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4篇目タイトル【蘇生の回廊】
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そんな彼を奈々は後ろから抱くように止めた。そこで反時計回りに角を曲がってはいけないというのを思い出す。
「あ、ごめんなさい! つい……」
「いえ、助かりました。こっちからは、行けないんでしたね。ハハハ」
無理な止め方をしたと思ったのか奈々は慌てて離れ、彼もビックリしたためか心臓が強く鼓動しているのがわかる。なんとか冷静さを取り戻そうとするが、なんとも言えない感情が芽生え初めていた。
そのような微笑ましい様子を気に入らない人物がいた。
「桑名君! 早く行きましょっ!」
「えぇっ? 千春さ、じゃなくて河内さん?」
なぜか千春が彼の腕をとって意気揚々と歩き出したのだ。引っ張られる中、ついつい下の名前で呼びそうになるも、なんとか取り繕うことに成功し事なきを得た。
「あ、別に名前の方で呼んでくれて良いですよぉ」
事なきは得ていなかった。
「えぇぇ……」
まさかこのような形で距離が縮まるとは思っておらず、彼は驚いて引きずられるままになる。もしかしたら、冷静だったとしても引っ張られたかもしれない。
「ちょ、ちょっと河内さん!」
奈々はやや怒った様子で言って後ろをついてくる。そして、なんだかんだで一周してきて壁にできた隠し扉までやってきた。
石造りの階段が地下へと続いている。うっすらと寒ささえ感じるも、三人はもっと別の何かに背筋を震わせる。
「何か、聞こえない?」
「風の音、でしょう……」
千春が聞き取ったものは何だっただろう。奈々が嫌な予感を否定するが、古書などから得た情報を加味すれば予想に難くない。
しかし、恐怖を押し殺してでも降りていかねばならなかった。
「行きましょう。向こうの三人が無事という保証もないですが」
どうして自らそんなことを言い出したのか、淳平自身にはよくわからなかった。真吾のことぐらいしか助ける理由はない。それでも覚悟を決められたのは、ひとえに千春や奈々の存在が大きいのだろう。
女性たちが怖気づく中、彼は慎重に第一歩を踏み出した。
「少し湿ってるみたいだけど、滑るほどじゃないね」
地下が冷えているおかげだろうか、水気はあっても歩きにくいということはない。淳平はややジメジメとした壁に手をつきながら進んだ。
「肝試しって言ってたので、一応ポケットライトを用意しておいてよかったよ」
「ありがとうございます」
千春が後ろから小さな光で足元を照らしてくれたので、足を踏み外したりせずに済んだ。
ゆっくり降りて1分くらいだろうか、階段の終わりにたどり着いたらしい。水気がどこからか染み出しているらしく
「あ、ごめんなさい! つい……」
「いえ、助かりました。こっちからは、行けないんでしたね。ハハハ」
無理な止め方をしたと思ったのか奈々は慌てて離れ、彼もビックリしたためか心臓が強く鼓動しているのがわかる。なんとか冷静さを取り戻そうとするが、なんとも言えない感情が芽生え初めていた。
そのような微笑ましい様子を気に入らない人物がいた。
「桑名君! 早く行きましょっ!」
「えぇっ? 千春さ、じゃなくて河内さん?」
なぜか千春が彼の腕をとって意気揚々と歩き出したのだ。引っ張られる中、ついつい下の名前で呼びそうになるも、なんとか取り繕うことに成功し事なきを得た。
「あ、別に名前の方で呼んでくれて良いですよぉ」
事なきは得ていなかった。
「えぇぇ……」
まさかこのような形で距離が縮まるとは思っておらず、彼は驚いて引きずられるままになる。もしかしたら、冷静だったとしても引っ張られたかもしれない。
「ちょ、ちょっと河内さん!」
奈々はやや怒った様子で言って後ろをついてくる。そして、なんだかんだで一周してきて壁にできた隠し扉までやってきた。
石造りの階段が地下へと続いている。うっすらと寒ささえ感じるも、三人はもっと別の何かに背筋を震わせる。
「何か、聞こえない?」
「風の音、でしょう……」
千春が聞き取ったものは何だっただろう。奈々が嫌な予感を否定するが、古書などから得た情報を加味すれば予想に難くない。
しかし、恐怖を押し殺してでも降りていかねばならなかった。
「行きましょう。向こうの三人が無事という保証もないですが」
どうして自らそんなことを言い出したのか、淳平自身にはよくわからなかった。真吾のことぐらいしか助ける理由はない。それでも覚悟を決められたのは、ひとえに千春や奈々の存在が大きいのだろう。
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「少し湿ってるみたいだけど、滑るほどじゃないね」
地下が冷えているおかげだろうか、水気はあっても歩きにくいということはない。淳平はややジメジメとした壁に手をつきながら進んだ。
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「ありがとうございます」
千春が後ろから小さな光で足元を照らしてくれたので、足を踏み外したりせずに済んだ。
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