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その二十二
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「……俺の『アメリア』への想いは『愛』だったんです。彼女が幸せであることを第一に願う。
けれど『貴女』への想いは……きっと……『恋』なんです。貴女のことは貴女の気持ちを無視してでも、手に入れたいと考えてしまうんです」
「『愛』と『恋』……?」
「はい。俺は"貴女に"『恋』をした。貴女は俺のことを嫌っているんでしょう? それでも俺を傷つけまいとしていた。
……貴女は本当に、優しい方です」
それならば……私の想いは? 『恋』? それとも『愛』?
出会って一日も経っていないのに『恋』などするのだろうか? 私の想いは切実なのだろうか……
"嫌い"から"好き"に一日で変わってしまったこの想い。信じてしまって、よいのだろうか。
「……答えは急ぎません。貴女の心が決まるまで。俺はいくらでも待ちます」
「でも……」
私なんかよりいい人がきっといる。是かどうかもわからない私の返事なんか……
「……知っていますか? 星の光は俺たちの元に届くまで、何千、何万年もかかるそうですよ。
俺の想いだってそんなに早く届くなんて考えていません。
この想いも貴女の元にいつかは届く。俺はそう信じているんです。ですから、ね」
気恥ずかしくなって悪いとは思いつつそっぽをむいてしまったが、やっとのことで一言だけ言葉を紡ぐことができた。
「……明日、家……来たら? その……私がこっちに来ても……いいけど……」
「貴女を煩わせるわけにはいきません。貴女の住む屋敷にお邪魔させていただきます」
「うん……」
シャッとカーテンを開ける音が聞こえる。どうやら朝日が昇りはじめたようだ。
「じゃあ、帰るから」
「朝食は食べていかないんですか?」
「もともと零時には帰る予定だったの」
「……残念です」
心底思っているようにうつむく。
「しっかりドレスとか着て出迎えなきゃダメでしょ」
今度はぱあっと音がしそうなくらい嬉々とした笑み。
「だから帰る」
「では一時間後に……」
「早い!」
着替えてたらどうするんだ。
「貴女の着替えを手伝っても……」
「いらない! やっぱ来ないでよ!?」
見直したとか好きだとか一瞬でも思った私が悲しい。
この王子は変態だ。ドがつく変態だ。
けれど『貴女』への想いは……きっと……『恋』なんです。貴女のことは貴女の気持ちを無視してでも、手に入れたいと考えてしまうんです」
「『愛』と『恋』……?」
「はい。俺は"貴女に"『恋』をした。貴女は俺のことを嫌っているんでしょう? それでも俺を傷つけまいとしていた。
……貴女は本当に、優しい方です」
それならば……私の想いは? 『恋』? それとも『愛』?
出会って一日も経っていないのに『恋』などするのだろうか? 私の想いは切実なのだろうか……
"嫌い"から"好き"に一日で変わってしまったこの想い。信じてしまって、よいのだろうか。
「……答えは急ぎません。貴女の心が決まるまで。俺はいくらでも待ちます」
「でも……」
私なんかよりいい人がきっといる。是かどうかもわからない私の返事なんか……
「……知っていますか? 星の光は俺たちの元に届くまで、何千、何万年もかかるそうですよ。
俺の想いだってそんなに早く届くなんて考えていません。
この想いも貴女の元にいつかは届く。俺はそう信じているんです。ですから、ね」
気恥ずかしくなって悪いとは思いつつそっぽをむいてしまったが、やっとのことで一言だけ言葉を紡ぐことができた。
「……明日、家……来たら? その……私がこっちに来ても……いいけど……」
「貴女を煩わせるわけにはいきません。貴女の住む屋敷にお邪魔させていただきます」
「うん……」
シャッとカーテンを開ける音が聞こえる。どうやら朝日が昇りはじめたようだ。
「じゃあ、帰るから」
「朝食は食べていかないんですか?」
「もともと零時には帰る予定だったの」
「……残念です」
心底思っているようにうつむく。
「しっかりドレスとか着て出迎えなきゃダメでしょ」
今度はぱあっと音がしそうなくらい嬉々とした笑み。
「だから帰る」
「では一時間後に……」
「早い!」
着替えてたらどうするんだ。
「貴女の着替えを手伝っても……」
「いらない! やっぱ来ないでよ!?」
見直したとか好きだとか一瞬でも思った私が悲しい。
この王子は変態だ。ドがつく変態だ。
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