姉に代わって立派に息子を育てます! 前日譚

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2章 学園生活

183話 王宮通い(1)

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「なんだか、最近ウェルカ様はよく王宮へ行きますね。
 魔法師団はそんなに忙しいのですか?」

 お姉様たちと話をしてから、私は前にもまして王宮へと通うようになっていた。授業は増えたとは言え、ほかの人に比べればまだ少ない。魔法師団の見習いという話はしているので、王宮に行くとみんな魔法師団に行っていると思っているのだ。
 まあ、お姉様のことは言えないので好都合だけれど。

「忙しいわけではないのですけれど……。
 まあ、いろいろと用事ができてしまったのです」

「あまり無理はなさらないでね」

「ありがとうございます」

 今日もこのあとは王宮に行く予定だ。事情をきいたことでもう隠すことはなくなったのか、行くたびに会っている。去年よりも話せることが多くて、楽しい。

 ちなみに、あのお茶会の後バーセリク家のことは瞬く間に広がって、私はより遠巻きに見られることになりました。まあ、もう気にしないことにしたけれど。


「いらっしゃい、ウェルカ。
 毎日大変ね」

「ごきげんよう、ララさん。
 早くこのお守りを完成させたいの」

 あの話の後、私はすぐにお姉様にもお守りを作ることにした。ヴァークよりももっと強力なお守りを作りたくて、ひとまず読めるものを読んで詰め込めるだけ詰め込もうと思ったのだ。

「これはまたえげつないものを……。
 というか、どうして一回の経験を経ただけでこうなるの?」

 呆然と言っているけれど、ララさんが教えてくれないと前回も完成しなかったんだけれどな? 今回もお姉様が身に着けやすいように石に張り付けようと思っています。前は紐飾りだったけれど、今回はネックレスにしようと考えているから少し大ぶりの石でも大丈夫なんだよね。

「うーん?
 これとこれを組み合わせるにはどうしたらいいんだろう……。
 これが起動したときに、それを条件にこっちも起動させるのは違うよな?」

「もう私にはどうしたいのかわからないわ……。
 それにしても、婚約者のものよりも大分手が込んでいるわね?」

「え?
 だって、ヴァークよりもお姉様の方が大切ですもの」

 何を当たり前のことを。そう思って、口にするとえ? とララさんが固まってしまった。何かおかしなことを言っただろうか?

「婚約者より、姉の方が大切なの?」

 確認するようにゆっくり言われてしまった。それに私はうなずくことしかできない。そう、とあきれたように言うと、まあ頑張ってと去っていってしまいました。


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