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ら、1本足の鳥に襲われた
黒い鳥と魔獣列車⑤
そんなに高くかかげる必要は無いが重い。ので、身体の枷も少し外す。それだけで身体が軽くなるんだから、コレくらいは常にしたくなる。
しないけどね。
さてと、前を見上げると旋回して位置を合わせてきた黒禽と目が合った。
気がした。『意思』と『思考』が無ければ、『視線が合う』等、万が一にも無い。
と、思いたい。
だってねぇ……、所詮は鳥なんだもん。神獣じゃねえもん。身体はデカい鳥で脳味噌は大人の男の拳大だからね。
目が合うなんてねぇ…無い(大事な事は2度言う)。と、考えている内に~、
きたぁっ!
黒禽の奴が低空飛行でこちらに突っ込んで来た。阿呆である。ギリギリで結界を解いてもらう約束をしてはいるが、本来ここは結界に守られている訳で。そのまま飛来してきたら、結界に激突だ。
さっきから、何回当たれば気が済むのかねぇ……。と、思う程に激突していると言うのにねぇ。
降下してくる黒禽を見て、俺は目前に捧げ持った錫杖で屋根をコツンと叩く。
その後左手で錫杖を握り直し、右手は倒れて来ないように支えて持ち上げる。
構えの姿勢で奴を迎えた俺に、黒禽は勝ちを誇って声を上げる。勝どきの声にしては些か問題アリか。
奴は俺を食う気満々のご様子。
でも俺は食われる気無いからね。
奴との距離は約4㍍。油断大敵、阿保な黒禽。
解かれた結界内に侵入し喚き嘶きを上げる、奴の目と鼻の先に掲げられた錫杖に向かって、突進という名の飛来をしてきた奴の眼が、より大きく開いた気がした。
そんな奴に向けて、俺は薄く笑みを向ける。
錫杖が日の光を反射して、キラリと刃の煌めきを放つ。奴の喚起の声が悲鳴に変わる瞬間。
「阿呆が。死んだ事が分からぬくらい、綺麗さっぱり真っ二つになると良い」
俺はたいした感触と抵抗を受ける事無く、するりと奴の嘴から眉間に滑り込んで行く白銀の刃の所業を、目の当たりにした。
この錫杖、錫杖とは名ばかりの実は長い長い刃を持つ仕込み杖だ。俺が師匠から独立する記念に、師匠が愛用していたこの仕込み杖ならぬ仕込み錫杖をもらった。もらったのは良いが、面倒くさい事にコレには意思と言うモノが宿っていた。
流石、異世界(俺の住んでいた世界から見た)の現役神様が持つ錫杖。何気にぶっ飛んでいる。それは本当、遠い目をしたくなる程にぶっ飛んでいた(大切な事は二度言う、www)。
そのとんでもない代物が、黒禽を三枚おろしならぬ二枚おろしに、何の手応えもなく奴の嘴から始まって頭部、首、おとがいと縦におろし、飛来する勢いのまま俺を中心に左右に流れてゆく。
「……、モーゼの海割りみたい……、あ、両側見ちまった……気持ち悪りぃ……」
思わず声に出た。ら、飛焔にすねられた。『なら二度と斬らぬ』だってさぁ。俺はね、やり方があるだろぉぉ…と、言いたい。二枚おろしはリアルに内部構造が解るから嫌なんだよぉ……。
黒禽の成れの果てが通り過ぎて3秒、今一度掲げていた錫杖をズドンと真下に落として4秒。その途端、結界が再び構築された。
抜き身の刀から錫杖に変化した飛焔を掴み振り返って絶叫。
「何ぼーっとしてる!さっさと回収!落ちたら拾いに行けなくなるぞ」
俺の言葉に我に返った男2人。左右に分かれた黒禽を、各々剣で刺して馬車の屋根に縫い付ける。おいおい、見事な手さばきだが良いのかそれで、きっと屋根に穴が開いたぞ。
と、思っている間に馬車列が、黒禽が屋根に縫い付けられた衝撃で、ガタンと止まった。
ラッキーと言うべき?止まっていたら解体もサクサクと進む。俺は何かとグダグダ言ってくる飛焔をフル無視でインベントリに収納して、2人組に声掛けした。
「どうだ?コレが黒禽の倒し方。一刀両断が推奨ってとこだね。方法は何でも良いんだけど必ず即死させる事。即死効果のある魔法でも良いね」
そう言う俺に、羨望の眼差しを送る2人。
「「凄い!凄いです!兄さんと呼ばせて下さい!!」」
2人同時にハモるのはやめて下さい。キモいです。んでもって、兄さんは遠慮します。弟子にしてくれ?却下に決まってる。それより、屋根で解体してたら、いつまで経っても列車が出発出来ないと思うんだけどねぇ。
と、言ってみたら、滞りなく黒禽の残骸(解体、早いねぇ…)は1両目に運び込まれ、車両点検の後、発車した。
但し、次の駅で停車する事にはなったけどね。
しないけどね。
さてと、前を見上げると旋回して位置を合わせてきた黒禽と目が合った。
気がした。『意思』と『思考』が無ければ、『視線が合う』等、万が一にも無い。
と、思いたい。
だってねぇ……、所詮は鳥なんだもん。神獣じゃねえもん。身体はデカい鳥で脳味噌は大人の男の拳大だからね。
目が合うなんてねぇ…無い(大事な事は2度言う)。と、考えている内に~、
きたぁっ!
黒禽の奴が低空飛行でこちらに突っ込んで来た。阿呆である。ギリギリで結界を解いてもらう約束をしてはいるが、本来ここは結界に守られている訳で。そのまま飛来してきたら、結界に激突だ。
さっきから、何回当たれば気が済むのかねぇ……。と、思う程に激突していると言うのにねぇ。
降下してくる黒禽を見て、俺は目前に捧げ持った錫杖で屋根をコツンと叩く。
その後左手で錫杖を握り直し、右手は倒れて来ないように支えて持ち上げる。
構えの姿勢で奴を迎えた俺に、黒禽は勝ちを誇って声を上げる。勝どきの声にしては些か問題アリか。
奴は俺を食う気満々のご様子。
でも俺は食われる気無いからね。
奴との距離は約4㍍。油断大敵、阿保な黒禽。
解かれた結界内に侵入し喚き嘶きを上げる、奴の目と鼻の先に掲げられた錫杖に向かって、突進という名の飛来をしてきた奴の眼が、より大きく開いた気がした。
そんな奴に向けて、俺は薄く笑みを向ける。
錫杖が日の光を反射して、キラリと刃の煌めきを放つ。奴の喚起の声が悲鳴に変わる瞬間。
「阿呆が。死んだ事が分からぬくらい、綺麗さっぱり真っ二つになると良い」
俺はたいした感触と抵抗を受ける事無く、するりと奴の嘴から眉間に滑り込んで行く白銀の刃の所業を、目の当たりにした。
この錫杖、錫杖とは名ばかりの実は長い長い刃を持つ仕込み杖だ。俺が師匠から独立する記念に、師匠が愛用していたこの仕込み杖ならぬ仕込み錫杖をもらった。もらったのは良いが、面倒くさい事にコレには意思と言うモノが宿っていた。
流石、異世界(俺の住んでいた世界から見た)の現役神様が持つ錫杖。何気にぶっ飛んでいる。それは本当、遠い目をしたくなる程にぶっ飛んでいた(大切な事は二度言う、www)。
そのとんでもない代物が、黒禽を三枚おろしならぬ二枚おろしに、何の手応えもなく奴の嘴から始まって頭部、首、おとがいと縦におろし、飛来する勢いのまま俺を中心に左右に流れてゆく。
「……、モーゼの海割りみたい……、あ、両側見ちまった……気持ち悪りぃ……」
思わず声に出た。ら、飛焔にすねられた。『なら二度と斬らぬ』だってさぁ。俺はね、やり方があるだろぉぉ…と、言いたい。二枚おろしはリアルに内部構造が解るから嫌なんだよぉ……。
黒禽の成れの果てが通り過ぎて3秒、今一度掲げていた錫杖をズドンと真下に落として4秒。その途端、結界が再び構築された。
抜き身の刀から錫杖に変化した飛焔を掴み振り返って絶叫。
「何ぼーっとしてる!さっさと回収!落ちたら拾いに行けなくなるぞ」
俺の言葉に我に返った男2人。左右に分かれた黒禽を、各々剣で刺して馬車の屋根に縫い付ける。おいおい、見事な手さばきだが良いのかそれで、きっと屋根に穴が開いたぞ。
と、思っている間に馬車列が、黒禽が屋根に縫い付けられた衝撃で、ガタンと止まった。
ラッキーと言うべき?止まっていたら解体もサクサクと進む。俺は何かとグダグダ言ってくる飛焔をフル無視でインベントリに収納して、2人組に声掛けした。
「どうだ?コレが黒禽の倒し方。一刀両断が推奨ってとこだね。方法は何でも良いんだけど必ず即死させる事。即死効果のある魔法でも良いね」
そう言う俺に、羨望の眼差しを送る2人。
「「凄い!凄いです!兄さんと呼ばせて下さい!!」」
2人同時にハモるのはやめて下さい。キモいです。んでもって、兄さんは遠慮します。弟子にしてくれ?却下に決まってる。それより、屋根で解体してたら、いつまで経っても列車が出発出来ないと思うんだけどねぇ。
と、言ってみたら、滞りなく黒禽の残骸(解体、早いねぇ…)は1両目に運び込まれ、車両点検の後、発車した。
但し、次の駅で停車する事にはなったけどね。
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