嫌いなアイツと一緒に○○しないと出れない部屋に閉じ込められたのだが?!

海野(サブ)

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気になる。

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その後シリウスが近くにあった服屋で下着とズボンを買ってきてくれた。そして部屋から出ると黒い霧と共に扉は消滅した。

「借りを返すところがむしろ増やしてる…悪いシリウス。」

「別に構わない。だが、今すぐ借りを返したいと言うなら夕飯も一緒に食べないか?」

「夕飯を奢れということだな?構わん。」

「まぁそれで良いけどよ。」

 なんやかんやで夜まで一緒に過ごした。そして帰り道、何故か寮まで送って行くと言われて断ったのに強引に送ってもらうことに。

「ありがとうなライアン、今日は助かった。ハプニングが無ければ最高だったんだがな。」

「構わん、これで借りは返せただろ。」

「そうだな。」

 それから沈黙が続いた。正直何を喋ればいいのかわからない。というか今まで俺が一方的でコイツとまともな会話してこなかったから今更どんな事を言えば良いかわからない。
 なんて思っていたら寮の近くまで来ていた。

「ここで良い、礼は言う。ありがとう。」

「ははっ、じゃあまたな。」

 そう言ってシリウスは振り向いてそのまま立ち去ろうとした。

「ま、待て!」

 俺はシリウスを呼び止めた。

「どうした?」

「えっと、その…また荷物持ちをしてやっても良い…」

「えっ?」

 シリウスは鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしていた。俺自身もこんな事をいう自分に驚いている。
 けど、もっとシリウスがどんな奴なのか知りたい。そう思うようになっていた。

「そうか、ありがとうな。じゃあ今後の休みも頼んでもいいか?」

「あぁ、構わん。」

 シリウスは嬉しそうな顔を見せた。その顔を見て俺は一瞬ドキッとした。
 
 気づけば休みの日はシリウスと出かけることが多くなった。そしてシリウスの内面が徐々に見えてきた気がした。
 というか、流石貴族の出だからか実に紳士的だった。常に俺を気にかけてくれたりしてくる。なんか、一周回ってムカついてくるのだが。俺をなんだと思ってるんだ奴は。
 でも、それを除いても正直良くシリウスは高圧的で嫌味な俺に優しくしてくれるよな。まぁそもそも俺がシリウスを嫌っていたのは怠慢な部分なのだが。

 なんて思っている昼、騎士向けの食堂で食事を取っていると同期に話しかけられた。

「ライアン、アンタいつのまにか結婚したのか?」

「は?なんだ急に、別にしてねぇけど。」

「いやだって左手の薬指、指輪してんじゃん。どう見ても既婚者にしか見えないぞ。」

 同期に指摘されて俺はリンクが付いてる左手を見た。
 って、よくよく考えたら確かにその通りだと気づき、同時に顔が真っ赤に染まっていくのを感じた。

「ライアン?」

「ち、違う!!これはたまたまで別に意図的に付けた訳じゃない!!断じて違う!!!」

「いや何をそんなに否定してるんだよ、ただのオシャレだってわかってる上で聞いたんだけど。」

 俺は赤くなった顔を隠すようにテーブルに顔を伏せた。
 結局何回か外そうとチャレンジしたがまったく外れる気配が無くただ痛い思いをしただけだった。
 
「あ、そういえばこないだの休みシリウスと出かけたらしいな、どんな風の吹き回しだよ。」

「別に…買い物に付き合っただけだ。」

「シリウスのこと嫌ってたくせにか?避けるようになったと思いきや一緒に出かけるとかよくわからないぞアンタ。」

 そう言われても俺自身が一番よくわかってないんだが。奴のことは気に食わないままなのに別の側面を目にするようになってからシリウスが気になって仕方がない。

「…なぁ、お前から見てシリウスはどう見える?」

「えっ、何急に。別に貴族出身の割には偉そうには見えないぐらいだな。あのヒライアカル家の人間にしてはそこまでパッとしないけど。」

「確かにヒライアカル家の当主と長男は実力の持ち主らしいが…」

「というかむしろアンタはなんでそこまでシリウスのことが気に入らないんだよ。しかも嫌ってる割には毎回手合わせ願ったりしてよ。」

 同期は不思議そうに尋ねてきた。
 
「…本気のシリウスと手を合わせて見たいだけだ。」

「本気?確かに怠けてる部分あるけどアイツ別に強くは無いだろ。」

 そんなことはない。俺はシリウスが本気になったこと、そしてその強さをこの目で見たことがある。
 騎士団に入ってからまだ1年くらいの頃、街で銀行強盗が騒ぎを起こしていた。俺達は新米でありながら対応することになった。強盗が一般人を人質にしたため、俺は下手に動けなかった。
 しかしシリウスは冷静に分析し、強盗から人質を解放し、そして襲いかかる強盗を返り討ちにしたのだ。
 その姿を見て俺はシリウスを見直し、そしてその強さに惹かれた。シリウスの強さと向き合いたいと思いあの後手合わせを願ったが、シリウスの奴はあの時見せた強さをほとんど出すことなくあっさりと俺に勝ちを譲った。
 本当は強いのに、わざと手を抜きやがった。実力出そうとしない。それが原因で俺は奴のことが嫌いになり、そして隙あらば手合わせ願うようになっていた。もしかしたら本気を出してくれるんじゃないかと甘い期待を乗せて。

 …あれ、もしかして俺めんどくさい奴なのか?
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