姉に代わって立派に息子を育てます! 前日譚

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2章 学園生活

184話 王宮通い(2)

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 魔法師団は早めに切り上げて、お姉様の部屋へと向かう。魔法師団の人にはもう寮に帰るといって出て、そのままお姉様の部屋に向かうのだ。

「お姉様、お加減はいかがですか?」

「今日も来てくれたのね。
 今日は気分がいいのよ」

 最近はつわりもきついようで顔色が悪いことが多かったのだが、今日は確かに顔色もいい。よかった。

 ちなみに、前回の事件を踏まえて王宮は急遽お姉様の部屋に専属のキッチンを作った。料理人も専属で、持ち込むものには厳しい制限がかけられているらしい。出入りする人も厳しく制限しているみたいだ。侍女もベスと古くから王家に仕えている人が2,3人、それだけだ。とにかく後継ぎが欲しい王宮は必至である、と。

 そうだ、あともう一人。

「あら、ウェルカ様がいらっしゃったのなら私はお暇しましょうかしら」

「ごきげんよう、クルトラ子爵夫人。
 ぜひ私ともお茶をしてくださいな」

 現在大きくなってきたおなかを抱えたクルトラ子爵夫人。生まれてくる子の乳母となる予定の人だ。ぜひ私とも仲良くしてもらいたい。

「そうかしら?
 ではもう少しだけ」

「なんの話をされていたのですか?」

「いえね、生まれてくる子にどんな服を作ろうかと話していたの」

 なるほど……。服はもちろん針子が作るものだ。でも、最初の着る服である産着、お披露目の服は母親が作るのだ。どんな服を作るか、確かに悩みどころだろう。

「私はもう作り始めなくてはいけないのよ。
 でもなかなか決められなくて」

「きっと愛情をこめて作ったものなら、どんなものでもかわいらしいと思いますよ。
 とても楽しみにしています」

 うん、楽しみ! とにこにこしていると、なんだか苦笑されてしまいました。まあ、私は作らないものね。

「どうぞ、ウェルカ様。
 お菓子の方も焼きあがりましたよ」

「ありがとう」

 ふわりとお菓子の甘い香りが漂う。おいしそう。このにおいは大丈夫なのかな、とちらりとお姉様をみると変わらずにほほ笑んでいる。クルトラ子爵夫人もお菓子を手に取っているから大丈夫そう。そこまで確認して、私はようやく安心して食べることができた。

「ふふ、なんだか賑やかで楽しいわ。
 前の時は隠さなきゃと必死で、笑うことなんて忘れていたもの」

 確かに一切を遮断していた感じがしたものね。でも。

「お姉様が笑っていてくださる方が、私もうれしいわ」

「そうですね。
 アゼリア様は笑顔が似合いますもの」

「まあ。
 ありがとうございます」

 ジェラミア様のこと、お姉様の子のこと、不安なことはあるけれどやっぱりこうして笑っていられるのは楽しいな、なんて思いました。

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