あと、部下の2人とも婚約しようと思ったのですが、スフィアの立場上愛人という事に・・・。」
笑って誤魔化そうとしたら視線が強められたが、その後の説明を聞き緩められた。
「嘘はついていないようですね。まぁ、いいでしょう。ルークは沢山の妻を娶らなければなりませんから。」
「それってどういう・・・?他にも姉さんに聞きたい事が沢山ある!」
「カレンです。」
「え?」
「私の事は、カレンと呼んで下さい。」
「わかったよ、カレン。」
「いい子いい子~。それで、聞きたい事とは何ですか?」
恥ずかしいので、頭を撫でるのはやめて欲しい。言えないけど。
「全部聞きたい。オレの知らない事は全部。」
「そうですね。いいでしょう。それでは、ルークの生い立ちからにしましょうか。」
「あ、その前に・・・1つだけ。」
「何ですか?」
「オレの婚約者に危害を加えたりは・・・?」
「私がそのような事をするはずが無いでしょう?ルークに嫌われるような事はしませんよ。」
良かったぁ!これでオレの懸案事項は全て片付いた。それなら・・・。
「それなら、婚約者全員にも聞かせて欲しい。カレンに時間があれば、だけど。」
「そうですか・・・わかりました。私は特に用もありませんし、いつでも時間はありますよ。基本的に暇ですから。普段は適当な国を放浪するだけの生活ですし。」
姉さん、それって山下なんとかより酷いよね?あ、おにぎり作りましょうか?
「2週間後にはティナとナディアがシリウス学園前に来る約束になってるから、その時でもいい?それまでは・・・スフィアの所か、この城に滞在だとダメかな?」
「ティナでしたら、今頃はもう学園都市に到着していますよ?」
「え?何で知ってるの?」
「ここに来る途中で見掛けましたから。そうですね、私が迎えに行って来ますから・・・3日後にこの城でお話しましょう。ルークには後処理があるでしょうから。」
「あ、そうだった。わかったよ、じゃあ、3日後にここで!」
そう言うとカレンは転移魔法を使い、オレの前から消え去った。あの人も転移魔法使えるのかよ。どのみち逃げ切れなかったって事だろうな。
オレも転移魔法でスフィアの元へと移動する。オレが転移して来た事に気付いたスフィアは、オレの元へ駆け寄り抱き着いて来た。
「おかえりなさい、ルーク!」
「ただいま、スフィア。」
感動の再開も束の間、スフィアに事情を説明し、世界政府を通して全世界にアルカイル帝国の壊滅が発表される。新国家の樹立については、色々と決めなければならない事があるので、当面はミリス公国が暫定的に代行統治する事になった。
その後も各方面へ奔走し、現在はミリス公国の機能と人材を旧帝国王城へと移動している最中である。転移魔法は国家機密となっているので、通常ルートでの移動である。
そして約束した日の早朝、オレ達は帝国の王城で再会を果たした。
「・・・誰だ?」
透き通るような声とは、この人の声を言うのだろう。まだ距離はあるはずなのだが、叫んでもいないのにハッキリと耳に届く。同時に体中から汗が噴き出す。この感覚は、前世で剣術の師匠を死合いをした時以来だ。後ろの3人を無事に逃がす為に、頭脳をフル回転させる。しかし、答えを出せないまま、声の主は部屋の入り口を通り抜ける。その姿に、思わず心を奪われそうになる。絶世の美女なんてレベルじゃない。まさに女神だ。
「やっと見付けましたよ?お久しぶりですね、ルーク。と言っても、ルークは覚えていないでしょうけど。」
「まさか・・・か、カレン・・・姉さ、ん?」
「正解です!良く出来ました~!!いい子いい子。」
「っ!?」
目を離さず、全力で警戒していたにも関わらず、目の前の女性はオレの目の前に移動し、笑顔でオレの頭を撫でている。おまけに、両手で構えていた美桜も奪われていた。オレが予想していたよりも遥か格上。いつか届くかもしれないが、今ではない。
近付くのを待たずに、後ろの3人を連れて転移すべきだった。自分自身の致命的なミス。相手の実力を読み違えた。いや、全く読めなかったのだ。その時点で気付くべきだったのだが、今となっては後の祭りである。こうなっては、相手の機嫌を損ねないよう注意を払い、チャンスを伺うしかない。
「ど、どうしてここへ?」
「ルークという名の冒険者が、帝国に1人で宣戦布告したという情報が入って来たのですよ?確かめに来るのは当然です。」
頬を膨らませている姉に、思わず見惚れてしまう。
「目的は・・・それだけ?っ!?」
オレの質問に、それまでの微笑みが消え真剣な顔つきとなる。同時に殺気も放たれ、後ろの3人が倒れる音がする。耐えきれずに気絶したのだろう。
「ルークにおかしな虫が付いていないか確認する為に来ました。エレナから聞きましたよ?ティナと・・・ナディアという娘と婚約したと。ですが・・・他の女の匂いもしますね?」
「え?あ、あはははは。・・・はい。スフィアという女性とも婚約しました。あと、部下の2人とも婚約しようと思ったのですが、スフィアの立場上愛人という事に・・・。」
笑って誤魔化そうとしたら視線が強められたが、その後の説明を聞き緩められた。
「嘘はついていないようですね。まぁ、いいでしょう。ルークは沢山の妻を娶らなければなりませんから。」
「それってどういう・・・?他にも姉さんに聞きたい事が沢山ある!」
「カレンです。」
「え?」
「私の事は、カレンと呼んで下さい。」
「わかったよ、カレン。」
「いい子いい子~。それで、聞きたい事とは何ですか?」
恥ずかしいので、頭を撫でるのはやめて欲しい。言えないけど。
「全部聞きたい。オレの知らない事は全部。」
「そうですね。いいでしょう。それでは、ルークの生い立ちからにしましょうか。」
「あ、その前に・・・1つだけ。」
「何ですか?」
「オレの婚約者に危害を加えたりは・・・?」
「私がそのような事をするはずが無いでしょう?ルークに嫌われるような事はしませんよ。」
良かったぁ!これでオレの懸案事項は全て片付いた。それなら・・・。
「それなら、婚約者全員にも聞かせて欲しい。カレンに時間があれば、だけど。」
「そうですか・・・わかりました。私は特に用もありませんし、いつでも時間はありますよ。基本的に暇ですから。普段は適当な国を放浪するだけの生活ですし。」
姉さん、それって山下なんとかより酷いよね?あ、おにぎり作りましょうか?
「2週間後にはティナとナディアがシリウス学園前に来る約束になってるから、その時でもいい?それまでは・・・スフィアの所か、この城に滞在だとダメかな?」
「ティナでしたら、今頃はもう学園都市に到着していますよ?」
「え?何で知ってるの?」
「ここに来る途中で見掛けましたから。そうですね、私が迎えに行って来ますから・・・3日後にこの城でお話しましょう。ルークには後処理があるでしょうから。」
「あ、そうだった。わかったよ、じゃあ、3日後にここで!」
そう言うとカレンは転移魔法を使い、オレの前から消え去った。あの人も転移魔法使えるのかよ。どのみち逃げ切れなかったって事だろうな。
オレも転移魔法でスフィアの元へと移動する。オレが転移して来た事に気付いたスフィアは、オレの元へ駆け寄り抱き着いて来た。
「おかえりなさい、ルーク!」
「ただいま、スフィア。」
感動の再開も束の間、スフィアに事情を説明し、世界政府を通して全世界にアルカイル帝国の壊滅が発表される。新国家の樹立については、色々と決めなければならない事があるので、当面はミリス公国が暫定的に代行統治する事になった。
その後も各方面へ奔走し、現在はミリス公国の機能と人材を旧帝国王城へと移動している最中である。転移魔法は国家機密となっているので、通常ルートでの移動である。
そして約束した日の早朝、オレ達は帝国の王城で再会を果たした。
11
あなたにおすすめの小説
ハーレムキング
チドリ正明@不労所得発売中!!
ファンタジー
っ転生特典——ハーレムキング。
効果:対女の子特攻強制発動。誰もが目を奪われる肉体美と容姿を獲得。それなりに優れた話術を獲得。※ただし、女性を堕とすには努力が必要。
日本で事故死した大学2年生の青年(彼女いない歴=年齢)は、未練を抱えすぎたあまり神様からの転生特典として【ハーレムキング】を手に入れた。
青年は今日も女の子を口説き回る。
「ふははははっ! 君は美しい! 名前を教えてくれ!」
「変な人!」
※2025/6/6 完結。
リヴァイヴ・ヒーロー ~異世界転生に侵略された世界に、英雄は再び現れる~
灰色キャット
ファンタジー
「君に今の時代に生まれ変わって欲しいんだ」
魔物の王を討伐した古き英雄グレリア・ファルトは死後、突然白い世界に呼び出され、神にそう言われてしまった。
彼は生まれ変わるという言葉に孫の言葉を思い出し、新しい人生を生きることを決意した。
遥か昔に生きていた世界がどう変わっているか、発展しているか期待をしながら700年後の時代に転生した彼を待ち受けていたのは……『英雄召喚』と呼ばれる魔法でやってきた異世界人の手によって破壊され発展した――変貌した世界だった。
歴史すら捻じ曲げられた世界で、グレリアは何を求め、知り……世界を生きるのだろうか?
己の心のままに生き、今を知るために、彼は再び歴史を紡ぐ。
そして……主人公はもう一人――『勇者』、『英雄』の定義すら薄くなった世界でそれらに憧れ、近づきたいと願う少年、セイル・シルドニアは学園での入学試験で一人の男と出会う。
そのことをきっかけにしてセイルは本当の意味で『勇者』というものを考え、『英雄』と呼ばれる存在になるためにもがき、苦しむことになるだろう。
例えどんな困難な道であっても、光が照らす道へと……己の力で進むと誓った、その限りを尽くして。
過去の英雄と現代の英雄(の卵)が交差し、歴史を作る!
異世界転生型アンチ異世界転生ファンタジー、ここに開幕!
――なろう・カクヨムでも連載中――
世界一簡単にレベルアップ ~魔物を倒すだけでレベルが上がる能力を得た俺は、弱小の魔物を倒しまくって異世界でハーレム作る事にしました~
きよらかなこころ
ファンタジー
シンゴはある日、事故で死んだ。
どうやら、神の手違いで間違って死んでしまったシンゴは異世界に転生することになる。
転生する際にオマケに『魔物を倒すだけでレベルが上がる』能力を貰ったシンゴ。
弱小の魔物を倒してレベルを上げ、異世界でハーレムを作る事を企むのだった。
あの子を甘やかして幸せにスローライフする為の、はずれスキル7回の使い方
tea
ファンタジー
はずれスキル持ちなので、十八になったら田舎でスローライフしようと都落ちの日を心待ちにしていた。
しかし、何故かギルマスのゴリ押しで問答無用とばかりに女勇者のパーティーに組み込まれてしまった。
追放(解放)してもらうため、はずれスキルの無駄遣いをしながら過去に心の傷を負っていた女勇者を無責任に甘やかしていたら、女勇者から慕われ懐かれ、かえって放してもらえなくなってしまったのだが?
どうなる俺の田舎でのスローライフ???
【完結】奪われたものを取り戻せ!〜転生王子の奪還〜
伽羅
ファンタジー
事故で死んだはずの僕は、気がついたら異世界に転生していた。
しかも王子だって!?
けれど5歳になる頃、宰相の謀反にあい、両親は殺され、僕自身も傷を負い、命からがら逃げ出した。
助けてくれた騎士団長達と共に生き延びて奪還の機会をうかがうが…。
以前、投稿していた作品を加筆修正しています。
無能と呼ばれたレベル0の転生者は、効果がチートだったスキル限界突破の力で最強を目指す
紅月シン
ファンタジー
七歳の誕生日を迎えたその日に、レオン・ハーヴェイの全ては一変することになった。
才能限界0。
それが、その日レオンという少年に下されたその身の価値であった。
レベルが存在するその世界で、才能限界とはレベルの成長限界を意味する。
つまりは、レベルが0のまま一生変わらない――未来永劫一般人であることが確定してしまったのだ。
だがそんなことは、レオンにはどうでもいいことでもあった。
その結果として実家の公爵家を追放されたことも。
同日に前世の記憶を思い出したことも。
一つの出会いに比べれば、全ては些事に過ぎなかったからだ。
その出会いの果てに誓いを立てた少年は、その世界で役立たずとされているものに目を付ける。
スキル。
そして、自らのスキルである限界突破。
やがてそのスキルの意味を理解した時、少年は誓いを果たすため、世界最強を目指すことを決意するのであった。
※小説家になろう様にも投稿しています
【完結】487222760年間女神様に仕えてきた俺は、そろそろ普通の異世界転生をしてもいいと思う
こすもすさんど(元:ムメイザクラ)
ファンタジー
異世界転生の女神様に四億年近くも仕えてきた、名も無きオリ主。
億千の異世界転生を繰り返してきた彼は、女神様に"休暇"と称して『普通の異世界転生がしたい』とお願いする。
彼の願いを聞き入れた女神様は、彼を無難な異世界へと送り出す。
四億年の経験知識と共に異世界へ降り立ったオリ主――『アヤト』は、自由気ままな転生者生活を満喫しようとするのだが、そんなぶっ壊れチートを持ったなろう系オリ主が平穏無事な"普通の異世界転生"など出来るはずもなく……?
道行く美少女ヒロイン達をスパルタ特訓で徹底的に鍛え上げ、邪魔する奴はただのパンチで滅殺抹殺一撃必殺、それも全ては"普通の異世界転生"をするために!
気が付けばヒロインが増え、気が付けば厄介事に巻き込まれる、テメーの頭はハッピーセットな、なろう系最強チーレム無双オリ主の明日はどっちだ!?
※小説家になろう、エブリスタ、ノベルアップ+にも掲載しております。
最強賢者の最強メイド~主人もメイドもこの世界に敵がいないようです~
津ヶ谷
ファンタジー
綾瀬樹、都内の私立高校に通う高校二年生だった。
ある日、樹は交通事故で命を落としてしまう。
目覚めた樹の前に現れたのは神を名乗る人物だった。
その神により、チートな力を与えられた樹は異世界へと転生することになる。
その世界での樹の功績は認められ、ほんの数ヶ月で最強賢者として名前が広がりつつあった。
そこで、褒美として、王都に拠点となる屋敷をもらい、執事とメイドを派遣してもらうことになるのだが、このメイドも実は元世界最強だったのだ。
これは、世界最強賢者の樹と世界最強メイドのアリアの異世界英雄譚。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる