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2章 学園生活
134話 領地へ(4)
しおりを挟むお母様とルナベレークとの思い出。そこには私が知っている他人を思いやり行動する姿、私が知らなかった少しいたずらっ子な姿、いろいろな姿があった。今まで知らなかったお母様の姿を知ることができたのもうれしかった。でも、それ以上にあのお母様のことを触れてはいけなかった家で過ごしていた時間が長くて、こうしてお母様の話ができることが何よりもうれしかったのだ。
「お嬢様、もしよろしければバーセリク家でのアリストリア様の様子も聞かせていただけませんか?」
「ええ、喜んで」
まだ幸せだったころの記憶を思い起こしながら、私は久しぶりに思いっきりお母様のお話をした。
「あら、なんだか楽しそうね。
……どうしたの?」
荷物が片付いたのかお母様が私の部屋にやってきた。そして顔をのぞかせると、すぐに驚いたようにこちらを見ている。どうしたんだろう?
「どうして、泣いているの?」
こちらに来たお母様がハンカチで目元をぬぐってくれる。私、泣いていたのか。
ルナベレークとお母様の話をしていて、そう言おうとしてはたと気が付いた。お母様は、私の本当のお母様のことをどう思っているのだろう。ここで話してもいいのだろうか。
ためらっていると、察してくれたのか代わりにルナベレークが答えてくれた。
「アリストリア様のお話をしていたのです」
「アリストリア様の?」
「はい。
私が存じ上げているアリストリア様のお話をお嬢様にお話して、お嬢様からもお聞きしておりました」
お母様はどう思われるだろうか、少し不安になってそっと様子をうかがうとお母様は優しい笑みを浮かべていた。
「まあ、それは素敵ね。
私にもぜひ聞かせてほしいわ。
私、あまりアリストリア様を存じ上げないの」
「不愉快には、思わないのですか?」
「あら、どうして不愉快になるの?」
お茶でも飲みながらお話ししましょう、とお母様はいう。実は初めからお茶に誘う予定だったようだ。お母様に案内されて向かったテラスにはすでにお茶会ができるように準備されていた。
そこからも私はお母様のお話をたっぷりとして、いつもよりもぽかぽかとした気持ちで一日を終えた。
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