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4篇目タイトル【蘇生の回廊】
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「来たぞ!」
行雄に言われるまでもなく、何かが廊下を駆ける音がものすごい速度で近づいてくるのがわかった。
部屋の前まで来たと感じた瞬間には、怪物の爪が扉を突き破った音がする。
「グッ!」
「押さえろぉ!」
扉をベッドごと押し開けようとしてこちらも必死で抵抗した。ドアノブを回すといった行為をしていないにも関わらず、吹き飛ばされそうになっているのだから恐ろしい。
心構えができていなかったらもっとベソをかいていたかもしれない。
「ヤバい!」
その叫び声が本当に叫び声だったのか、それとも扉が破壊された音だったのか、わからない内に獣の手がベッドの脇まで滑り込んできた。
「ヒッ!」
「キャァ!」
真吾が驚いてしまい、ややバリケードを抑える力が弱まってしまう。
「おいっ! くそっ!」
ズルリとベッドが動いたところで、どうしようもなくなり行雄は持っていた短剣を獣の腕に突き刺した。
「ぎゃうぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」
どれほど聞いたかわからないが、扉の向こうに引っ込むほどにはダメージはあったようだ。攻撃が弱まったところでまたベッドを抑え直して事なきを得た。
体力よりも先に精神が擦り切れそうだ。
「はぁ、はぁ……」
「まだ来るぞ。備えとけ」
行雄が言うも、短剣はもう獣に奪われてしまってどうするというのだろう。自力でどうにかするしかなかった。
「早くぅ。早くぅ!」
そして、恵理は淳平たちが早く儀式を止めてくれるよう祈る。
一方で淳平たちが何をしているのかと言えば。
「二回目……」
「そうみたいですね」
「さっきよりはマシだけど……マシなの?」
さらに一周調査をしてみて、セベク像の元まで戻ってきていた。そして、その身にモスグリーンの鱗が並んでいるのを見てマズさを感じ取った。
行雄たちが回廊を後一周したのなら、その時こそ神が復活してしまう。それまでに儀式を止めなければならないというのに、見つけたものと言えば行雄たちの部屋にあった動かないレバーくらいのもの。
長々と見ていたい姿ではないためセベク像からは離れつつ考える。
「どうします?」
「どうするもこうするも。あっ!」
奈々が誰ともなく聞こうとして、なんとなくで淳平も答えてしまった。そんな瞬間、後ろの壁がスーッと静かに開き始めたではないか。
何が起こったのかわからないが、これはチャンスだと、何かが進展したのだと考える。
淳平は思わず壁側に向かって行きそうになる。
「ダメです!」
「え……!? あ……そう、でしたね……」
行雄に言われるまでもなく、何かが廊下を駆ける音がものすごい速度で近づいてくるのがわかった。
部屋の前まで来たと感じた瞬間には、怪物の爪が扉を突き破った音がする。
「グッ!」
「押さえろぉ!」
扉をベッドごと押し開けようとしてこちらも必死で抵抗した。ドアノブを回すといった行為をしていないにも関わらず、吹き飛ばされそうになっているのだから恐ろしい。
心構えができていなかったらもっとベソをかいていたかもしれない。
「ヤバい!」
その叫び声が本当に叫び声だったのか、それとも扉が破壊された音だったのか、わからない内に獣の手がベッドの脇まで滑り込んできた。
「ヒッ!」
「キャァ!」
真吾が驚いてしまい、ややバリケードを抑える力が弱まってしまう。
「おいっ! くそっ!」
ズルリとベッドが動いたところで、どうしようもなくなり行雄は持っていた短剣を獣の腕に突き刺した。
「ぎゃうぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」
どれほど聞いたかわからないが、扉の向こうに引っ込むほどにはダメージはあったようだ。攻撃が弱まったところでまたベッドを抑え直して事なきを得た。
体力よりも先に精神が擦り切れそうだ。
「はぁ、はぁ……」
「まだ来るぞ。備えとけ」
行雄が言うも、短剣はもう獣に奪われてしまってどうするというのだろう。自力でどうにかするしかなかった。
「早くぅ。早くぅ!」
そして、恵理は淳平たちが早く儀式を止めてくれるよう祈る。
一方で淳平たちが何をしているのかと言えば。
「二回目……」
「そうみたいですね」
「さっきよりはマシだけど……マシなの?」
さらに一周調査をしてみて、セベク像の元まで戻ってきていた。そして、その身にモスグリーンの鱗が並んでいるのを見てマズさを感じ取った。
行雄たちが回廊を後一周したのなら、その時こそ神が復活してしまう。それまでに儀式を止めなければならないというのに、見つけたものと言えば行雄たちの部屋にあった動かないレバーくらいのもの。
長々と見ていたい姿ではないためセベク像からは離れつつ考える。
「どうします?」
「どうするもこうするも。あっ!」
奈々が誰ともなく聞こうとして、なんとなくで淳平も答えてしまった。そんな瞬間、後ろの壁がスーッと静かに開き始めたではないか。
何が起こったのかわからないが、これはチャンスだと、何かが進展したのだと考える。
淳平は思わず壁側に向かって行きそうになる。
「ダメです!」
「え……!? あ……そう、でしたね……」
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