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1章 変わる日常
15話 王都到着(6)
しおりを挟む今日はチェルビース公爵家にお邪魔する日です!あの後すぐにお姉様は手紙を送り、おじい様方から会おう、という返事をいただけたことにひとまず安心しました……。何せ、ここで会いたくないと言われてしまう可能性も十分にあったからだ。
「このドレスはどうかしら?」
「あら、こちらもよく似合っていらっしゃるわ」
そして今、なぜか私は侍女に囲まれています。あれもいい、これもいいといろんなドレスを体に合わせては楽しそうにしている。それにしても……。
「いつの間にこんなにもドレスを用意したの?」
目のまえにあるのは領地にある屋敷のドレスよりもはるかに量が多い。確かに今のお母様になる前、というよりも義妹が来る前はそれなりに持っていたけど、彼女が来てからは好き勝手持ってかれたのだ。どうせ着ないくせに。
「ウェルカお嬢様がこちらにいらっしゃると聞いてすぐにご準備いたしました。
ドレスが届くよりもお嬢様方が先に到着されてしまいましたが、今日に間に合って安心いたしました」
私の疑問に答えてくれたのはいつの間にか部屋に入ってきていたガゼットだ。気配が全然しなかったからびっくりしたよ!
「ここにはアンティーナ様のドレスは多くございますが、ウェルカお嬢様のものはありませんでしたので……」
言いにくそうにガゼットはそう言う。でも、実家でもそんな感じだから私はたいして気にしていないんだけどね。
「準備をしてくれてありがとう」
「もったいないお言葉です。
あなたたち、そろそろ公爵様のところへ行く時間ですよ。
アゼリアお嬢様の方はもう準備を終えています」
その言葉にドレスをあれこれ選んでいた人たちが一斉に慌て始める。そしてすぐに私にドレスを着せにかかった。そしてようやくすべての準備が終わるとお姉様が迎えに来てくれていた。
「さあ、行きましょうか。
いい?
あちらの家では気を抜かないようにね」
「はい」
こちらに来てから始めて馬車に揺られて数分、チェルビース公爵家の屋敷には思っていてたよりも早く着いた。それにしても、大きい!
「お待ちしておりました、アゼリア様、ウェルカ様。
こちらにて当主様がお待ちです」
馬車が到着するとすぐに執事らしき人が来てそう案内してくださる。なんとなく、態度が硬い様子が気になるけれどこれが普通なのかもしれない。そしてその人の後に従って進んでいくと、とある部屋の前に行きついた。
案内をしてくれた執事がノックをするとすぐに返事が返ってくる。一気に心臓の音がうるさくなるが、そんなことも知らずに扉がゆっくりと開いていった。
中には親子と思われる男性二人がいた。
「よく来たな、アゼリア、ウェルカ。
そちらへ座ってくれ」
「ありがとうございます」
二人が座っている席の正面を示され、そこに座るとすぐにお茶が置かれた。片方の男性は緊張をしているのか表情が硬いが、もう片方の男性は柔らかな笑みを浮かべていた。
「久しいな、二人とも。
息災なようで何よりだ」
「お久しぶりです、おじい様。
お二人もお元気そうで嬉しい限りです」
この人が、おじい様? ということはお母様のお父様だよね。なんというか、思っていたよりも若々しい方だ。
「ウェルカは覚えていないよな。
私はマゼンロ・ゼリベ・チェルビース、チェルビース公爵家元当主だ。
お前たちの祖父でもある」
「ポルーク・ゼリベ・チェルビースだ。
現チェルビース公爵家当主であり、宰相も務めている。
君たちの伯父だな」
「ウェルカ・ティー・バーゼリクと申します」
二人の様子に何と答えていいのかわからなかった私はその言葉だけしか出てこなかった。
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