悪役令嬢に転生しましたが、行いを変えるつもりはありません

れぐまき

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恋愛編

61

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腹の探りあいのような会話を続けながらお茶の時間を終えるとレオナルド様が立ち上がった

「さて、そろそろいこうか」

スッと目の前に手を差し出されてわずかに戸惑う

……エスコートは許容範囲ね

そう思い直し、微笑んで手をとった
部屋を出るとレオナルド様が口を開く

「さて、案内と言ってもホールとか食堂とかへの移動には基本的に案内人をつけるから覚えてもらう必要ないんだよ」
「あら、そうなのですね」
「うん
だから今から行くのは暇潰し用かな?
書庫とか庭をメインに案内するね?」
「はい、よろしくお願いいたします」

返事をしてレオナルド様に導かれるままに歩く
長い廊下を歩きつつ飾ってある彫刻や花々、掛けてある絵画などに目を向ける
ところどころに金が使われたその装飾は、やはりすべて華やかだった

___________________________

書庫や中庭、展望室や王妃様お気に入りだというサロンなどを案内され、最後にやってきたのは薔薇園だった
黄色や白、オレンジなど、アンバー王国をイメージさせる色の大輪の花が無数に咲き誇っている

「まぁ・・・」

見事な景色に圧倒され、思わず感嘆の声を漏らす

「素晴らしいですね・・・」

ぽつりとそれだけ口にするとレオナルド様が嬉しそうに笑う

「でしょ?僕はこの城の中で一番ここが好きなんだ」
「綺麗ですものねぇ…」
「ここから見える景色もいいけど、僕は中にある東屋から見える景色の方がおすすめかな」
「!東屋があるのですか?」
「うん、行ってみようか
足元、気を付けてね」

そう言って再び差し出された手
東屋に興味を持っていかれていた私は今度はためらいなくその手を取った

「まぁ・・・!」

迷路のようになっている薔薇園を進み、しばらくして見えてきた目的地
そこは薔薇のアーチを何重にも重ねたような作りの薔薇の東屋だった

「ふふ、綺麗でしょ?」

レオナルド様の言葉に素直にうなずく

「えぇ、とても
薔薇の東屋…こんなことが出来るのですね」
「うーん…普通に育てるとちょっと大変なんじゃないかな?」

それはそうだろう
違う品種の薔薇を何本も同時に育て、一斉に咲き誇らせるのはとても大変なはずだ

「何か特別な育て方をしておられるのですか?」

訪ねると彼が微笑む

「僕たちの使う土の魔法は植物を育てるのに相性がいいんだよ
ここはアンバー王国の王宮だからね
一流の庭師が揃ってるのさ」

その答えになるほどと納得し、再びうなずいた
じっと見いっていると、レオナルド様に預けたままだった手をそっと引かれる

「ちょっと休憩しようか
中のベンチから見える景色も中々だよ」

そう促され、私達は東屋の中に移動した

_______________________________________

ベンチに腰掛け景色を眺める

咲き誇る色とりどりの薔薇と、主役を引き立てるために邪魔にならない程度に飾られた彫刻
そして何より芳しい薔薇の香り

「本当に素敵ですわね・・・」

うっとりと薔薇を眺めながら呟く
しばらくそうしてゆったりと時間を過ごしているとレオナルド様が不意に立ち上がった

「レオナルド様?」

何をするのかと首をかしげる
彼は見てて、といたずらっぽく微笑んで薔薇の枝に手を伸ばし、何かをとるとそのまま地面に手をつけた

「!」

ポワッとレオナルド様の手元が光る
ついでシュルシュルと音をたてて蔦が延び、気がつくと何もなかったはずの地面に一輪の薔薇が咲いていた

「はい、どうぞ」

彼がその薔薇を私に差し出す

「よろしいのですか?」
「うん、気に入ってもらえたみたいだからお裾分け」

何時ものキラキラ笑顔ではなく、どこか優しげな笑みで差し出された薔薇
その笑顔につられ、私も邪推することなく素直にそれに手を伸ばした
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