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第45話 指輪
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やっと借金の返済が終わって、いつも河内さんに言っていた
『借金を返したい』
それを言う必要がなくなった。
私は借金を抱えた残念なOLじゃなく、普通のOLになることができた。
やっとこの人と対等な関係になれた。
それが心から嬉しかった。
ここからがスタートと思ってすぐ、結婚というパスをすかさず河内さんは渡し、私はそのままそれを受け止めた。
もしかして予想してた?
「河内さん、わかってたんですか?」
フッと上から目線で微笑んでいる。
「ここにはるばる二人で来るということは、そういうことかと思っていた。そして、それが当たった場合はすぐに結婚のことを言うつもりでいた」
流石隙がない。
結婚か……。
自分で返事をして実感が湧かない。
「よし、あそこに行こう」
河内さんはまた車を発進して次の目的地に向かった。
そこは……高級ジュエリーショップ。
こんなところ、ただ雑誌で見るレベルの場所だった。
なんの迷いもなく入った河内さんに店員がついた。
キラキラしたシャンデリアに高級な内装、高いジュエリー、圧巻だった。
そして、応対室でカタログを見せられた。
「優美はどれがいい?」
ぼーっとカタログの指輪の値段を見ていた私に、河内さんが質問してきた。
「え!えーと……」
そんな、こんなお金……もったいない!!
その時、手をそっと握られた。
「余計なことを考えないで、好きだと思うデザインをただ言えばいい」
私はカタログを見渡して、ピンクの宝石がついた可愛い指輪を選んだ。
「じゃあこれだな」
その後、指輪のサイズを確認して、それを河内さんが注文した。
「ちょっと待ってて」
その後、河内さんは店員とまた話していた。
* * *
家に帰った後、河内さんに抱きしめられた。
「長かった……」
「はい、待たせてごめんなさい」
その幸せを二人でずっと感じていた。
「あ、これつけておいて」
河内さんから渡されたのは、指輪だった。
「え……?」
「婚約指輪が届くまでこれをつけておけ」
指輪を注文したのに、指輪をまた買ってた河内さん。
婚約指輪の前に渡される指輪って何なの!?
プレ婚約指輪??
私はその指輪をはめられた。
「これで余計な虫がつかないな」
河内さんは捕まえた獲物を逃すまいと必死な獣に見える。
独占欲と執着と重い愛……
息苦しい時もあるけど、私はこの人といると幸せなんだ。
「うちの両親は特に何も言いませんが、河内さんのご家族は、認めてくれませんよね……」
「認めなくてもいい。俺が認めてるんだ」
そうだ、私たちの関係が認められなくても、この人が認めればそれでいいんだ。
これは私たちの人生なんだ。
私の不安は自信に変わった。
『借金を返したい』
それを言う必要がなくなった。
私は借金を抱えた残念なOLじゃなく、普通のOLになることができた。
やっとこの人と対等な関係になれた。
それが心から嬉しかった。
ここからがスタートと思ってすぐ、結婚というパスをすかさず河内さんは渡し、私はそのままそれを受け止めた。
もしかして予想してた?
「河内さん、わかってたんですか?」
フッと上から目線で微笑んでいる。
「ここにはるばる二人で来るということは、そういうことかと思っていた。そして、それが当たった場合はすぐに結婚のことを言うつもりでいた」
流石隙がない。
結婚か……。
自分で返事をして実感が湧かない。
「よし、あそこに行こう」
河内さんはまた車を発進して次の目的地に向かった。
そこは……高級ジュエリーショップ。
こんなところ、ただ雑誌で見るレベルの場所だった。
なんの迷いもなく入った河内さんに店員がついた。
キラキラしたシャンデリアに高級な内装、高いジュエリー、圧巻だった。
そして、応対室でカタログを見せられた。
「優美はどれがいい?」
ぼーっとカタログの指輪の値段を見ていた私に、河内さんが質問してきた。
「え!えーと……」
そんな、こんなお金……もったいない!!
その時、手をそっと握られた。
「余計なことを考えないで、好きだと思うデザインをただ言えばいい」
私はカタログを見渡して、ピンクの宝石がついた可愛い指輪を選んだ。
「じゃあこれだな」
その後、指輪のサイズを確認して、それを河内さんが注文した。
「ちょっと待ってて」
その後、河内さんは店員とまた話していた。
* * *
家に帰った後、河内さんに抱きしめられた。
「長かった……」
「はい、待たせてごめんなさい」
その幸せを二人でずっと感じていた。
「あ、これつけておいて」
河内さんから渡されたのは、指輪だった。
「え……?」
「婚約指輪が届くまでこれをつけておけ」
指輪を注文したのに、指輪をまた買ってた河内さん。
婚約指輪の前に渡される指輪って何なの!?
プレ婚約指輪??
私はその指輪をはめられた。
「これで余計な虫がつかないな」
河内さんは捕まえた獲物を逃すまいと必死な獣に見える。
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息苦しい時もあるけど、私はこの人といると幸せなんだ。
「うちの両親は特に何も言いませんが、河内さんのご家族は、認めてくれませんよね……」
「認めなくてもいい。俺が認めてるんだ」
そうだ、私たちの関係が認められなくても、この人が認めればそれでいいんだ。
これは私たちの人生なんだ。
私の不安は自信に変わった。
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