91 / 125
恋愛編
90
しおりを挟む
仕事を終えて二人を待たせていた部屋に戻るとセシリアはうつむいて何やら考え込んでいるようで、その向かいに座るレオナルドは、茶請けのサンドイッチをつまみつつ、楽しそうなにやにやとした笑みを浮かべてその様子を眺めていた
……?
何事だ?
戻ってきた俺に気付く様子のない二人に、こちらから声をかける
「……待たせたな
どうしたんだ?」
声をかけるとセシリアがパッと顔をあげて立ち上がった
「…殿下
気がつかずに申し訳ございません、お帰りなさいませ」
「あぁ
…どうかしたか?」
たずねるとセシリアは顔に例の完璧な笑みを貼りつけ、スッと頭を下げた
「それが、急用を思い出してしまいましたのでもうお暇しようかと思っておりましたの
申し訳ございません」
有無を言わせぬ雰囲気に少したじろぐ
「あ、あぁ…そうなのか……?」
「はい、そうなのです
それでは、私は急ぎますので…お招きありがとうございました
殿下、レオナルド様、御前失礼致します」
「またねー」
勢いのままに礼をとって退室していったセシリア
レオナルドがそんな彼女に向かってひらりと手をふった
俺はしばらく彼女が出ていった扉を唖然と見つめてから、楽しそうな笑顔を浮かべたままの友人をじとりと睨む
「……」
「ん?なぁに?」
「……セシルに何かしたのか?」
問うとレオナルドは大袈裟に肩をすくめて見せた
「失礼な
なにもしてないよ」
「なら何で急に帰っていったんだ」
「彼女が急用だって言ってたじゃないか
僕は関係ないよ」
サンドイッチを口に放り込みながら答えるレオナルド
俺はどうも信用できず、その様子をじとっとした目付きで見続ける
「ん、これ美味しいね」
「…」
「あ、こっちもいける」
「……」
「もぐもぐ……」
「………」
「…ごく」
「…………」
「もー…なんなのさ?」
「……本当にセシルに何もしてないな?」
面倒そうな顔のレオナルドにもう一度たずねるとため息をつかれた
「別になにもしてないさ
ちょっと質問しただけで」
「……質問?何をだ?」
「えー…そんなことまで君に話さなきゃいけないの?
独占欲の強い男は嫌われるよ?」
「……」
ぐっと押し黙った俺に、レオナルドは再び笑みを浮かべる
「だからあんまり詮索はやめてくれるかな」
「……」
「でも、まぁ…
君にとって悪いことじゃないよ?むしろ、いい方向に進むと思うんだ」
僕に感謝してよね、と言うだけ言って再び紅茶やサンドイッチに手を伸ばしたレオナルド
俺はこの友人の言葉の意図が読めず、首をかしげていた
……?
何事だ?
戻ってきた俺に気付く様子のない二人に、こちらから声をかける
「……待たせたな
どうしたんだ?」
声をかけるとセシリアがパッと顔をあげて立ち上がった
「…殿下
気がつかずに申し訳ございません、お帰りなさいませ」
「あぁ
…どうかしたか?」
たずねるとセシリアは顔に例の完璧な笑みを貼りつけ、スッと頭を下げた
「それが、急用を思い出してしまいましたのでもうお暇しようかと思っておりましたの
申し訳ございません」
有無を言わせぬ雰囲気に少したじろぐ
「あ、あぁ…そうなのか……?」
「はい、そうなのです
それでは、私は急ぎますので…お招きありがとうございました
殿下、レオナルド様、御前失礼致します」
「またねー」
勢いのままに礼をとって退室していったセシリア
レオナルドがそんな彼女に向かってひらりと手をふった
俺はしばらく彼女が出ていった扉を唖然と見つめてから、楽しそうな笑顔を浮かべたままの友人をじとりと睨む
「……」
「ん?なぁに?」
「……セシルに何かしたのか?」
問うとレオナルドは大袈裟に肩をすくめて見せた
「失礼な
なにもしてないよ」
「なら何で急に帰っていったんだ」
「彼女が急用だって言ってたじゃないか
僕は関係ないよ」
サンドイッチを口に放り込みながら答えるレオナルド
俺はどうも信用できず、その様子をじとっとした目付きで見続ける
「ん、これ美味しいね」
「…」
「あ、こっちもいける」
「……」
「もぐもぐ……」
「………」
「…ごく」
「…………」
「もー…なんなのさ?」
「……本当にセシルに何もしてないな?」
面倒そうな顔のレオナルドにもう一度たずねるとため息をつかれた
「別になにもしてないさ
ちょっと質問しただけで」
「……質問?何をだ?」
「えー…そんなことまで君に話さなきゃいけないの?
独占欲の強い男は嫌われるよ?」
「……」
ぐっと押し黙った俺に、レオナルドは再び笑みを浮かべる
「だからあんまり詮索はやめてくれるかな」
「……」
「でも、まぁ…
君にとって悪いことじゃないよ?むしろ、いい方向に進むと思うんだ」
僕に感謝してよね、と言うだけ言って再び紅茶やサンドイッチに手を伸ばしたレオナルド
俺はこの友人の言葉の意図が読めず、首をかしげていた
20
あなたにおすすめの小説
無事にバッドエンドは回避できたので、これからは自由に楽しく生きていきます。
木山楽斗
恋愛
悪役令嬢ラナトゥーリ・ウェルリグルに転生した私は、無事にゲームのエンディングである魔法学校の卒業式の日を迎えていた。
本来であれば、ラナトゥーリはこの時点で断罪されており、良くて国外追放になっているのだが、私は大人しく生活を送ったおかげでそれを回避することができていた。
しかしながら、思い返してみると私の今までの人生というものは、それ程面白いものではなかったように感じられる。
特に友達も作らず勉強ばかりしてきたこの人生は、悪いとは言えないが少々彩りに欠けているような気がしたのだ。
せっかく掴んだ二度目の人生を、このまま終わらせていいはずはない。
そう思った私は、これからの人生を楽しいものにすることを決意した。
幸いにも、私はそれ程貴族としてのしがらみに縛られている訳でもない。多少のわがままも許してもらえるはずだ。
こうして私は、改めてゲームの世界で新たな人生を送る決意をするのだった。
※一部キャラクターの名前を変更しました。(リウェルド→リベルト)
転生しましたが悪役令嬢な気がするんですけど⁉︎
水月華
恋愛
ヘンリエッタ・スタンホープは8歳の時に前世の記憶を思い出す。最初は混乱したが、じきに貴族生活に順応し始める。・・・が、ある時気づく。
もしかして‘’私‘’って悪役令嬢ポジションでは?整った容姿。申し分ない身分。・・・だけなら疑わなかったが、ある時ふと言われたのである。「昔のヘンリエッタは我儘だったのにこんなに立派になって」と。
振り返れば記憶が戻る前は嫌いな食べ物が出ると癇癪を起こし、着たいドレスがないと癇癪を起こし…。私めっちゃ性格悪かった!!
え?記憶戻らなかったらそのままだった=悪役令嬢!?いやいや確かに前世では転生して悪役令嬢とか流行ってたけどまさか自分が!?
でもヘンリエッタ・スタンホープなんて知らないし、私どうすればいいのー!?
と、とにかく攻略対象者候補たちには必要以上に近づかない様にしよう!
前世の記憶のせいで恋愛なんて面倒くさいし、政略結婚じゃないなら出来れば避けたい!
だからこっちに熱い眼差しを送らないで!
答えられないんです!
これは悪役令嬢(?)の侯爵令嬢があるかもしれない破滅フラグを手探りで回避しようとするお話。
または前世の記憶から臆病になっている彼女が再び大切な人を見つけるお話。
小説家になろうでも投稿してます。
こちらは全話投稿してますので、先を読みたいと思ってくださればそちらからもよろしくお願いします。
公爵令嬢は、どう考えても悪役の器じゃないようです。
三歩ミチ
恋愛
*本編は完結しました*
公爵令嬢のキャサリンは、婚約者であるベイル王子から、婚約破棄を言い渡された。その瞬間、「この世界はゲームだ」という認識が流れ込んでくる。そして私は「悪役」らしい。ところがどう考えても悪役らしいことはしていないし、そんなことができる器じゃない。
どうやら破滅は回避したし、ゲームのストーリーも終わっちゃったようだから、あとはまわりのみんなを幸せにしたい!……そこへ攻略対象達や、不遇なヒロインも絡んでくる始末。博愛主義の「悪役令嬢」が奮闘します。
※小説家になろう様で連載しています。バックアップを兼ねて、こちらでも投稿しています。
※以前打ち切ったものを、初めから改稿し、完結させました。73以降、展開が大きく変わっています。
【完結】モブの王太子殿下に愛されてる転生悪役令嬢は、国外追放される運命のはずでした
Rohdea
恋愛
公爵令嬢であるスフィアは、8歳の時に王子兄弟と会った事で前世を思い出した。
同時に、今、生きているこの世界は前世で読んだ小説の世界なのだと気付く。
さらに自分はヒーロー(第二王子)とヒロインが結ばれる為に、
婚約破棄されて国外追放となる運命の悪役令嬢だった……
とりあえず、王家と距離を置きヒーロー(第二王子)との婚約から逃げる事にしたスフィア。
それから数年後、そろそろ逃げるのに限界を迎えつつあったスフィアの前に現れたのは、
婚約者となるはずのヒーロー(第二王子)ではなく……
※ 『記憶喪失になってから、あなたの本当の気持ちを知りました』
に出てくる主人公の友人の話です。
そちらを読んでいなくても問題ありません。
戦姫のトロイメライ~断罪される未来が視えたので先に死んだことにしました
志熊みゅう
恋愛
十三歳の誕生日、侯爵令嬢エディット・ユングリングは、自分が死ぬ瞬間を"夢"に視た。
卒業舞踏会で、婚約者であるフィーラ帝国・第一皇子マティアス殿下から、身に覚えのない罪で断罪され、捕らえられる。傍らでは見知らぬピンクブロンドの令嬢が不敵に微笑む。貴族牢のある北の古城に連行される途中、馬車ごと“死の谷”へと落ちていった――そんな妙に生々しい夢。
マティアス殿下は聡明で優しく、エディットを大切にしているように見えた。だから誰もその"夢"のことを気に留めなかった。しかし、兄の怪我、愛猫の死、そして大干ばつ――エディットの"夢"は次々と現実になっていく。ある日、エディットは気づく。この"夢"が、母の祖国・トヴォー王国の建国の軍師と同じ異能――"未来視"であることに。
その頃、一年早く貴族学院に入学したマティアス殿下は、皇宮から解放され、つかの間の自由を知った。そして、子爵令嬢ライラに懸想するようになる。彼女は、"夢"の中で冷酷に微笑むあの令嬢に瓜二つ。エディットは自分が視た"夢"が少しずつ現実になっていくことに恐怖した。そんな時に視た、黒髪の令息が「愛しているよ」と優しくはにかむ、もう一つの『未来』。エディットは決心する。
――断罪される未来を変えたい。もう一つの未来を自分で選び取る。
彼女は断罪される前に、家族と共に自らの死を偽装し、トヴォー王国へと身を隠す。選び取った未来の先で、エディットは『戦姫』として新たな運命の渦に飲まれていく――。
断罪の未来を捨て、愛する者のために戦う令嬢の恋愛ファンタジー!
転生令嬢の涙 〜泣き虫な悪役令嬢は強気なヒロインと張り合えないので代わりに王子様が罠を仕掛けます〜
矢口愛留
恋愛
【タイトル変えました】
公爵令嬢エミリア・ブラウンは、突然前世の記憶を思い出す。
この世界は前世で読んだ小説の世界で、泣き虫の日本人だった私はエミリアに転生していたのだ。
小説によるとエミリアは悪役令嬢で、婚約者である王太子ラインハルトをヒロインのプリシラに奪われて嫉妬し、悪行の限りを尽くした挙句に断罪される運命なのである。
だが、記憶が蘇ったことで、エミリアは悪役令嬢らしからぬ泣き虫っぷりを発揮し、周囲を翻弄する。
どうしてもヒロインを排斥できないエミリアに代わって、実はエミリアを溺愛していた王子と、その側近がヒロインに罠を仕掛けていく。
それに気づかず小説通りに王子を籠絡しようとするヒロインと、その涙で全てをかき乱してしまう悪役令嬢と、間に挟まれる王子様の学園生活、その意外な結末とは――?
*異世界ものということで、文化や文明度の設定が緩めですがご容赦下さい。
*「小説家になろう」様、「カクヨム」様にも掲載しています。
乙女ゲームの悪役令嬢の兄の婚約者に転生しましたが傷物になったので退場を希望します!
ユウ
恋愛
平凡な伯爵令嬢のリネットは優しい婚約者と妹と穏やかで幸福な日々を送っていた。
相手は公爵家の嫡男であり第一王子殿下の側近で覚えもめでたく社交界の憧れの漆黒の騎士と呼ばれる貴族令息だった。
結婚式前夜、婚約者の妹に会いに学園に向かったが、そこで事件が起きる。
現在学園で騒動を起こしている第二王子とその友人達に勘違いから暴行を受け階段から落ちてしまう…
その時に前世の記憶を取り戻すのだった…
「悪役令嬢の兄の婚約者って…」
なんとも微妙なポジション。
しかも結婚前夜で傷物になる失態を犯してしまったリネットは婚約解消を望むのだが、悪役令嬢の義妹が王子に婚約破棄を突きつける事件に発展してしまう。
【完結】転生したら少女漫画の悪役令嬢でした〜アホ王子との婚約フラグを壊したら義理の兄に溺愛されました〜
まほりろ
恋愛
ムーンライトノベルズで日間総合1位、週間総合2位になった作品です。
【完結】「ディアーナ・フォークト! 貴様との婚約を破棄する!!」見目麗しい第二王子にそう言い渡されたとき、ディアーナは騎士団長の子息に取り押さえられ膝をついていた。王子の側近により読み上げられるディアーナの罪状。第二王子の腕の中で幸せそうに微笑むヒロインのユリア。悪役令嬢のディアーナはユリアに斬りかかり、義理の兄で第二王子の近衛隊のフリードに斬り殺される。
三日月杏奈は漫画好きの普通の女の子、バナナの皮で滑って転んで死んだ。享年二十歳。
目を覚ました杏奈は少女漫画「クリンゲル学園の天使」悪役令嬢ディアーナ・フォークト転生していた。破滅フラグを壊す為に義理の兄と仲良くしようとしたら溺愛されました。
私の事を大切にしてくれるお義兄様と仲良く暮らします。王子殿下私のことは放っておいてください。
ムーンライトノベルズにも投稿しています。
「Copyright(C)2021-九十九沢まほろ」
表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる