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第74話
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一人で電車に揺られ、帰る道のり。
前までこれが当たり前の日常だった。
仕事をして残業して、理不尽に耐えて、波風立てず目の前にあることをこなす。
そして空っぽな心と気怠い体を引きずって歩く。
一人で暮らす、一人で過ごす。
気楽だけど少し寂しくて、世の中に置いて行かれているようで。
電車の窓の外の住宅街の夜景を眺めていると、スマホにメッセージがきた。
『七海さん、今日は迷惑かけてすみませんでした。気をつけて帰ってください』
──勇凛くん
君に出会わなければ、今ごろ私はどうしていただろう。
結局不満を溜め込みながらあの会社を続けていたかな。
転職して、その先で別の人生があったかな。
君に出会って何もかも変わったよ。
忘れていた大切な気持ちをたくさんくれた。
人を愛することを知ることができた。
守りたいと本気で思える。
突きつけられた現実に挫けそうになったけど、出会ったことに後悔なんて一度もしたことがない。
むしろ出会えてよかったよ。
入院したあの日
『七海さんとなら、うまくやっていけると思うんです。これからずっと』
って言ってくれた。
あの時は全く想像もできなかった。
でも、今ならはっきりと言える。
勇凛くんとなら何があっても私はずっと一緒に歩んでいける。
どんなに大変でも頑張れる。
君は私と恋がしたいと言った。
私も君に恋をした。
その気持ちは絆になって、愛になって、私は君に永遠を誓える。
年下でも頼りなくても、誰がなんと言おうと、私は君のことが世界で一番大切だよ。
私はそのあと、実家の母にメッセージを送った。
『約束通り、土曜日に連れて行くね』
そして電車から駅のホームに降りた。
***
家に着いて勇凛くんにメッセージを送る。
『家に着いたよ~』
するとすぐに
『お帰りなさい』
と返ってきた。
そして、念のために森川さんにメッセージ。
『どうですか……?』
やや情緒不安定な勇哉さんを丸投げしていたから気になっていた。
すると着信が。
「お疲れ様です!大丈夫ですか?」
『うん。なんかあの人、マリッジブルー?みたいな感じだな』
「え……なんか全くその言葉と勇哉さんが結びつかないんですけど」
意外すぎる。
『川崎さんと勇凛くんの事見て、羨ましいって言ってたし、たぶん色々あの人なりに悩んでるんだと思う』
「そうなんですね……」
『まあ、そんな感じだから、川崎さんはいつも通りで』
「あ、はい。教えて頂きありがとうございます」
『……勇凛くん。真っ直ぐで真面目な子だな』
「はい。勇凛くんはそういう人なんです」
『二人には幸せになってほしいよ』
「え……?」
『じゃあおやすみ』
電話は切られてしまった。
──森川さん
私もあなたに幸せになってほしい。
勇哉さんには迷惑しかかけられてないけど、あの人にだって幸せにはなってほしい。
私の今後のためにも……。
そして私は、勇凛くんから前もらった、勇凛くんの高校時代の弓道着姿の画像を見ながらその日を終えた。
これも私の宝物。
前までこれが当たり前の日常だった。
仕事をして残業して、理不尽に耐えて、波風立てず目の前にあることをこなす。
そして空っぽな心と気怠い体を引きずって歩く。
一人で暮らす、一人で過ごす。
気楽だけど少し寂しくて、世の中に置いて行かれているようで。
電車の窓の外の住宅街の夜景を眺めていると、スマホにメッセージがきた。
『七海さん、今日は迷惑かけてすみませんでした。気をつけて帰ってください』
──勇凛くん
君に出会わなければ、今ごろ私はどうしていただろう。
結局不満を溜め込みながらあの会社を続けていたかな。
転職して、その先で別の人生があったかな。
君に出会って何もかも変わったよ。
忘れていた大切な気持ちをたくさんくれた。
人を愛することを知ることができた。
守りたいと本気で思える。
突きつけられた現実に挫けそうになったけど、出会ったことに後悔なんて一度もしたことがない。
むしろ出会えてよかったよ。
入院したあの日
『七海さんとなら、うまくやっていけると思うんです。これからずっと』
って言ってくれた。
あの時は全く想像もできなかった。
でも、今ならはっきりと言える。
勇凛くんとなら何があっても私はずっと一緒に歩んでいける。
どんなに大変でも頑張れる。
君は私と恋がしたいと言った。
私も君に恋をした。
その気持ちは絆になって、愛になって、私は君に永遠を誓える。
年下でも頼りなくても、誰がなんと言おうと、私は君のことが世界で一番大切だよ。
私はそのあと、実家の母にメッセージを送った。
『約束通り、土曜日に連れて行くね』
そして電車から駅のホームに降りた。
***
家に着いて勇凛くんにメッセージを送る。
『家に着いたよ~』
するとすぐに
『お帰りなさい』
と返ってきた。
そして、念のために森川さんにメッセージ。
『どうですか……?』
やや情緒不安定な勇哉さんを丸投げしていたから気になっていた。
すると着信が。
「お疲れ様です!大丈夫ですか?」
『うん。なんかあの人、マリッジブルー?みたいな感じだな』
「え……なんか全くその言葉と勇哉さんが結びつかないんですけど」
意外すぎる。
『川崎さんと勇凛くんの事見て、羨ましいって言ってたし、たぶん色々あの人なりに悩んでるんだと思う』
「そうなんですね……」
『まあ、そんな感じだから、川崎さんはいつも通りで』
「あ、はい。教えて頂きありがとうございます」
『……勇凛くん。真っ直ぐで真面目な子だな』
「はい。勇凛くんはそういう人なんです」
『二人には幸せになってほしいよ』
「え……?」
『じゃあおやすみ』
電話は切られてしまった。
──森川さん
私もあなたに幸せになってほしい。
勇哉さんには迷惑しかかけられてないけど、あの人にだって幸せにはなってほしい。
私の今後のためにも……。
そして私は、勇凛くんから前もらった、勇凛くんの高校時代の弓道着姿の画像を見ながらその日を終えた。
これも私の宝物。
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