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1章 変わる日常
10話 王都到着(1)
しおりを挟む私たちが宿を出発することができたのはそれから3日後のことだった。強盗の件を聞いた殿下が護衛のための騎士を送ってくれたので、その方たちの到着を待っていたのだ。ちなみにもとからついていた護衛の人たちは重症を負っているらしい。
そこからの旅路はとても順調だった。こんなにお姉様と一緒というのも実は初めての経験で、途中で話す内容がなくなってしまったこともあったがそれでもずっと楽しかった。
「見て、ウェルカ!
あれが王都の門よ」
そう言われて指さされた方を見ると、そこには視界いっぱいに広がる壁があった。なんだか圧迫感も感じるけれど、いったいこの壁の中にはどんな世界が広がっているのだろうかとわくわくもする!
門をくぐる際、馬車の列や人の列がそれぞれできていたのだが、私たちが乗っている馬車はまた違う門へと向かっていく。
「どこに行くのですか?」
「殿下から少し特別な門を使う許可証をいただいているので、そちらに向かっているのよ」
ふふっとお姉様は微笑みながら教えてくれた。特別な門の意味はよくわからないけど、あの列に並ばなくていいのは嬉しいかな。
そうしてすんなりと門をくぐった先には王都が広がっていた。きっと門をくぐると人がたくさんいて、お店がいっぱいあって、そんな華やかなものを想像していた私は初めに見えた大きな通路、そしてその奥に広がる民家と思わしき多くの家に多少はがっかりとした。
「あら、どうしたの?」
「人とお店があふれていると思っていたのです……」
「この辺りは住宅街なのよ。
もう少し中心に近づけばにぎわってくるわよ」
その言葉に再び目を輝かす。王都はもちろん、私は他領にもほとんど行ったことがないのだ。ついつい期待をしてしまう。
その後もしばらく似た光景が続いていたが、再び大きな通路が現れたと思ったらその先には多くの店が見えた。そこには何人もの人が行きかっている。まさに私が想像した光景!
「ここが商業区ね。
たくさんのお店がこの区には集まっていて、ここを抜けると貴族の居住区があるわ。
王都は円形になっていて、これらの区も円形に広がっているの。
王宮はその中心にあるわ」
そういう作りになっているんだ。うん、いろいろと回ってみたら楽しそう。
「今日はひとまず屋敷に行きましょう。
長旅で疲れているでしょうからね」
「はい」
私は行ったことがなかったけど、どうやら王都にも我が家の屋敷はあるようで。それは上位貴族は全員持っているそうだ。ちなみに下位貴族は家による。わが両親(とその子供2人)は社交界シーズンになるとこちらに出てきているようだ。今はオフシーズンなので領地にいる。
しばらく速度を落として商業区を進んでいくと、再び家が多く立ちならんでいた。もちろんその大きさは先ほどとは比にならない。そして貴族の居住区になって少しするととある一軒の前で馬車は停止した。ここがバーセリク家のお屋敷かな?
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