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ら、1本足の鳥に襲われた
黒い鳥と魔獣列車④
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だってねぇ、横向きに出る意味無いしね。まぁ、出方の縦横は良いとする。けど、ちょっといただけない事がある。
コイツの色は金色なんだけどね、登場と同時に金色の粒子を蒔き散らす。何て派手な登場なんですかね。こっちとらめっちゃ恥ずかしいんですけど。
派手過ぎて。
まるで俺がこう言う風な演出を狙ってしてるみたいじゃないか。
んっとにめんどくさい。
それになぁ、横向きに出て来られると重いんだよ!
錫杖ってのはね、長いんだよ。俺の背丈(173㌢)より高いって、槍じゃないんだから、やだわ。はっきり言って縦に持つ方が楽なのに、コイツは自分の欲望に忠実に俺に横向きに持たせやがった。
コレって……、ないわぁ。
焔のような黄金の粒子を蒔き散らしながら現れた錫杖を縦に向け直して、重さ軽減の為地面(列車の床)に突き立てる。先が尖ってるからね~やむを得ずだよ。 他意は無い。
シャラァ~ン……。
と、鳴る音が耳に心地よく聞こえるのは、いい。聞かなかった事にしてやる。
さてと……。
周りを見ると何故か皆茫然自失で此方を見ている。
あ~、この派手な登場の仕方のせいか(勿論、錫杖の事だよ。俺じゃない)。
今一度、錫杖を持ち上げて、トン、と、突き立てる。すると当たり前だが、もう一度シャリンと錫杖の小さな輪が跳ねて、音を立てた。
すると呆然としていた一同がはたと正気に戻った。
うん、戻ってくれないと困る。何せ正気に戻す為の一叩きだからね。
「奴の一族はとても厄介でね、一撃必殺で殺さないと仲間を呼んで酷い報復をするんだ。だから俺が奴の相手をするから、君達は今から俺の言う通りに動いてほしいんだ。車掌さん、この列車の結界を数秒間解除出来ますか?」
「はい。結界は先頭車両の機関室で、手動で切り替えが可能です」
「じゃあ、君。そこの天井の点検口から俺の合図を見て車掌さんに結界の解除を伝えて、車掌さんはきっかり4秒だけ結界を解除して下さい。4秒で結構ですから」
俺は魔法使いの女の子と車掌にそれを伝え、後の2人には黒禽の回収をお願いした。
さて、面倒くさいが討伐開始だ。サクッと片付けてしまうとしましょうかね。
俺は小さくそう呟くと、点検口を錫杖でトンと突き上げ(飛焔が五月蠅い)、ハッチを開けてから屋根へと踊り出た。
トンと爪先で着地して身体の重さを感じさせない動きをしてみせる。列車の動く速度と、それに伴って起きる圧力で普通なら立ってられない。結界が張っているからといって風圧がない訳ではないのだ。けれど立っていられる理由は。
普通なら身体強化と考えるのだろうが、俺の場合は違う。自分に掛けている戒めを少し解けば良いだけだ。勿論、ほんの少しだけね。
でないと、無意識下でこの列車の結界を破壊してしまいかねないからね~。まぁ、破壊しても、息をするように再構築してしまうのだから心配する必要は無いけどね。因みに、再構築する結界は今まで以上に頑丈な奴な事は言うまでも無い、……よな、やっぱり。
そう思いつつ、己に掛けた枷を2つほど外す。
身体が軽くなるような感覚と共に、力がみなぎる。右手をグーパー、グーパーと握ったり開いたりしてみて力が戻る感覚を感じてみる。
O.K.大丈夫。飛焔、漸くお前の出番だぞ。
飛焔が小輪を揺らして鳴らす。それは喜んでいるようで、期待にも満ちた音だった。
勿論、俺はコレを振ってはいない。風も小輪を鳴らす程の強風では無い。小輪といえども重いんだよコレは。結界で護られているこの列車が、いくら強い風を巻き上げて走るとは言え、普通、打ち鳴らして初めて鳴る小輪を、鳴らせるだけの風はいくら強風でも物理的に不可能だ。
だから小輪が勝手に鳴るのは、飛焔の声であり、心の揺らぎだった。
はたと殺気が放たれてきた。
へぇ……。
ただの獣かと思いきや、か。
珍しいな、この魔獣自我があるのか。
放たれる殺気は、意志を持たない獣が放つ、ソレのように単純明快な欲というシロモノじゃなく、確固たる意志を持って放たれている所謂『殺意』というモノだ。
やるじゃないか。
俺に殺意を放つとは……。
知らぬとはいえ、100万年早いわ。
一変、死んで来い!
俺目掛けて飛来する黒禽に、俺は『コツン』と錫杖で、己が立つ馬車の屋根を小突いて、結界を解く為の合図を送り、奴と対峙した。
さぁ飛焔、見せてやろうな。俺達の手際って奴を。
俺は鈍く輝き、ナチュラルに音色を奏でる飛焔を目前に掲げた。
─────────
皆様、申し訳ありません。
遂に話が追い付いてしまいました。
足掻きまくりましたが、此処から不定期更新になります。申し訳ありません。少しでも早く更新致しますので宜しくお願いします。
黄色いひよこ🐤
コイツの色は金色なんだけどね、登場と同時に金色の粒子を蒔き散らす。何て派手な登場なんですかね。こっちとらめっちゃ恥ずかしいんですけど。
派手過ぎて。
まるで俺がこう言う風な演出を狙ってしてるみたいじゃないか。
んっとにめんどくさい。
それになぁ、横向きに出て来られると重いんだよ!
錫杖ってのはね、長いんだよ。俺の背丈(173㌢)より高いって、槍じゃないんだから、やだわ。はっきり言って縦に持つ方が楽なのに、コイツは自分の欲望に忠実に俺に横向きに持たせやがった。
コレって……、ないわぁ。
焔のような黄金の粒子を蒔き散らしながら現れた錫杖を縦に向け直して、重さ軽減の為地面(列車の床)に突き立てる。先が尖ってるからね~やむを得ずだよ。 他意は無い。
シャラァ~ン……。
と、鳴る音が耳に心地よく聞こえるのは、いい。聞かなかった事にしてやる。
さてと……。
周りを見ると何故か皆茫然自失で此方を見ている。
あ~、この派手な登場の仕方のせいか(勿論、錫杖の事だよ。俺じゃない)。
今一度、錫杖を持ち上げて、トン、と、突き立てる。すると当たり前だが、もう一度シャリンと錫杖の小さな輪が跳ねて、音を立てた。
すると呆然としていた一同がはたと正気に戻った。
うん、戻ってくれないと困る。何せ正気に戻す為の一叩きだからね。
「奴の一族はとても厄介でね、一撃必殺で殺さないと仲間を呼んで酷い報復をするんだ。だから俺が奴の相手をするから、君達は今から俺の言う通りに動いてほしいんだ。車掌さん、この列車の結界を数秒間解除出来ますか?」
「はい。結界は先頭車両の機関室で、手動で切り替えが可能です」
「じゃあ、君。そこの天井の点検口から俺の合図を見て車掌さんに結界の解除を伝えて、車掌さんはきっかり4秒だけ結界を解除して下さい。4秒で結構ですから」
俺は魔法使いの女の子と車掌にそれを伝え、後の2人には黒禽の回収をお願いした。
さて、面倒くさいが討伐開始だ。サクッと片付けてしまうとしましょうかね。
俺は小さくそう呟くと、点検口を錫杖でトンと突き上げ(飛焔が五月蠅い)、ハッチを開けてから屋根へと踊り出た。
トンと爪先で着地して身体の重さを感じさせない動きをしてみせる。列車の動く速度と、それに伴って起きる圧力で普通なら立ってられない。結界が張っているからといって風圧がない訳ではないのだ。けれど立っていられる理由は。
普通なら身体強化と考えるのだろうが、俺の場合は違う。自分に掛けている戒めを少し解けば良いだけだ。勿論、ほんの少しだけね。
でないと、無意識下でこの列車の結界を破壊してしまいかねないからね~。まぁ、破壊しても、息をするように再構築してしまうのだから心配する必要は無いけどね。因みに、再構築する結界は今まで以上に頑丈な奴な事は言うまでも無い、……よな、やっぱり。
そう思いつつ、己に掛けた枷を2つほど外す。
身体が軽くなるような感覚と共に、力がみなぎる。右手をグーパー、グーパーと握ったり開いたりしてみて力が戻る感覚を感じてみる。
O.K.大丈夫。飛焔、漸くお前の出番だぞ。
飛焔が小輪を揺らして鳴らす。それは喜んでいるようで、期待にも満ちた音だった。
勿論、俺はコレを振ってはいない。風も小輪を鳴らす程の強風では無い。小輪といえども重いんだよコレは。結界で護られているこの列車が、いくら強い風を巻き上げて走るとは言え、普通、打ち鳴らして初めて鳴る小輪を、鳴らせるだけの風はいくら強風でも物理的に不可能だ。
だから小輪が勝手に鳴るのは、飛焔の声であり、心の揺らぎだった。
はたと殺気が放たれてきた。
へぇ……。
ただの獣かと思いきや、か。
珍しいな、この魔獣自我があるのか。
放たれる殺気は、意志を持たない獣が放つ、ソレのように単純明快な欲というシロモノじゃなく、確固たる意志を持って放たれている所謂『殺意』というモノだ。
やるじゃないか。
俺に殺意を放つとは……。
知らぬとはいえ、100万年早いわ。
一変、死んで来い!
俺目掛けて飛来する黒禽に、俺は『コツン』と錫杖で、己が立つ馬車の屋根を小突いて、結界を解く為の合図を送り、奴と対峙した。
さぁ飛焔、見せてやろうな。俺達の手際って奴を。
俺は鈍く輝き、ナチュラルに音色を奏でる飛焔を目前に掲げた。
─────────
皆様、申し訳ありません。
遂に話が追い付いてしまいました。
足掻きまくりましたが、此処から不定期更新になります。申し訳ありません。少しでも早く更新致しますので宜しくお願いします。
黄色いひよこ🐤
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