嫌いなアイツと一緒に○○しないと出れない部屋に閉じ込められたのだが?!

海野(サブ)

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シリウスの部屋

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 次に目を覚ました時、知らない天井だった。そして最初に襲われた感覚は腰の痛みだった。

「うぐっ!!」

 それだけじゃない、全身の怠さと喉の渇きも襲ってくる。
 なんでこんなに痛いんだと何とか原因を思い出そうとした。キャスを追いかけて魔術の空間に閉じ込められて、確か媚薬飲んでその後…その、後……

「?!!!!」

 全てを思い出して顔に熱が集まる。
 なんで俺あんなことを…?!!いくら思考が正常じゃなかったとはいえ、誘ってみっともなく奴の…

「起きたか?」

「うわぁぁぁぁぁぁ?!!!」

 突然の声かけに思わず俺は叫んでしまい、その後めちゃくちゃむせた。

「ゲホッ、し、シリウス…?!」

「いちよう元気そうだな、ただ声が枯れてるから水飲め。」

 そう言ってシリウスは水が入ったコップを渡してきた。よく見たらシリウスは軍服ではなく、ラフな格好をしていた。
 俺はそれを受け取り口に含めた。ちょうど良い冷たさに乾いた喉が潤っていくのがわかる。

「……ところで、ここはどこだ?娼館じゃないよな…?」

「ここはオレが借りてる家だ。あの後運んだからな。」

「えっ、なんでわざわざ…」

「起きるまで時間かかると思ったしな、そして何よりも騎士様がずっと娼館に居るって訳にはいかないだろ?」

 眉を上げて嫌味ったらしく言ってきた。めちゃくちゃ殴りたい気分になったがシリウスの言う通りだった。

「どうだ、身体の方は?もう完全に抜け切ったか?」

「ま、まぁ、いちよう…」

 さすがにもう身体が昂ぶっている様子はない。ただシリウスの奴にあんな事を頼んでしまったことに対してただ恥ずかしかった。

「……まぁ、媚薬は思考がおかしくなるからな。仕方ない。正気じゃなかったんだろ?」

「あ、あぁ!そう、だな…正気じゃ…なかった…はずだ…」

 そうだ、アレは全部媚薬のせいだ。媚薬の効果で思考がおかしくなっていただけだ。じゃないと俺がシリウスを求める筈がない。

「そうだ、腹は減ってるか?オレが作ったモノでいいなら用意するが。」

「い、いや構わん!俺はもうかえっ。」

 その時タイミングが悪く俺の腹からグゥと音がなった。思わず顔を伏せてしまう。

「ははっ、身体は正直のようだな。なら用意してくる。」

 シリウスはキッチンの方に向かった。
 俺は辺りを見回す。部屋はワンルームでそれほど広くはない。大きな本棚が設置されており、ぎっしりと本が置かれていた。それだけでなく入り切らなかったのか読みかけなのか本棚の横にも本が積まれていた。

「(ふーん、シリウスの奴、意外に読書家なのか。)」

 なんて思っているとシリウスが戻ってきて木の器を渡してきた。器の中はポトフのようだった。大きくカットされたじゃがいもやソーセージが入っており湯気がたっている。
  
「これ、お前が作ったのか?」

「あぁ、切って煮込むだけでぱぱっと作れるし簡単でな、悪くないと思うんだが…?」

 見た目は悪くない。けれども恐る恐るじゃがいもを口に含む。するとホロリと口の中でじゃがいもが崩れた。中まで煮込まれて柔らかった。その勢いで次々と口に含める。
 優しい味で疲れた身体に染み渡る。けれども具材一個一個が大きいので食べ応えはあった。
 あっという間に完食していた。

「ごちそうさま。その、悪くなかった。」

「そいつは良かった。」

 シリウスはニコッと笑みを浮かべてきた。その笑顔に思わずドキッとしてしまった。
 別に今まで奴が笑った顔なんて見たことがない訳ではなかった。なぜか俺に説教食らってる時奴は口元を歪ませていて、それで俺はまた叱るという繰り返し。
 けど、今見せた表情はそれとはまた違う。上手くいえないけど、奴の内面が見れたような、そんな…

「…何から何まで礼になったな、何か礼しねぇと。」

「別に気にしなくてもいい。第一お前は大変な状態だったし。」

「い、いや!借りを作りたくないだけだ!」

 元々人にあんまり借りを作りたくない。なおさらコイツには。

「…じゃあ、今度の休みの日、買い物に付き合ってくれるか?」

「買い物?荷物持ちさせようってか?構わん。」

「別に荷物持ちさせたい訳ではないが…ならお願いするぜ。」

「あぁ、じゃあ今度こそ俺は戻る…」

 今度こそ帰ろうと立ちあがろうとした時、またしても腰に激痛が走る。あまりの痛さに思わずよろけてしまった。

「危ない!」

 とっさにシリウスは俺を支えた。レモンの香水が鼻につく。
 顔が近い。赤茶色の瞳が心配するように俺を見つめていた。
 …そういえば、意識失う前に唇に柔らかい感覚があったが、まさか、な。

「無理するなライアン、マシになるまでここに居てもいいから。」

「ぐっ……これ以上…貴様の世話になりたくないのだが…今はお言葉に甘えてやる…」

 結局夜まで腰の痛みが引けずに寮に戻ったら朝帰りを通り越して夜帰りかとまたしても同僚に揶揄われた。
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