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2章 学園生活
ベルクの視点(2)
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「兄上……」
ひとりにしてくれと言い、自室に籠もった。喪失感や情けなさでおなかも空かない。眠くもならない。
そんなときにアーサベルスは部屋にやってきた。
「なんだ」
「みな、心配しております」
「そうか」
ふと、誰かに聞いてほしくなった。もう届けるべき人がいなくなった己の後悔を。
「全部、私のせいだったのだ……。
2人とも私がいなければ死なずにすんだのに。
……、もう大切な人を作りたくない」
涙をこぼしたくないと、唇をかみしめたのに。こらえきれなかった嗚咽とともにほほに伝うものを感じる。
「兄上……。
もう、これ以上無理をなさらなくていいのです。
義姉上は男の子を残してくださったのですから。
それでも、もし兄上が誰かを娶らねばならばくなったなら、誰であろうと僕が娶ります。
これ以上くるしまないで……」
自分は今幼い弟に何を言い、何を言わせた? ここまで来て、ようやくぼんやりとしていた意識がはっきりとしてきた。弱音を吐いた上に、涙まで流すとは……。
「す、すまない。
今の言葉は忘れてくれ。
産まれた子とウェルカ嬢はどうした」
「赤子はいま乳母が面倒を見ています。
ウェルカはまだ目覚めていないようです。
病み上がりだったのに、相当無理をしたようで……」
「相当な無理?」
聞いた内容にようやくアゼリアの「ありがとう」の意味が分かった。しばらく寝たきりの状態だったのにも関わらず駆けつけてからずっと治癒魔法を使っていたなんて……。それに仮死状態で産まれてきたあの子を救ったのもウェルカ嬢だと?
紛れもない命の恩人じゃないか。何もできなかった自分が情けない、どころの話じゃない。あの子にとって姉はとても大切な存在だったのに……。
「子に会いに行こう。
名前も付けてあげなくてはな。
……、ありがとう、もう大丈夫だ」
立ち止まっては行けない。前を向いて最善を考え続けなくては。犯した罪もすべて背負って、守るべきものをもう傷つけないですむように。失わないですむように。
息子が産まれたのだから、父上から王位を継ぐ日も近いのだ。たった2人の大切な人も守れなかった自分だけれど、今度は国に生きる人すべてを守らなければいけないのだ。
「約束」を忘れはしないから、どうか見守っていてくれ。
__________________________________________________________________
これで前日譚は終了です。長らくお付き合いいただき、本当にありがとうございました!
少し休んでから、今度は本編を始めていきたいと思っています。別の作品として登録して書いていきますので、そちらの方も読んでいただけますと幸いです。
ひとりにしてくれと言い、自室に籠もった。喪失感や情けなさでおなかも空かない。眠くもならない。
そんなときにアーサベルスは部屋にやってきた。
「なんだ」
「みな、心配しております」
「そうか」
ふと、誰かに聞いてほしくなった。もう届けるべき人がいなくなった己の後悔を。
「全部、私のせいだったのだ……。
2人とも私がいなければ死なずにすんだのに。
……、もう大切な人を作りたくない」
涙をこぼしたくないと、唇をかみしめたのに。こらえきれなかった嗚咽とともにほほに伝うものを感じる。
「兄上……。
もう、これ以上無理をなさらなくていいのです。
義姉上は男の子を残してくださったのですから。
それでも、もし兄上が誰かを娶らねばならばくなったなら、誰であろうと僕が娶ります。
これ以上くるしまないで……」
自分は今幼い弟に何を言い、何を言わせた? ここまで来て、ようやくぼんやりとしていた意識がはっきりとしてきた。弱音を吐いた上に、涙まで流すとは……。
「す、すまない。
今の言葉は忘れてくれ。
産まれた子とウェルカ嬢はどうした」
「赤子はいま乳母が面倒を見ています。
ウェルカはまだ目覚めていないようです。
病み上がりだったのに、相当無理をしたようで……」
「相当な無理?」
聞いた内容にようやくアゼリアの「ありがとう」の意味が分かった。しばらく寝たきりの状態だったのにも関わらず駆けつけてからずっと治癒魔法を使っていたなんて……。それに仮死状態で産まれてきたあの子を救ったのもウェルカ嬢だと?
紛れもない命の恩人じゃないか。何もできなかった自分が情けない、どころの話じゃない。あの子にとって姉はとても大切な存在だったのに……。
「子に会いに行こう。
名前も付けてあげなくてはな。
……、ありがとう、もう大丈夫だ」
立ち止まっては行けない。前を向いて最善を考え続けなくては。犯した罪もすべて背負って、守るべきものをもう傷つけないですむように。失わないですむように。
息子が産まれたのだから、父上から王位を継ぐ日も近いのだ。たった2人の大切な人も守れなかった自分だけれど、今度は国に生きる人すべてを守らなければいけないのだ。
「約束」を忘れはしないから、どうか見守っていてくれ。
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これで前日譚は終了です。長らくお付き合いいただき、本当にありがとうございました!
少し休んでから、今度は本編を始めていきたいと思っています。別の作品として登録して書いていきますので、そちらの方も読んでいただけますと幸いです。
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みんなの感想(9件)
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