失礼ながら殿下……私の目の前に姿を現すな!!

星野日菜

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その十一

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……もう何なんだろうこれ。

散財っていうレベルじゃない。

床は大理石。そしてお風呂のくせに前世の部屋よりよっぽど大きい。

プールできちゃうよね? くらいの大きさ。

……ないだろうこれは。どっかのお金持ちがやってる道楽的なのだろこれ。



私の視線の先にあるのは口からお湯を吐き出す金色の獅子。つまり、マーライオン……

「ダサい。激しくダサい!」

耐えきれず大声を上げてしまう。

だがこれはない。あり得ない。そもそも入るのが恥ずかしい。

「はぁ……」

一つため息をつくが、今更だ。仕方がない。根本としてバルドの家に期待してはいけなかったのだ。

辺りを見回してからそっとドレスを脱ぎはじめた。

公爵令嬢というには質素な物であるのだろうそのドレスはワンピースタイプだったので一人でも脱ぐことができる。

『アメリア』もこうなることを予知したわけではあるまいが、この服装はありがたかった。




ドレスを脱ぐと、ついいつもの癖でシャワーを探す。

――――あるわけないか……

ここは前世の私『橘 友美』の家ではない。あくまで異世界。バルドの家なのである。

私の家なんかじゃ…ないんだ……




……ううん、暗くなってちゃダメ。

ブルーになっていた気持ちを晴らそうと桶でお湯をくみ、頭からかぶる。

「熱ッ!」

至極全うな話ではあるが、お湯はとても熱かった。



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