Shining Rhapsody 〜神に転生した料理人〜

橘 霞月

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転生〜統治(仮題)

新たな扉

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新たにシリウス学園の学園長である、ダークエルフのローナをパーティに加える事になったルークであったが、彼女が抱える問題をどうするのか考えようとしていた。彼女は、魔力を高めると実年齢に相応しい大人の姿に変化してしまうという、摩訶不思議な体質の持ち主である。

周囲に人がいなければ、いくら服がはち切れようと問題は無い。しかし、流石にそのような状況ばかりではないのだ。どうにかしようと思い問題提起したルークだが、その事で一波乱起ころうとしていた。先の指摘を受け、学園長が絶望的な表情を浮かべている。しかし、魔物との戦いは命が掛かっている為、容赦する事は出来ない。

「魔力を高められないんじゃ、戦闘には向かないよね?」
「それを言われると・・・・・な~んちゃって~!私はほとんど魔法を使えんから、何の問題も無いのじゃ!心配したのか?ぷぷぷっ、上手く騙されおって。可愛いヤツじゃのぉ!!」

学園長の絶望的なまでの面持ちが一変し、憎たらしい笑みを浮かべながら舌を出して跳ね回っている。ついでに尻まで叩き出した。・・・おや?この心に沸き起こる感情は一体何だろう?あぁそうか、これはきっと愛だ。この燃えるような想い、あのバカにぶつけてやろう。

「・・・炎よ来たれ」
「ひっ!!」
「その身は我が矢とな「やめなさい!」痛っ!ナディア、何すんのさ!!」
「ムカついたら禁呪を使おうとするそのクセを治しなさい!」

オレが第一節を詠唱した途端、学園長が変な声をあげて震え出した。第二節の詠唱途中に、ナディアから頭を叩かれた。

「暴力はんた~い!それに・・・私はムカついてなどおりません。胸の中に湧き上がる熱い気持ち、そう!これは愛です!!私は愛に気付かせて下さった方に、お返ししようとしたに過ぎないのです!」
「そんな訳無いでしょ!そして変なキャラをやめろ!!」

本気でナディアから叱られた。真面目なキャラまで否定されたよ。そんなオレを見て、当然じっとしていられるおバカではない。

「ぷぷっ、叱られおった。相変わらずバカじゃのぉ!」
「・・・ぶっ殺す!」
「ま、不味いのじゃ!逃げるのじゃ!!」
「あ!こら、待て!!」
「・・・はぁ。」
「ふふふっ。ナディア?子供が増えたみたいで楽しいですね?」
「ねぇ、カレン?それ・・・本気で言ってる?」

逃げるローナ、追いかけるルーク。そんな2人を見て楽しそうにしているカレンに問い掛けるが、彼女が答える事は無かった。そしてナディアも、それ以上の追求はしない。答えを聞くまでもなかったのだ。ナディアは思う。カレンは本気だと。

嫁さん達がローナとルークの追いかけっ子を暫く眺めていると、諦めたルークが帰って来た。

「ねぇ?あれで身体強化してないの?捕まえられないんだけど・・・。」
「元々身体能力に秀でたダークエルフ族だもの。その中でもローナは飛び抜けてるから、まぁ当然でしょうね。昔は腕利きの冒険者だったのよ?」
「フィーナ、それ本当?」
「ルークは彼女を何だと思ってたの?」
「ただの変態?」
「・・・それは否定しないわ。」

フィーナの説明が信じられなかったルークだったが、ルークの言葉を受けたフィーナが視線を逸しながら呟いた。それも疑いようのない事実であると。

「学園長!」
「なんじゃ?もう終わりなのか?」

オレの呼び掛けに答え、残念そうにしながらローナが戻って来る。遊んでばかりもいられない。確認したい事があるし、そろそろ真面目な話をしよう。

「学園長と事務長の引き継ぎはどうするんだ?辞めるんだろ?」
「ユーナは引き継ぎが必要じゃから、暫くの間は学園にいなければならんかの。私は特に必要無いから大丈夫じゃ。辞めるつもりは無いからの。」
「え?辞めないの?学園は大丈夫?」
「特にやる事も無かったからな、問題は無いぞ!」

学園長は胸を張って答える。薄い胸を。つるぺたストンという表現が適切だろう。しかし、何もしてなかったのか・・・学園がちょっと心配になってきた。

「それなら事務長は明日の朝にでも送って行こう。で、学園長。明日からダンジョンに向かうけど、装備はある?冒険者だったんだろ?」
「何百年も前の話をされてものぉ・・・何処に仕舞ったのか覚えておらん!あはははは。」

腕利きの冒険者・・・いいのかよ、それで。学園長の過去を教えてくれたフィーナに、疑いの視線を向けてみる。

「ねぇ、フィーナ?」
「私に振らないで!」

フィーナが現実逃避を始めたので、諦めて話を戻そう。まずは、装備品を揃えなければならない。

「学園長の武器は何だったの?一応防具も。準備するから教えて。」
「私か?私は短剣と、そうじゃな・・・何か投擲出来る武器が良いな!防具は特に必要無い。うっかり大きくなると壊れてしまうのでな。」
「まぁそうだよな。なら、着替えを何着か準備すればいいか。」
「着替えを何着も用意・・・・・はっ!?無理やり服を引き裂くようなプレイをする気じゃな?」
「するかボケ!!何でオレが幼女にそんな事をしなきゃいけないんだよ!!」
「大人ならいいのですね?」
「事務長!誤解を招く発言は慎みましょうね!!」

学園長のせいで、またしても脱線した。否定したつもりだったが、事務長が誤った解釈をする。あ、事務長もいたんだっけ。今日は素敵な服装ですね?ジョンが喜んでおります。・・・じゃなかった!


結局、学園長の装備を整える為、ログハウスのお披露目は終了となった。追々個別に利用して貰うとしよう。オレは武器を用意する為、皆とは別行動となる。学園長の服選びは嫁さん達に任せよう。

工房で試行錯誤しながらも、何とか学園長の武器を準備し終えたのは深夜になってからだった。いつもならば嫁さんの誰かが呼びに来るのだが、今回は誰も来なかったので、つい時間を忘れて没頭してしまった。ダンジョン攻略の為にも、しっかり休もうと思い入浴して寝室へと向かう。

寝るだけなので明かりも付けずにベッドに潜り込む。すると、何やらいい香りのする柔らかい物体に体が当たった。

「お待ちしておりました。」
「事務長!?どうしてオレの部屋に?」
「皆さんに言われて、ルーク様のお相手をする為にベッドの中を温めておりました。」

事務長が抱きついてくる。どうやら服を着ていないようだ。うむ、素晴らしい!じゃなくて、何してんのさ!!

「ちょっと事務長!?・・・本気?どうしてオレなの?」
「ずっと私は周囲の者達から避けられて来ました。最初は近付いて来る者も多いのですが、学園長の妹だとわかると距離を置かれてしまって・・・。」
「あぁ、なんとなくわかります。」
「ですが!ルーク様だけは違ったのです!!その事に気付いた瞬間、私の心は決まりました。」
「そんな事で?」
「私にはとても重要な事です。それに・・・学校職員と生徒の、禁断の愛!こんなシチュエーション、燃えるに決まっています!!ちゃんと縄も用意しておきました!さぁ、夜の授業を始めましょう!!」

忘れてたぁ!この人も変態だった!!事務長が距離を置かれるのは、学園長だけのせいじゃないと思います。言わないけど。

そんな事はさておき、オレの美人耐性さんは就寝中のご様子。美人耐性さんのいないオレなんて、親が見ていない場所でお小遣いを貰った子供のようなものだ。嬉々として新たな扉を開いたのは言うまでもない。

翌朝、縛られたまま眠る事務長を見て思う。こういうのもアリだな、と。
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