転生特撮ヲタ、異世界でダークエルフの霊にそそのかされてパワードスーツの開発をして、世界を救うことに。俺は特撮フィギュアが作りたいだけなのに。

椎名 富比路

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第二章 猛将と、闇の博士

第15話 空中戦

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 オレが空中戦をリクエストすると、案の定ウェザーズがニヤリとする。

「吾輩のホームグラウンドで挑もうとは。後悔しても知らんぞ」
「いいから上がってこい」
「よかろう!」

 神通力か、ウェザーズは羽根もなしにふわりと浮き上がった。

 コイツの強さは、わからない。上に攻撃させておけば、街に被害も及ぶまいと見越して挑発してみただけだ。

 できるだけ、被害が出ない方角へ誘導せねば。

 ウェザーズも、オレをおいかけてくる。

「お?」

 いい場所を発見した。王都を攻める集団だろうか。ここらでやろう。

「なんと吾輩の軍勢を盾にするとは、なかなかの者よ。だが、そんなことで吾輩が手を抜くと思ったか!」

 ウェザーズが、剣をブンと振り上げた。

 風圧……じゃない。衝撃刃だ。

「うおっと!」

 オレは、波動を下へ逃がす。

 ウェザーズの軍勢が、こちらに気づいた。一目散に逃げ出す。

 しかし、間に合わない部隊が衝撃波に巻き込まれていた。

「見たか! 吾輩は、配下の命など惜しくない!」
「吾輩の力を持ってすれば、王都などたやすく制圧できよう。部下も、吾輩にとってはアリの扱いに等しい!」

 配下の大半がやられたというのに、ウェザーズは気にしていない。むしろ誇らしげだ。

「こいつ、バカだね」

 ニョンゴの一言が、ウェザーズの性格を物語っている。

 あのまま街で戦闘をしたほうが、オレが手加減できたものを。

「ああ。だが、助かった」

 悪知恵の働くやつだったら、危なかっただろう。

「だが、この炎裂エンレツを受け流したことは褒めてやろう! 次は、接近戦とまいろう!」

 相手が斬りかかってきた。

 オレも、刀で迎え撃つ。

「モモチ、剣にアーマーのパワーを送り込むんだ」
「こうか?」

 オレは、刀の背に手の甲を滑らせる。

「おっ? 光った」
「それで、強度が三倍にアップした。これなら、やつの剣戟にも耐えられるはずだよ。ただし、質量がダンチだからまともに切り合うなよ!」
「わかった!」

 鉄塊と、光の刃が交差した。

「大振りな相手には、小刻みに攻撃するのがセオリーってね!」

 連続攻撃で、ウェザーズのスキを狙う。

 だが、ウェザーズはまったく油断しない。こちらの連撃に軽々と追いつく。

 あんな剣を片手で操るってのも相当なのに、小回りがきくとは。チートかよ。

「クソ!」

 剣での勝負がダメなら、飛び道具だ。手から光弾を放つ。

 ウェザーズも、手から火球を出して応戦してきた。

「装備的には互角かも?」
「こっちには小型ミサイルが……つっても、通じなさそうだ」

 光弾が撃ち落とされるなら、ミサイルも同じだろう。

「それにしても、パワハラ上司そのものだな」

 爆風で何匹もの部下がやられているのに、ウェザーズはまったく意に介さなかった。部下のヤツラが気の毒になるほど。

「すばらしい。過去にこれほどの相手に恵まれたことはなかった!」
「へえ。魔王ってのは、あんたより弱いと?」
「実に頭でっかちな存在だったよ」
「だった、か。死んだのか?」
「左様」

 死因は老衰らしい。「戦で死ねぬとは情けない」と、明らかにウェザーズは魔王を侮辱していた。

「武力こそ正義だというのに、策略などで世界を変えようとしておった。人との共存まで説きおって。その息子ジェランもそうだ。だから、吾輩が力の素晴らしさを教えてやるのだよ!」

 勢力争いってか? それで派手に動いているんだな?

「争いの中でこそ、生を実感できるのだ! なにが平和だ! 血と修羅、破壊こそ、吾輩が求める世界!」

 ウェザーズが、魔法を連発してくる。山や海を、ことごとく破壊して回った。世界の地形が変わることも、お構いなしに。

「実質、コイツがラスボスと思っていいみたいだな?」
「かもね! ある意味魔王らしい性格をしているよ!」
「だったら、遠慮はいらねえな!」

 オレは、今までセーブしていた能力を、全開放する。
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