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に
しおりを挟む朝陽はTシャツにパンツ姿で寝ていた。いつも通り、自室のベッドで、だ。
ぐーすか寝ていたら、ガクンっという落下するような感覚で目を覚ました。疲れているとよく感じる、いつもの脳の錯覚かと思ったのに───
まさか本当に落下するなんて。
しかも、浴槽で寛ぐ男の上に。
獰猛な獣のような男だと思った。まさしく捕食者だ。
浴室で肌を暴かれ、寝台に放り投げられるなり脚を左右に大きく開かされ。男が口の中で何かを溶かし、粘りのある糊のような液体をべ、と手に吐き出したかと思えば、それを朝陽の排泄口に塗り始めた。やめてくれ、と。抵抗したいのに浴槽でイかされたせいか脱力感から思うように身体が動かない。
「あ!や、ん、ああっ」
太い指が出し入れされる度に、ゾクゾクとした刺激が這い上がってくる。こんなのは知らない。力が入らない。怖い。一体何を塗りこまれたのか。
「凄いな、あっという間に赤く熟れて美味そうだ」
後孔を凝視された挙句、感想まで言われ。羞恥心から、脚の間で好き勝手する男を睨み向ける。男はフン、と鼻で笑い、朝陽の陰茎をパクッと銜えた。
「ひ、あ!ん、ああああああああぁぁぁ」
甘噛みされ、吸われて。同時に指が無遠慮に抜き差しされて。足の先が痺れるように引き攣る。内腿が痙攣する。力の入らない指で男の髪へ縋った。
「もう、我慢できん」
解放された安堵も束の間、引き抜かれた指の代わりに凶器で身体を貫かれる。
「ぐ、うああ…ああああッ」
痛い、痛い、痛い。痛いのに、痛みだけではないなんて信じたくない。楔が動くだけで、壁の内側が喜び、震える。痛みを逃がそうと逸らした背中を抱き込まれ、曝した喉元に噛みつかれ。握り込んでいたシーツを手放し、男を引き離そうと手を伸ばした。その手を男の首の後ろに導かれ。貫かれたまま身体を持ち上げられると、そのまま男に抱きつかざるを得ない。
「んああッ」
「言葉すら忘れたか」
涙で濡れた頬を舐め回す様など、まさしく男は獣だ。───ああ、喰われたのだと。自覚して目を閉じる。揺さぶられる度に、声帯が震えて喘ぎが漏れることを恥じ入る隙もなく、早くこの拷問のような時間が終わって欲しいと願うばかり。
気を失い、目を覚ますと、再び男がのしかかってくる。腹が減ったと強請る猫のように、朝陽の顔を舐め、布を剥ぎ取り、朝陽の身体をまさぐる。
空腹を覚える暇もない。どのくらい時間が経ったのかわからぬまま、ただひたすら全身を貪られ、掠れた声で喘ぎ、閉じることを忘れた孔を捕食者に差し出す。
そのうち痛みなんて欠片も覚えなくなって、ただただ快楽で馬鹿になる自身に恐怖する。
「アサヒ、起きろ」
男の呼ぶ声に意識を浮上させ、朝陽は目を開けた。何故名前を、と考え、そう言えばと思い当たる。喘がされる過程で名前を聞かれ、うっかり答えたような………気もする。ついでに己の痴態をまざまざと蘇ってきて、火を吹きそうな程に顔が熱くなる。
「ほら、飲め」
差し出された木製のコップには、真緑色のドロドロとした液体が入っている。朝陽の知る青汁より酷い。躊躇していると「解熱鎮痛剤だ」と説明された。何故、自分にそれが必要なのか。きょとんとしていると、男が咳払いをした。
「その…、俺のが大きすぎて、しかも止まらなくてだな、だいぶ無茶をしたから…」
更に蘇ってきた激しく濃厚な行為に、身体中の、あらぬところの痛みまで思い出し、顔を顰めた。
「お前のせいかよ!」
「アサヒが魅力的過ぎて加減が出来なかったんだ!」
「俺のせいにすんな!!」
蜂蜜を入れたから飲みやすいはずだと諭され、しぶしぶ怪しい液体を口にした。
浄めに行くぞ、と抱き上げられる。お姫様抱っこかよ、などと反論する気も起きないほどに疲労していた。全部この男のせいなので任せることにする。どうせこの場に自分のことを知る者などいないのだ、開き直ってしまえばいい。
てっきり朝陽が現れた浴室に行くのかと思ったが、男の向かった先は外だった。お互い全裸なのに外に行くのかと動揺したが人気はない。木々に囲まれた空間に、石畳が続き、まるで掘りごたつのような、大きな真四角の凹みが現れ、そこに水が溜められている。露天風呂というより屋外プールみたいなものだろうか。
男は朝陽を抱えたまま、躊躇なく水に脚を踏み入れた。上から見るより中は意外と深く、男の胸元に水面が来る。故郷では小柄ではないはずの朝陽が底に足を下ろすと残念ながら肩下まで水面が来た。身長差が憎い。
「俺の名前はサザードだ、アサヒ」
何故このタイミングで名乗ったのか。疑問に思いつつ、唇を動かす。
「………サザード」
「そうだ。お前に惚れた、哀れな男の名だ」
「……………いや、哀れなのはお前じゃなくて俺だろ!!散々好き勝手してお…」
誤魔化すような口付けを、仕方ないなと受け入れた。
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