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第7話:証明なき悪意と悪魔の証明
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会場の出口へ向かおうとしたアルヴィスとリリアの足を、金切り声が引き留めた。
「お待ちなさい! まだ話は終わっていなくてよ!」
転びかけた体勢を立て直し、イザベラが形相を変えて戻ってきた。
その背後には、彼女の取り巻きである数名の令嬢や、事情を知らない地元の貴族たちが野次馬として群がっている。
イザベラは、先ほどの動揺を無理やり押し殺し、扇子で口元を隠してアルヴィスを睨みつけた。
「辺境伯様。貴方は言葉巧みに私を嘘つき呼ばわりしましたが、肝心なことが抜けていますわ」
「……まだ酸素を無駄に消費する気か。肝心なこととは?」
アルヴィスの冷淡な問いに、イザベラは勝ち誇ったように胸を張った。
「貴方は私の汗だの動揺だのを指摘しましたが、それはあくまで状況証拠。リリアが自分でドレスを破っていないという証拠にはなりませんわ!」
周囲の野次馬たちが「確かに」「自作自演の可能性もゼロではない」とざわめく。
イザベラはその反応に勢いづき、リリアを指差した。
「リリア・アシュベリー! 潔白だと言うなら、今ここで証明してみせなさい! 『私はやっていない』という動かぬ証拠を出せというのよ! 出せないなら、やはり貴女が犯人よ!」
リリアは言葉に詰まった。
「そ、そんな……、やっていないことの証明なんて、どうやって……」
ハサミを持っていないことは示せるが、「隠し持っていたのを捨てたのだろう」と言われればそれまでだ。
狼狽えるリリアを見て、イザベラは高笑いした。
「ほらご覧なさい! 証明できないのが何よりの証拠……」
「馬鹿か、君は」
アルヴィスの低い声が、イザベラの笑いを遮断した。
彼は心底呆れたという顔で、眼鏡のブリッジを中指で押し上げた。
「君が今求めているのは、論理学で言うところの悪魔の証明だ」
「あ、悪魔……?」
「ある事実が存在しない(不在)ことを証明するのは、極めて困難、あるいは不可能だということだ」
アルヴィスは、子供に言い聞かせるようにゆっくりと解説を始めた。
「例えば、『この部屋に透明なユニコーンがいないことを証明しろ』と言われて、君にできるか? 部屋中を探しても、見つからなかっただけで、いないという証明にはならない。どこかに隠れているかもしれないし、透明だから見えないだけかもしれないと言い逃れができるからだ」
彼はリリアの肩を抱き寄せたまま続けた。
「同様に、リリアが自分でやっていないことを完全に証明するのは不可能だ。過去の全瞬間の映像記録でもない限りな。だからこそ、近代法において立証責任は、ある(やった)と主張する側、つまり告発者である君にある」
アルヴィスは一歩踏み出し、イザベラを見下ろした。
「『やっていないことを証明しろ』という要求自体が、論理的に破綻した暴論であり、君の知性の欠如を露呈させているに過ぎない」
「ぐっ……! へ、屁理屈を! でも、貴方だって私がやったという決定的な証拠はないじゃない!」
イザベラは顔を真っ赤にして叫んだ。
アルヴィスは、ふっと口角を上げた。
それは獲物を追い詰めた猛獣の笑みだった。
「いいや。あるぞ」
「え?」
「不在の証明は悪魔の証明だが、存在の証明、つまり積極的証拠の提示は容易だ」
アルヴィスは、リリアの背中の破れたドレスの縁を、ハンカチ越しにつまみ上げた。
「リリア。少し背中を見せるぞ。……失礼」
「は、はい……」
アルヴィスは裂け目の布地を鼻に近づけ、軽く匂いを嗅いだ。
そして、その布地をイザベラの目の前に突き出した。
「嗅いでみろ」
「な、何を……」
「ここには、強烈なジャコウとバラの香りが付着している。君が全身に浴びるほどつけている、その品のない香水と同じ匂いだ」
イザベラが息を呑んだ。
アルヴィスは畳み掛ける。
「香りの粒子は物理的な物質だ。リリアの背中の、しかも、切り裂かれた布の断面だけ君の香水が高濃度で付着している。これは、香水をつけた人物が、この布に直接触れた、あるいは至近距離で作業を行ったという、物質的接触の痕跡だ」
「そ、それは……、空気を漂って付いたのよ!」
「空気中の拡散では、ここまで局所的に高濃度の付着は起こり得ない。さらに言えば、君のドレスの袖口……、そこに見える繊維片は、リリアのドレスと同じ淡い青色に見えるが?」
全員の視線が、イザベラのドレスの袖に集まった。
フリルの隙間に、確かに小さな青い糸くずが絡まっていた。
切り裂いた際に引っ掛けたのだろう。
論理の迷路で逃げ道を塞がれ、最後に物理的証拠を突きつけられたイザベラは、もはや言葉を発することもできなかった。
顔面蒼白になり、パクパクと口を開閉させるその姿は、陸に上げられた魚のようだった。
「……勝負あったな」
アルヴィスは興味を失ったようにイザベラから視線を外し、リリアに向き直った。
「行くぞ。これ以上ここにいると、君のドレスだけでなく、私の嗅覚細胞まで死滅しそうだ」
彼は自分のジャケットでリリアを包み込むと、堂々と会場を後にした。
背後では、イザベラに対する周囲の冷ややかな視線と、失笑だけが残された。
馬車に戻ると、アルヴィスはふぅ、と長い息を吐いた。
「……疲れる生き物だ」
「アルヴィス様、あの……、ありがとうございました」
リリアがお礼を言うと、彼は眉をひそめてリリアの背中をジャケット越しに軽く叩いた。
「礼を言う前に、反省しろ」
「えっ?」
「無防備すぎる。背後は生物にとって最大の弱点だ。今後は私の視界の範囲内、半径二メートル以内から離れることを禁ずる」
「は、半径二メートル……?」
「そうだ。それなら君の背後は私が監視できる。……それに」
アルヴィスは少し顔を背け、ぼそりと付け加えた。
「あの強烈な香水の匂いより、君の匂いの方が……、私の脳波は安定する」
その言葉の意味を理解して、リリアの顔がボッと赤くなった。
夜の闇を走る馬車の中、リリアはジャケットを強く握りしめた。
論理的すぎる溺愛に、心臓の高鳴りが止まらなかった。
「お待ちなさい! まだ話は終わっていなくてよ!」
転びかけた体勢を立て直し、イザベラが形相を変えて戻ってきた。
その背後には、彼女の取り巻きである数名の令嬢や、事情を知らない地元の貴族たちが野次馬として群がっている。
イザベラは、先ほどの動揺を無理やり押し殺し、扇子で口元を隠してアルヴィスを睨みつけた。
「辺境伯様。貴方は言葉巧みに私を嘘つき呼ばわりしましたが、肝心なことが抜けていますわ」
「……まだ酸素を無駄に消費する気か。肝心なこととは?」
アルヴィスの冷淡な問いに、イザベラは勝ち誇ったように胸を張った。
「貴方は私の汗だの動揺だのを指摘しましたが、それはあくまで状況証拠。リリアが自分でドレスを破っていないという証拠にはなりませんわ!」
周囲の野次馬たちが「確かに」「自作自演の可能性もゼロではない」とざわめく。
イザベラはその反応に勢いづき、リリアを指差した。
「リリア・アシュベリー! 潔白だと言うなら、今ここで証明してみせなさい! 『私はやっていない』という動かぬ証拠を出せというのよ! 出せないなら、やはり貴女が犯人よ!」
リリアは言葉に詰まった。
「そ、そんな……、やっていないことの証明なんて、どうやって……」
ハサミを持っていないことは示せるが、「隠し持っていたのを捨てたのだろう」と言われればそれまでだ。
狼狽えるリリアを見て、イザベラは高笑いした。
「ほらご覧なさい! 証明できないのが何よりの証拠……」
「馬鹿か、君は」
アルヴィスの低い声が、イザベラの笑いを遮断した。
彼は心底呆れたという顔で、眼鏡のブリッジを中指で押し上げた。
「君が今求めているのは、論理学で言うところの悪魔の証明だ」
「あ、悪魔……?」
「ある事実が存在しない(不在)ことを証明するのは、極めて困難、あるいは不可能だということだ」
アルヴィスは、子供に言い聞かせるようにゆっくりと解説を始めた。
「例えば、『この部屋に透明なユニコーンがいないことを証明しろ』と言われて、君にできるか? 部屋中を探しても、見つからなかっただけで、いないという証明にはならない。どこかに隠れているかもしれないし、透明だから見えないだけかもしれないと言い逃れができるからだ」
彼はリリアの肩を抱き寄せたまま続けた。
「同様に、リリアが自分でやっていないことを完全に証明するのは不可能だ。過去の全瞬間の映像記録でもない限りな。だからこそ、近代法において立証責任は、ある(やった)と主張する側、つまり告発者である君にある」
アルヴィスは一歩踏み出し、イザベラを見下ろした。
「『やっていないことを証明しろ』という要求自体が、論理的に破綻した暴論であり、君の知性の欠如を露呈させているに過ぎない」
「ぐっ……! へ、屁理屈を! でも、貴方だって私がやったという決定的な証拠はないじゃない!」
イザベラは顔を真っ赤にして叫んだ。
アルヴィスは、ふっと口角を上げた。
それは獲物を追い詰めた猛獣の笑みだった。
「いいや。あるぞ」
「え?」
「不在の証明は悪魔の証明だが、存在の証明、つまり積極的証拠の提示は容易だ」
アルヴィスは、リリアの背中の破れたドレスの縁を、ハンカチ越しにつまみ上げた。
「リリア。少し背中を見せるぞ。……失礼」
「は、はい……」
アルヴィスは裂け目の布地を鼻に近づけ、軽く匂いを嗅いだ。
そして、その布地をイザベラの目の前に突き出した。
「嗅いでみろ」
「な、何を……」
「ここには、強烈なジャコウとバラの香りが付着している。君が全身に浴びるほどつけている、その品のない香水と同じ匂いだ」
イザベラが息を呑んだ。
アルヴィスは畳み掛ける。
「香りの粒子は物理的な物質だ。リリアの背中の、しかも、切り裂かれた布の断面だけ君の香水が高濃度で付着している。これは、香水をつけた人物が、この布に直接触れた、あるいは至近距離で作業を行ったという、物質的接触の痕跡だ」
「そ、それは……、空気を漂って付いたのよ!」
「空気中の拡散では、ここまで局所的に高濃度の付着は起こり得ない。さらに言えば、君のドレスの袖口……、そこに見える繊維片は、リリアのドレスと同じ淡い青色に見えるが?」
全員の視線が、イザベラのドレスの袖に集まった。
フリルの隙間に、確かに小さな青い糸くずが絡まっていた。
切り裂いた際に引っ掛けたのだろう。
論理の迷路で逃げ道を塞がれ、最後に物理的証拠を突きつけられたイザベラは、もはや言葉を発することもできなかった。
顔面蒼白になり、パクパクと口を開閉させるその姿は、陸に上げられた魚のようだった。
「……勝負あったな」
アルヴィスは興味を失ったようにイザベラから視線を外し、リリアに向き直った。
「行くぞ。これ以上ここにいると、君のドレスだけでなく、私の嗅覚細胞まで死滅しそうだ」
彼は自分のジャケットでリリアを包み込むと、堂々と会場を後にした。
背後では、イザベラに対する周囲の冷ややかな視線と、失笑だけが残された。
馬車に戻ると、アルヴィスはふぅ、と長い息を吐いた。
「……疲れる生き物だ」
「アルヴィス様、あの……、ありがとうございました」
リリアがお礼を言うと、彼は眉をひそめてリリアの背中をジャケット越しに軽く叩いた。
「礼を言う前に、反省しろ」
「えっ?」
「無防備すぎる。背後は生物にとって最大の弱点だ。今後は私の視界の範囲内、半径二メートル以内から離れることを禁ずる」
「は、半径二メートル……?」
「そうだ。それなら君の背後は私が監視できる。……それに」
アルヴィスは少し顔を背け、ぼそりと付け加えた。
「あの強烈な香水の匂いより、君の匂いの方が……、私の脳波は安定する」
その言葉の意味を理解して、リリアの顔がボッと赤くなった。
夜の闇を走る馬車の中、リリアはジャケットを強く握りしめた。
論理的すぎる溺愛に、心臓の高鳴りが止まらなかった。
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