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654:野営食
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すっきり、目覚めればマティスの腕の中だった。
月はまだ沈んでいない。
まさに、早朝といった時間か?
お風呂に入れてくれた記憶はある。
扉君の家ではなく、テントの中だった。
「みんなは?」
「寝てるだろう?」
「朝ごはんどうしようか?」
「パンとコーヒーでいだろう?焼くだけのものがあるからな。
卵と米と乳を仕入れないと。」
「そうだね。街道で売ってるかな?売ってるよね?
高いものばかりじゃないはずだ。」
「そうだな、ここで買っておこう。
なんなら、戻ってもいいしな。」
「そうだね。定番物はここで買うことはないよね。お高いだろうし。
ここでしか買えないものはここで買おう。」
「それもそうだ。」
「タンダードはどうするんだろ?
あ!隠匿!どうしよう?」
「ワイプが考えているはずだ。」
「うん。わたしの考えは偏ってるから、
皆で考えたほうがいいね。じゃ、起きようか?
お風呂入れてくれてありがとう。みなはどうしてるんだろ?
シャワーか、露天出そうか?」
「甘やかしすぎだそ?」
「いや、だって、みなで鍛錬して汗かいたでしょ?
臭いの嫌だよ?」
「そうか、では仕方がないな。」
「あ!あの白いのどうなっただろ?
話は後だって言ったから、先に見てみるね。」
植物用の袋に移動したのだ。
砂漠石の膜の中で開けてみる。
滅菌ケースの、手袋を突っ込んで作業するような感じだ。
袋の中にほんの少しの白い粉。
これだけが入っていたのか、消費してなくなった残りなのか?
これだけでは重さの軽減はわからないだろうな。
サラサラしている。
ナルーザから仕入れている白い草と同じだろう。
それも、横に出せば、粉の方が波打ってる。
それと同じように白い草の表面がうごめく。
桑の葉、砂漠石、コールオリン、浜辺の砂、ピンクの砂、各砂漠の砂、星砂。
クジラ石のかけら、樹石、香木、もらった香水、青い花、などなど。
いままで採取したものを少しずつ、皿に入れる。
袋から来たものに、色を付けた。
あの青い実のもの。
白い草のは黄色に。
ピンセットで、少しずつ、皿にも乗せる。
青だけ、黄色だけ、両方。
残りはそのまま。動くかもしれな。
これは時間をおかないと分からないか。
これをサボテンの森の家の外に置いておく。
カメラも設置した。定点カメラだ。
連続はダメだが、5分に1枚の間隔。
繋ぎ合わせれば、早送りの映像のように成るだろう。
「それでわかるのか?」
「わかればいいなーって軽い感じで。」
「お前の負担は大きくないのか?」
「ん?こいうのも好きな部類なの。大丈夫。めんどくさくなったら、
師匠に丸投げだから。それでいいって言ってくれてるから。
安心なんだ。
それに、マティスがいてくれてるからね。
なにも、負担も、不安もないよ。」
「それならいい。愛してる、愛しい人。」
「わたしも、マティス。愛してる。
なんか、昨日小芝居、照れちゃったよ、マティス泣いてなかった?」
「!」
「実際さ、親の気持ちなんてわからんよね。
なったことないんだもの。ひとそれぞれだろうし。想像しかできないね。」
「私も分からない。」
「うん、わたしもだよ?それでいいと思う。
わかったつもりになるのが一番ダメなだけだよ。」
─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘
テントを出れば、皆は起きていた。
ニックが飯を作っている。
「なんですこれ!いい匂い!」
「湯の中に干し肉入れて、柔らかくしただけだ。
そこに、チャクを入れてる。
野営の飯ってこんなもんなんだよ。いつも贅沢だからな。
こういうのも知っておかないとな。」
「それはそうだ。でも、ほんといい匂い!」
「メイガを入れてるよ?まずくはないさ。」
「コーヒーは入れますよ。モウ、飲むでしょ?」
「うん!あ、お風呂どうします?
向こうに作りますけど?これも、贅沢?」
「あはは!それはいいことにしよう。」
「じゃ、作ってきますね。」
テントの裏側で作るのだろう、1人で大丈夫と向こうに行った。
「今日の予定は?」
ニックの手伝いをしながら聞く。
「酒3人組を探す。
聞けば、ここからピクト方面に行けば、小さな集落があるそうだ。
半分まで走り込めばつくだろう。
その間、鍛練な。
お前はワイプとやっとけ。
そこで、泊まれるなら泊まろう。
明日は、移動で18~20門内の見学だ。
それが終われば、月が昇る前にカリクの屋敷に戻る。」
「彼は?」
「・・・。ニバーセルに戻る。先に、親のことを確かめたい。
店の話はそれからだ。」
「お前の考えか?ワイプに言わされていないか?
そうするほうがいいと思うが、ワイプの指示は拒否するほうがいいぞ?」
「あなた、話がややこしくなる、黙って!」
「いや、言われるまでもない。でないと、落ち着かない。」
「そうか。」
「マティス、わたしも戻るから。」
「どうして?」
「タンダートの監視と、軍からみだ。」
「ガイライ。タンダート、これのことをここまで愛しい人が気に掛けるのは、
お前が心配しているからだぞ?彼女を悲しませるな。」
「わかっている。その判断はできる。わたしは彼女の臣だ。」
「それで、彼らを送ってもらえますか?」
「わかった。」
「送るというのは?」
「ああ、コットワッツ領主が砂漠石の枯渇以降、新たな力が備わったのは
当然、ご存じですよね。
マティス君はコットワッツ領主の血筋の関係でしょうか、
領主の力に近いものが備わっている。
大量の砂漠石を使えば人と物の移動ができるんですよ。
彼もまた石使いなんですよ、優秀なね。」
「・・・・剣のマティスと赤い塊のモウに懸賞金が付いている。
その話は西方諸国が出していると、聞いているか?」
「ええ、噂ですね。」
「そういう噂を流しているのは東だ。我々は、ネルウカート国だと
認識している。」
「おや、それは面白い。が、かく乱の情報では?」
「そう思うのならそう思えばいい。」
「なるほど。これの対価は?」
「いや、昨日の彼女の言葉の礼だ。」
「なるほど。そう伝えましょう。」
─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘
「でっきたよーん。おなかすいた!」
「こっちもいいぞ。さ、食べよう。」
「わーい。いい匂いだ。
お風呂もね、いい感じでできたよ。」
「あの水音はそうなのか?」
「そそ。滝のある温泉ね。
循環の考えがうまくいったからね。
落ちてくる下にはいって、滝に肩があたるようにね。
で、腰にはジェット水流だ。
シャワーを浴びてからね。
幕の向こうで。わたしは遠慮するから、ごゆっくりー。」
食事はなるほど、野営食だ。
塩分多めで高カロリー。
流し込むように食べることができる。
鍛練せねば確実に太る。
そんなおいしいご飯だった。
お風呂も満喫してもらった。
腰のジェット水流はガイライの館に追加だ。
「戻るの?確かめるのね。そう。マティスが送るの?
え?ガイライも?気を付けてね。何かあったら連絡を。
聞いたって無理なものは無理だから。
あの時聞いておけばってことがないようにだけ。
で、悪いけどお使い頼まれてくれる?普通の卵を買ってきて?
ここで買ってもいいけど、大量にかったら迷惑だとおもうから。
あと、葉っぱもののお野菜ね。
馬の餌で人気なの。
あとね、お米と乳と。」
「わかりました。他には?キャムロンとかは?」
「ああ、それはいいや。虫無しの木の実は欲しいかな?
きっと、もうすぐお高くなるから。さきに買えるだけ買っちゃおう。」
「そうですね、わかりました。」
「じゃ、これ、タンダートさんのご両親に持っていって。
これが例の油。
小さいのに入れてるから。悪いけど、ご両親を利用させてもらうよ?
これをね、やはり旅先で、配っていたと。
ピクトで売るつもりだと聞いたけどって。
噂話の時間系列はあてにならないんだ。
でも、噂は噂で広がる。
それを売っているのが本人だと気付かれれてはいけないよ?
店の名前も、ロなんとかって。
いいのか悪いのか分からないけどって。
お風呂あがりに使うのがいいよ?足湯とかもね。
桶にお湯入れて足付けるだけ。
父さんと母さんとお話ができれば、ハンドマッサージしてあげればいい。
ご高齢でしょう?喜ぶよ?
だけど、最悪な状況もあるから。
その時は、捨ててくれって、それだけね。
お店作戦は始まってるから。
師匠?」
「我々が戻るときに合流しますから。」
「そうか。
でね、その、苦労掛けていたんだわかったらね、
これね、パウンドケーキ。これもね、お土産。
これは、タフトで買ったと言えばいい。
なんでもあるそうだから。じきにこれも売りだすとおもうよ?
ゆっくりできればいいね。」
「・・・・。遠慮なく。」
「うん。じゃ、これはお弁当ね。ガイライの分と、2人分ね。
ああ、ルカリさんの様子も見てね。
槍は?マティス?」
「戻った時に渡す。」
「うん。そのとき手合わせ願いますっていっといて?」
「ルカリに負けるようなら話にならんぞ?」
「いや、頑張りますけど、ルカリさんは努力の人だから。
うん、油断大敵。じゃ、ニックさんお願いします。」
「よし、じゃ、ガイライ、軍の話な、隊長はお前にしとけよ?」
「ふふふふふ。いえいえ、そんなー。」
「あ!だから先に一人で行く気なのか!!
モウちゃん!あんたの息子が極悪人だぞ!」
「いやいや、それで正解。
我が家はナンバーワンよりナンバーツーです。
責任ある肩書は丸投げで。正解だよー、ガイライ!」
「は!マティス!頼むぞ。」
「じゃ、飛ばすぞ!」
『ガイライとタンダート、ガイライの館に』
「待て!!
・・・・。
いいのか?モウちゃん?」
「いいんよ。あれは、わたしと同じだ。使うより、使われたほうがいい。
ニックさんは使うほうだよ?分かってるでしょ?」
「そうだけどな。」
「でも、軍の話って?」
「2軍じゃ、不安だから、分隊を3軍に昇格?って噂だ。
次の会合で決まるだろう。決まる前に、根回ししとかないとな。」
「おお!いいようになればいいね。
王さんも安心だね。」
「そうだな。」
「鍛練前に隠匿のこと済ませてしまいましょう。
やはり、当初の予定通りに。
使うときは、販売するときは混ぜるはずです。
向こうも成分がよく混ざるように指示することでしょう。
出ないと、向こうが言う良さが分からない。」
「そうなるか。
んー、よくねあるんだ、そういうの。
袋詰めのおかしなんかでね、そこに豆が沈んでるの。
で、そういう時は逆から開けるんだ。
そしたら、自然とそこに豆が来るでしょ?
で、混ぜると。今回の塩袋は間に合わなかったけど、
ザス袋として、そこから開けやすいように細工しようか?
塩袋はヘレーナさんところで作ってもらうのは辞めたくないし。
改良したものをマンザス袋として別で売るほうがいい?」
「塩袋、豆袋で隠匿縛りをっけているんでしょ?
名前が変わるとまた新たな縛りが必要ですよ?」
「それはかまわないよ。
底を2重にして、開けやすくする。
砂漠石で閉じるところはそのままで、
そこから開けると。
香りが抜けない方法、
豆袋につけてる、クリップを使えばいい。」
「そうなりますか?
塩袋と、マンザス袋。最初に両方売るようにしましょうか。
そうすれば、便利な方を買うでしょう。
縛りは掛けてましょう。」
「塩袋と豆袋は水が漏れないって言うのが売りなんだ。
香だけなら、勝手に作ればいいんじゃないの?
塩袋に代わるものが、隠匿無しにみなが自由に使えるんなら、
そっちを使うでしょ?
わたしが嫌なのは、塩袋を使われることだけだ。」
「はー、ですよね。
しかし、それは、あとでどうとでもできます。
あなたがガイライに言ったように今できることをやってるだけですよ?
問題なければ、公表すればいいだけです。」
「ん。そうですね。わかりました。
じゃ、隠匿お願いできますか。」
原石を出す。コットワッツの砂漠で出たものだ。
どうか、いいように物事が運びますようにと、取り出した。
セサミンにゴムのことを頼んだ大きさの倍ほどだ。
「・・・・本当に原石ですね、これ。
どこで取れたのか聞いても?」
「コットワッツの砂漠ですよ。変動が起こる前に。」
「10億ではないですね、もっとだ。
セサミナ殿はご存じなんですね?この大きさを持っていることは?」
「一度かけてもらっています。隠匿を。もう少し小さかったですけど。」
「わかりました。ガイライ殿まではいいでしょう。
彼もあなたの臣だ。それ以外は持っていることも言わないように。」
「どうして?
言いふらすわけではないですけど。」
「この大きさがあるということを知られてはいけません。
なにが起こるか分からない。」
「何ができますか?」
「なんでも。」
「死人は生き返らないでしょ?」
「それはそうです。」
「だったら、何でもじゃない。砂漠石は万能じゃない。」
「ええ、そうですね。わたしが間違えましたね。
だけど、モウ?
この大きさを見てよからぬことを考えるものがいるとだけ。
現に、わたし考えましたもの。」
「なにを?」
「・・・各国の一番うまいと呼ばれているのものを取り寄せるんですよ!」
「・・・俺も考えた。酒が流れる風呂だ。」
「・・・・。お取り寄せは出来ますよ。
冷蔵、冷凍便が発達すれば。
酒風呂、ワイン風呂というのはあります。次はそれで。」
「「すごい!!」」
「それぐらいなら、いつかできる。砂漠石はもっと、
なんていうんだろ?んー。」
外科的な?病を治す?
それも違うな。
なんか違うような気はするけど、
それをわたしがどうのこうのするものでもない。
でも、これだけあればこんなことができるなって
想像できることはいいのか。
・・・・ああ、本当だ。よからぬことを考える。
なにもいいことばかりの想像だけではない。
砂漠石の大きさでできること、できないことを抑制されてるんだ。
大きいものを見れば、欲望が膨れる。
「モウ?」
「はい。わかりました。
これは、緊急時だけです。それも、わたしにかかわることだけだ。
わたしの欲望のまま使うだけです。」
「ええ、そうして下さい。」
「袋は、塩袋、豆袋、香袋としてください。」
「わかりました。」
『隠匿宣言!我が前に立つものが監修する塩袋、豆袋、これから
作られる香袋の中に、
摂取で人体に悪影響があるもので、尚且つ異常な依存性があるもの、
となりうる成分が、
摂取で人体に悪影響があるもので、尚且つ異常な依存性があるもの、
一定割合を超えた場合に、その生成成分の有効性を隠匿すると宣言する』
ゴムの時のように砂に代わって消えていく。
少しも残らずに消えてくれた。
「んじゃ、出発するか。
目的地に着くまで、マティスとワイプは手を出すな。
俺がいいというまでダメだ。
モウちゃん?基本俺だけだ。相手はな。
だから、俺だけに集中すればいい。
目的地に着いたら、それも無くすから。
マティス!!がまんしろ!その間、お前はワイプに集中すればいい。
モウちゃんは守るから!」
そうか、いかなる時もわたしを守ってるんだ、マティスは。
「マティス!頑張ろうね!
がんばれば、無敵夫婦の誕生だよ!
それまで、マティスはマティスで頑張って。
わたしも頑張るから!」
「応!」
ぎゅっと抱きしめあった。
月はまだ沈んでいない。
まさに、早朝といった時間か?
お風呂に入れてくれた記憶はある。
扉君の家ではなく、テントの中だった。
「みんなは?」
「寝てるだろう?」
「朝ごはんどうしようか?」
「パンとコーヒーでいだろう?焼くだけのものがあるからな。
卵と米と乳を仕入れないと。」
「そうだね。街道で売ってるかな?売ってるよね?
高いものばかりじゃないはずだ。」
「そうだな、ここで買っておこう。
なんなら、戻ってもいいしな。」
「そうだね。定番物はここで買うことはないよね。お高いだろうし。
ここでしか買えないものはここで買おう。」
「それもそうだ。」
「タンダードはどうするんだろ?
あ!隠匿!どうしよう?」
「ワイプが考えているはずだ。」
「うん。わたしの考えは偏ってるから、
皆で考えたほうがいいね。じゃ、起きようか?
お風呂入れてくれてありがとう。みなはどうしてるんだろ?
シャワーか、露天出そうか?」
「甘やかしすぎだそ?」
「いや、だって、みなで鍛錬して汗かいたでしょ?
臭いの嫌だよ?」
「そうか、では仕方がないな。」
「あ!あの白いのどうなっただろ?
話は後だって言ったから、先に見てみるね。」
植物用の袋に移動したのだ。
砂漠石の膜の中で開けてみる。
滅菌ケースの、手袋を突っ込んで作業するような感じだ。
袋の中にほんの少しの白い粉。
これだけが入っていたのか、消費してなくなった残りなのか?
これだけでは重さの軽減はわからないだろうな。
サラサラしている。
ナルーザから仕入れている白い草と同じだろう。
それも、横に出せば、粉の方が波打ってる。
それと同じように白い草の表面がうごめく。
桑の葉、砂漠石、コールオリン、浜辺の砂、ピンクの砂、各砂漠の砂、星砂。
クジラ石のかけら、樹石、香木、もらった香水、青い花、などなど。
いままで採取したものを少しずつ、皿に入れる。
袋から来たものに、色を付けた。
あの青い実のもの。
白い草のは黄色に。
ピンセットで、少しずつ、皿にも乗せる。
青だけ、黄色だけ、両方。
残りはそのまま。動くかもしれな。
これは時間をおかないと分からないか。
これをサボテンの森の家の外に置いておく。
カメラも設置した。定点カメラだ。
連続はダメだが、5分に1枚の間隔。
繋ぎ合わせれば、早送りの映像のように成るだろう。
「それでわかるのか?」
「わかればいいなーって軽い感じで。」
「お前の負担は大きくないのか?」
「ん?こいうのも好きな部類なの。大丈夫。めんどくさくなったら、
師匠に丸投げだから。それでいいって言ってくれてるから。
安心なんだ。
それに、マティスがいてくれてるからね。
なにも、負担も、不安もないよ。」
「それならいい。愛してる、愛しい人。」
「わたしも、マティス。愛してる。
なんか、昨日小芝居、照れちゃったよ、マティス泣いてなかった?」
「!」
「実際さ、親の気持ちなんてわからんよね。
なったことないんだもの。ひとそれぞれだろうし。想像しかできないね。」
「私も分からない。」
「うん、わたしもだよ?それでいいと思う。
わかったつもりになるのが一番ダメなだけだよ。」
─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘
テントを出れば、皆は起きていた。
ニックが飯を作っている。
「なんですこれ!いい匂い!」
「湯の中に干し肉入れて、柔らかくしただけだ。
そこに、チャクを入れてる。
野営の飯ってこんなもんなんだよ。いつも贅沢だからな。
こういうのも知っておかないとな。」
「それはそうだ。でも、ほんといい匂い!」
「メイガを入れてるよ?まずくはないさ。」
「コーヒーは入れますよ。モウ、飲むでしょ?」
「うん!あ、お風呂どうします?
向こうに作りますけど?これも、贅沢?」
「あはは!それはいいことにしよう。」
「じゃ、作ってきますね。」
テントの裏側で作るのだろう、1人で大丈夫と向こうに行った。
「今日の予定は?」
ニックの手伝いをしながら聞く。
「酒3人組を探す。
聞けば、ここからピクト方面に行けば、小さな集落があるそうだ。
半分まで走り込めばつくだろう。
その間、鍛練な。
お前はワイプとやっとけ。
そこで、泊まれるなら泊まろう。
明日は、移動で18~20門内の見学だ。
それが終われば、月が昇る前にカリクの屋敷に戻る。」
「彼は?」
「・・・。ニバーセルに戻る。先に、親のことを確かめたい。
店の話はそれからだ。」
「お前の考えか?ワイプに言わされていないか?
そうするほうがいいと思うが、ワイプの指示は拒否するほうがいいぞ?」
「あなた、話がややこしくなる、黙って!」
「いや、言われるまでもない。でないと、落ち着かない。」
「そうか。」
「マティス、わたしも戻るから。」
「どうして?」
「タンダートの監視と、軍からみだ。」
「ガイライ。タンダート、これのことをここまで愛しい人が気に掛けるのは、
お前が心配しているからだぞ?彼女を悲しませるな。」
「わかっている。その判断はできる。わたしは彼女の臣だ。」
「それで、彼らを送ってもらえますか?」
「わかった。」
「送るというのは?」
「ああ、コットワッツ領主が砂漠石の枯渇以降、新たな力が備わったのは
当然、ご存じですよね。
マティス君はコットワッツ領主の血筋の関係でしょうか、
領主の力に近いものが備わっている。
大量の砂漠石を使えば人と物の移動ができるんですよ。
彼もまた石使いなんですよ、優秀なね。」
「・・・・剣のマティスと赤い塊のモウに懸賞金が付いている。
その話は西方諸国が出していると、聞いているか?」
「ええ、噂ですね。」
「そういう噂を流しているのは東だ。我々は、ネルウカート国だと
認識している。」
「おや、それは面白い。が、かく乱の情報では?」
「そう思うのならそう思えばいい。」
「なるほど。これの対価は?」
「いや、昨日の彼女の言葉の礼だ。」
「なるほど。そう伝えましょう。」
─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘
「でっきたよーん。おなかすいた!」
「こっちもいいぞ。さ、食べよう。」
「わーい。いい匂いだ。
お風呂もね、いい感じでできたよ。」
「あの水音はそうなのか?」
「そそ。滝のある温泉ね。
循環の考えがうまくいったからね。
落ちてくる下にはいって、滝に肩があたるようにね。
で、腰にはジェット水流だ。
シャワーを浴びてからね。
幕の向こうで。わたしは遠慮するから、ごゆっくりー。」
食事はなるほど、野営食だ。
塩分多めで高カロリー。
流し込むように食べることができる。
鍛練せねば確実に太る。
そんなおいしいご飯だった。
お風呂も満喫してもらった。
腰のジェット水流はガイライの館に追加だ。
「戻るの?確かめるのね。そう。マティスが送るの?
え?ガイライも?気を付けてね。何かあったら連絡を。
聞いたって無理なものは無理だから。
あの時聞いておけばってことがないようにだけ。
で、悪いけどお使い頼まれてくれる?普通の卵を買ってきて?
ここで買ってもいいけど、大量にかったら迷惑だとおもうから。
あと、葉っぱもののお野菜ね。
馬の餌で人気なの。
あとね、お米と乳と。」
「わかりました。他には?キャムロンとかは?」
「ああ、それはいいや。虫無しの木の実は欲しいかな?
きっと、もうすぐお高くなるから。さきに買えるだけ買っちゃおう。」
「そうですね、わかりました。」
「じゃ、これ、タンダートさんのご両親に持っていって。
これが例の油。
小さいのに入れてるから。悪いけど、ご両親を利用させてもらうよ?
これをね、やはり旅先で、配っていたと。
ピクトで売るつもりだと聞いたけどって。
噂話の時間系列はあてにならないんだ。
でも、噂は噂で広がる。
それを売っているのが本人だと気付かれれてはいけないよ?
店の名前も、ロなんとかって。
いいのか悪いのか分からないけどって。
お風呂あがりに使うのがいいよ?足湯とかもね。
桶にお湯入れて足付けるだけ。
父さんと母さんとお話ができれば、ハンドマッサージしてあげればいい。
ご高齢でしょう?喜ぶよ?
だけど、最悪な状況もあるから。
その時は、捨ててくれって、それだけね。
お店作戦は始まってるから。
師匠?」
「我々が戻るときに合流しますから。」
「そうか。
でね、その、苦労掛けていたんだわかったらね、
これね、パウンドケーキ。これもね、お土産。
これは、タフトで買ったと言えばいい。
なんでもあるそうだから。じきにこれも売りだすとおもうよ?
ゆっくりできればいいね。」
「・・・・。遠慮なく。」
「うん。じゃ、これはお弁当ね。ガイライの分と、2人分ね。
ああ、ルカリさんの様子も見てね。
槍は?マティス?」
「戻った時に渡す。」
「うん。そのとき手合わせ願いますっていっといて?」
「ルカリに負けるようなら話にならんぞ?」
「いや、頑張りますけど、ルカリさんは努力の人だから。
うん、油断大敵。じゃ、ニックさんお願いします。」
「よし、じゃ、ガイライ、軍の話な、隊長はお前にしとけよ?」
「ふふふふふ。いえいえ、そんなー。」
「あ!だから先に一人で行く気なのか!!
モウちゃん!あんたの息子が極悪人だぞ!」
「いやいや、それで正解。
我が家はナンバーワンよりナンバーツーです。
責任ある肩書は丸投げで。正解だよー、ガイライ!」
「は!マティス!頼むぞ。」
「じゃ、飛ばすぞ!」
『ガイライとタンダート、ガイライの館に』
「待て!!
・・・・。
いいのか?モウちゃん?」
「いいんよ。あれは、わたしと同じだ。使うより、使われたほうがいい。
ニックさんは使うほうだよ?分かってるでしょ?」
「そうだけどな。」
「でも、軍の話って?」
「2軍じゃ、不安だから、分隊を3軍に昇格?って噂だ。
次の会合で決まるだろう。決まる前に、根回ししとかないとな。」
「おお!いいようになればいいね。
王さんも安心だね。」
「そうだな。」
「鍛練前に隠匿のこと済ませてしまいましょう。
やはり、当初の予定通りに。
使うときは、販売するときは混ぜるはずです。
向こうも成分がよく混ざるように指示することでしょう。
出ないと、向こうが言う良さが分からない。」
「そうなるか。
んー、よくねあるんだ、そういうの。
袋詰めのおかしなんかでね、そこに豆が沈んでるの。
で、そういう時は逆から開けるんだ。
そしたら、自然とそこに豆が来るでしょ?
で、混ぜると。今回の塩袋は間に合わなかったけど、
ザス袋として、そこから開けやすいように細工しようか?
塩袋はヘレーナさんところで作ってもらうのは辞めたくないし。
改良したものをマンザス袋として別で売るほうがいい?」
「塩袋、豆袋で隠匿縛りをっけているんでしょ?
名前が変わるとまた新たな縛りが必要ですよ?」
「それはかまわないよ。
底を2重にして、開けやすくする。
砂漠石で閉じるところはそのままで、
そこから開けると。
香りが抜けない方法、
豆袋につけてる、クリップを使えばいい。」
「そうなりますか?
塩袋と、マンザス袋。最初に両方売るようにしましょうか。
そうすれば、便利な方を買うでしょう。
縛りは掛けてましょう。」
「塩袋と豆袋は水が漏れないって言うのが売りなんだ。
香だけなら、勝手に作ればいいんじゃないの?
塩袋に代わるものが、隠匿無しにみなが自由に使えるんなら、
そっちを使うでしょ?
わたしが嫌なのは、塩袋を使われることだけだ。」
「はー、ですよね。
しかし、それは、あとでどうとでもできます。
あなたがガイライに言ったように今できることをやってるだけですよ?
問題なければ、公表すればいいだけです。」
「ん。そうですね。わかりました。
じゃ、隠匿お願いできますか。」
原石を出す。コットワッツの砂漠で出たものだ。
どうか、いいように物事が運びますようにと、取り出した。
セサミンにゴムのことを頼んだ大きさの倍ほどだ。
「・・・・本当に原石ですね、これ。
どこで取れたのか聞いても?」
「コットワッツの砂漠ですよ。変動が起こる前に。」
「10億ではないですね、もっとだ。
セサミナ殿はご存じなんですね?この大きさを持っていることは?」
「一度かけてもらっています。隠匿を。もう少し小さかったですけど。」
「わかりました。ガイライ殿まではいいでしょう。
彼もあなたの臣だ。それ以外は持っていることも言わないように。」
「どうして?
言いふらすわけではないですけど。」
「この大きさがあるということを知られてはいけません。
なにが起こるか分からない。」
「何ができますか?」
「なんでも。」
「死人は生き返らないでしょ?」
「それはそうです。」
「だったら、何でもじゃない。砂漠石は万能じゃない。」
「ええ、そうですね。わたしが間違えましたね。
だけど、モウ?
この大きさを見てよからぬことを考えるものがいるとだけ。
現に、わたし考えましたもの。」
「なにを?」
「・・・各国の一番うまいと呼ばれているのものを取り寄せるんですよ!」
「・・・俺も考えた。酒が流れる風呂だ。」
「・・・・。お取り寄せは出来ますよ。
冷蔵、冷凍便が発達すれば。
酒風呂、ワイン風呂というのはあります。次はそれで。」
「「すごい!!」」
「それぐらいなら、いつかできる。砂漠石はもっと、
なんていうんだろ?んー。」
外科的な?病を治す?
それも違うな。
なんか違うような気はするけど、
それをわたしがどうのこうのするものでもない。
でも、これだけあればこんなことができるなって
想像できることはいいのか。
・・・・ああ、本当だ。よからぬことを考える。
なにもいいことばかりの想像だけではない。
砂漠石の大きさでできること、できないことを抑制されてるんだ。
大きいものを見れば、欲望が膨れる。
「モウ?」
「はい。わかりました。
これは、緊急時だけです。それも、わたしにかかわることだけだ。
わたしの欲望のまま使うだけです。」
「ええ、そうして下さい。」
「袋は、塩袋、豆袋、香袋としてください。」
「わかりました。」
『隠匿宣言!我が前に立つものが監修する塩袋、豆袋、これから
作られる香袋の中に、
摂取で人体に悪影響があるもので、尚且つ異常な依存性があるもの、
となりうる成分が、
摂取で人体に悪影響があるもので、尚且つ異常な依存性があるもの、
一定割合を超えた場合に、その生成成分の有効性を隠匿すると宣言する』
ゴムの時のように砂に代わって消えていく。
少しも残らずに消えてくれた。
「んじゃ、出発するか。
目的地に着くまで、マティスとワイプは手を出すな。
俺がいいというまでダメだ。
モウちゃん?基本俺だけだ。相手はな。
だから、俺だけに集中すればいい。
目的地に着いたら、それも無くすから。
マティス!!がまんしろ!その間、お前はワイプに集中すればいい。
モウちゃんは守るから!」
そうか、いかなる時もわたしを守ってるんだ、マティスは。
「マティス!頑張ろうね!
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わたしも頑張るから!」
「応!」
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