底辺動画主、配信を切り忘れてスライムを育成していたらバズった

椎名 富比路

文字の大きさ
30 / 71
第四章 配信上位勢の仲間入り!?

第30話 二次職にジョブチェンジ

しおりを挟む
 自分の毒ブレスを反撃され、大蛇が呆気にとられた。

「今だ!」

 ボクは風のエンチャントを施したまま、大蛇の首をはねる。
 大蛇の肉体が崩壊し、アイテムだけを落とした。

「ふう! ひい! 危なかったぁ」

 着地した途端、ボクの足から力が抜ける。

「なにをしているんですか、ツヨシさん! あんな危ないマネを!」

 ヒヨリさんが、ボクを叱った。

「でもこうでもしなければ、みんな毒にやられていたし」

 そう。物理攻撃に対してしか、【ジャストガード】はまともに発動しない。普通は。

 しかし、ここで逃げたら、みんなにブレスがかかってしまうんだ。

「わたしたちは、ヒーラーです。多少の毒は、自力で治療できます。ツヨシさんだって、直せますよ。それなのに、わたしたちをかばってムチャを!」

 ムチャだなんて、思っていなかった。

「ボクは、ワラビを信用したまでさ」

 エンチャントが必ず敵の特殊攻撃を弾くって信じていただけ。

「どこまで、絆で結ばれているんですか。まったく」

 ヒヨリさんが、ため息をつく。

「ですが、マスターツヨシ。今回の攻撃はワタシの関与は低いと思われます」

「そうなの?」

「はい。ミスリルのブロードソードだったから、あの攻撃を跳ね返せたと、ワタシは分析します」

 並の武器でマネをしたら、毒ブレスがエンチャントをすり抜けていたのか。そう考えると、ゾッとするね。

「ほらあ! やっぱりムチャじゃないですか!」

「あはは」

 これは、反省すべき点だな。 
 

 
「ムチャはいけません。ツヨシさん」

「はい。心得ます」

 受付の石田さんにも、ボクは大目玉を食らう。

「このダンジョン攻略は、配信されています。変な行動をすると、マネしちゃうんですよ」

「そうですね。ごめんなさい」

 たしかにヒヨリさんも、「ボクをマネしてテイマーになった」って言っていたっけ。

 底辺配信者だった頃なら、ボクが何をしたって誰にも影響がないと思っていた。今は違う。軽率な行動を取れば、周りに迷惑がかかるんだ。 

「ですが、ツヨシさん。あなたのムチャがデフォルトで発動できる、いい作戦があります」

「と、申しますと?」

「転職です。四層からは、上位二次職が解禁されるので」

 よく考えたら、ボクは初期に選んだ【ソードマン】のままだったっけ。そこで、サブ職に【テイマー】を選んだだけだった。

 コルタナさんは【バトルメイジ】を得た。魔法だけではなく、格闘もこなす。

 センディさんは、【ソードマスター】という【サムライ】の上位職に。

 ふたりとも、もう四層へ行く準備ができていた。

 メイヴィス姫は、既に四層に到達している。【プリンセス】というジョブは、四層に到達した証なのだ。

「それでも、かなりの鍛錬が必要だったのよ」

 当時の苦労話を、メイヴィス姫が語る。

「ツヨシさんの実力ですと、【バトルメイジ】か、【ルーンナイト】ですね」

 バトルメイジは、格闘もこなす魔法使いだ。【魔法拳】という徒手空拳が使え、前衛もこなせる。が、防御は心もとない。また、重い装備に制約がかかるという。

 対してルーンナイトは、戦士の筋力を損なわず、魔法を使える。【魔法剣】というエンチャント攻撃が、デフォルトで扱える職業だ。 

 ミスリルの剣を扱いたいから、ルーンナイトかな。バトルメイジは、装備面が薄い。上級者向けかなと。

 ボクはただの【ソードマン】から、【ルーンナイト】の転職を試みる。

「では、この赤い宝石をスタンプしますね」

 赤い宝石でできたスタンプを、石田さんがボクの手の甲に押す。これでボクの体内にいるナノマシンがより活性化し、ルーンナイトの肉体に最適化されるという。

「ワラビはどうすれば?」

「ご心配なく。ナノマシンの影響、特にシンクロ率などは、ワラビちゃんに通信で伝わっていますよ」

 ボクの強化に共鳴して、ワラビも強くなるそうだ。これは、驚きのテクノロジーである。

「ヒヨリさんですと、【ハーバリスト】と【テイマー】ですから、【シャーマン】などがオススメです」

「シャーマンですか」

 自然を味方につける、上位職だという。こちらも、テイムの能力も損なわない。それどころか、モンスターに魔力付与を施して強化するスタイルだという。

「これは、ピオンも強くなる職業ですね。これにします」

 ヒヨリさんもスタンプを押してもらい、シャーマンに転職した。つまり、ピオンも強化されるわけである。

「ピオン、どうかな?」

 ヒヨリさんが、ピオンに話しかけた。

『うひょー。わがはい、いいかんじー』

 なんと、ピオンが言葉を話す。まだカタコトだが、変な個性がついた話し方である。

「ピオン、かわいくなったねぇ」

「はい。愛着が湧きました。

 ピオンが話せるようになって、ヒヨリさんもうれしそう。

『かわいさ、みずましー』

 ちょっとこの子は、言葉を間違えているけど。

「では、四層のあるダンジョンへの出入りを許可します」

「そのダンジョンは、どこにあるんです?」

 これまでボクたちが挑んだ三つのダンジョンは、三層が上限だ。最難関の遺跡でも、三層までしかない。

「廃棄された、アミューズメントパークです」

 そこは、いきなり四層からスタートだという。
 
(第三章 完)
しおりを挟む
感想 12

あなたにおすすめの小説

世界最強の賢者、勇者パーティーを追放される~いまさら帰ってこいと言われてももう遅い俺は拾ってくれた最強のお姫様と幸せに過ごす~

aoi
ファンタジー
「なぁ、マギそろそろこのパーティーを抜けてくれないか?」 勇者パーティーに勤めて数年、いきなりパーティーを戦闘ができずに女に守られてばかりだからと追放された賢者マギ。王都で新しい仕事を探すにも勇者パーティーが邪魔をして見つからない。そんな時、とある国のお姫様がマギに声をかけてきて......? お姫様の為に全力を尽くす賢者マギが無双する!?

クラス転移して授かった外れスキルの『無能』が理由で召喚国から奈落ダンジョンへ追放されたが、実は無能は最強のチートスキルでした

コレゼン
ファンタジー
小日向 悠(コヒナタ ユウ)は、クラスメイトと一緒に異世界召喚に巻き込まれる。 クラスメイトの幾人かは勇者に剣聖、賢者に聖女というレアスキルを授かるが一方、ユウが授かったのはなんと外れスキルの無能だった。 召喚国の責任者の女性は、役立たずで戦力外のユウを奈落というダンジョンへゴミとして廃棄処分すると告げる。 理不尽に奈落へと追放したクラスメイトと召喚者たちに対して、ユウは復讐を誓う。 ユウは奈落で無能というスキルが実は『すべてを無にする』、最強のチートスキルだということを知り、奈落の規格外の魔物たちを無能によって倒し、規格外の強さを身につけていく。 これは、理不尽に追放された青年が最強のチートスキルを手に入れて、復讐を果たし、世界と己を救う物語である。

詠唱? それ、気合を入れるためのおまじないですよね? ~勘違い貴族の規格外魔法譚~

Gaku
ファンタジー
「次の人生は、自由に走り回れる丈夫な体が欲しい」 病室で短い生涯を終えた僕、ガクの切実な願いは、神様のちょっとした(?)サービスで、とんでもなく盛大な形で叶えられた。 気がつけば、そこは剣と魔法が息づく異世界。貴族の三男として、念願の健康な体と、ついでに規格外の魔力を手に入れていた! これでようやく、平和で自堕落なスローライフが送れる――はずだった。 だが、僕には一つ、致命的な欠点があった。それは、この世界の魔法に関する常識が、綺麗さっぱりゼロだったこと。 皆が必死に唱える「詠唱」を、僕は「気合を入れるためのおまじない」だと勘違い。僕の魔法理論は、いつだって「体内のエネルギーを、ぐわーっと集めて、どーん!」。 その結果、 うっかり放った火の玉で、屋敷の壁に風穴を開けてしまう。 慌てて土魔法で修復すれば、なぜか元の壁より遥かに豪華絢爛な『匠の壁』が爆誕し、屋敷の新たな観光名所に。 「友達が欲しいな」と軽い気持ちで召喚魔法を使えば、天変地異の末に伝説の魔獣フェンリル(ただし、手のひらサイズの超絶可愛い子犬)を呼び出してしまう始末。 僕はただ、健康な体でのんびり暮らしたいだけなのに! 行く先々で無自覚に「やりすぎ」てしまい、気づけば周囲からは「無詠唱の暴君」「歩く災害」など、実に不名誉なあだ名で呼ばれるようになっていた……。 そんな僕が、ついに魔法学園へ入学! 当然のように入学試験では的を“消滅”させて試験官を絶句させ、「関わってはいけないヤバい奴」として輝かしい孤立生活をスタート! しかし、そんな規格外な僕に興味を持つ、二人の変わり者が現れた。 魔法の真理を探求する理論オタクの「レオ」と、強者との戦いを求める猪突猛進な武闘派女子の「アンナ」。 この二人との出会いが、モノクロだった僕の世界を、一気に鮮やかな色に変えていく――! 勘違いと無自覚チートで、知らず知らずのうちに世界を震撼させる! 腹筋崩壊のドタバタコメディを軸に、個性的な仲間たちとの友情、そして、世界の謎に迫る大冒険が、今、始まる!

スキル【収納】が実は無限チートだった件 ~追放されたけど、俺だけのダンジョンで伝説のアイテムを作りまくります~

みぃた
ファンタジー
地味なスキル**【収納】**しか持たないと馬鹿にされ、勇者パーティーを追放された主人公。しかし、その【収納】スキルは、ただのアイテム保管庫ではなかった! 無限にアイテムを保管できるだけでなく、内部の時間操作、さらには指定した素材から自動でアイテムを生成する機能まで備わった、規格外の無限チートスキルだったのだ。 追放された主人公は、このチートスキルを駆使し、収納空間の中に自分だけの理想のダンジョンを創造。そこで伝説級のアイテムを量産し、いずれ世界を驚かせる存在となる。そして、かつて自分を蔑み、追放した者たちへの爽快なざまぁが始まる。

お荷物認定を受けてSSS級PTを追放されました。でも実は俺がいたからSSS級になれていたようです。

幌須 慶治
ファンタジー
S級冒険者PT『疾風の英雄』 電光石火の攻撃で凶悪なモンスターを次々討伐して瞬く間に最上級ランクまで上がった冒険者の夢を体現するPTである。 龍狩りの一閃ゲラートを筆頭に極炎のバーバラ、岩盤砕きガイル、地竜射抜くローラの4人の圧倒的な火力を以って凶悪モンスターを次々と打ち倒していく姿は冒険者どころか庶民の憧れを一身に集めていた。 そんな中で俺、ロイドはただの盾持ち兼荷物運びとして見られている。 盾持ちなのだからと他の4人が動く前に現地で相手の注意を引き、模擬戦の時は2対1での攻撃を受ける。 当然地味な役割なのだから居ても居なくても気にも留められずに居ないものとして扱われる。 今日もそうして地竜を討伐して、俺は1人後処理をしてからギルドに戻る。 ようやく帰り着いた頃には日も沈み酒場で祝杯を挙げる仲間たちに報酬を私に近づいた時にそれは起こる。 ニヤついた目をしたゲラートが言い放つ 「ロイド、お前役にたたなすぎるからクビな!」 全員の目と口が弧を描いたのが見えた。 一応毎日更新目指して、15話位で終わる予定です。 作品紹介に出てる人物、主人公以外重要じゃないのはご愛嬌() 15話で終わる気がしないので終わるまで延長します、脱線多くてごめんなさい 2020/7/26

外れスキル?だが最強だ ~不人気な土属性でも地球の知識で無双する~

海道一人
ファンタジー
俺は地球という異世界に転移し、六年後に元の世界へと戻ってきた。 地球は魔法が使えないかわりに科学という知識が発展していた。 俺が元の世界に戻ってきた時に身につけた特殊スキルはよりにもよって一番不人気の土属性だった。 だけど悔しくはない。 何故なら地球にいた六年間の間に身につけた知識がある。 そしてあらゆる物質を操れる土属性こそが最強だと知っているからだ。 ひょんなことから小さな村を襲ってきた山賊を土属性の力と地球の知識で討伐した俺はフィルド王国の調査隊長をしているアマーリアという女騎士と知り合うことになった。 アマーリアの協力もあってフィルド王国の首都ゴルドで暮らせるようになった俺は王国の陰で蠢く陰謀に巻き込まれていく。 フィルド王国を守るための俺の戦いが始まろうとしていた。 ※この小説は小説家になろうとカクヨムにも投稿しています

独身貴族の異世界転生~ゲームの能力を引き継いで俺TUEEEチート生活

髙龍
ファンタジー
MMORPGで念願のアイテムを入手した次の瞬間大量の水に押し流され無念の中生涯を終えてしまう。 しかし神は彼を見捨てていなかった。 そんなにゲームが好きならと手にしたステータスとアイテムを持ったままゲームに似た世界に転生させてやろうと。 これは俺TUEEEしながら異世界に新しい風を巻き起こす一人の男の物語。

異世界あるある 転生物語  たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?

よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する! 土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。 自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。 『あ、やべ!』 そして・・・・ 【あれ?ここは何処だ?】 気が付けば真っ白な世界。 気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ? ・・・・ ・・・ ・・ ・ 【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】 こうして剛史は新た生を異世界で受けた。 そして何も思い出す事なく10歳に。 そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。 スキルによって一生が決まるからだ。 最低1、最高でも10。平均すると概ね5。 そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。 しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。 そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。 追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。 だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。 『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』 不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。 そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。 その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。 前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。 但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。 転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。 これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな? 何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが? 俺は農家の4男だぞ?

処理中です...