錬金術師の召喚魔法 ゴーレム擬きで世界征服?

無似死可

文字の大きさ
51 / 270
 第5章 ソーロン帝国編

509.襲われた馬車

しおりを挟む
 私達は、ソーロン帝国の軍事都市リーベンへと向かっていた。目立たないようにと思い、乗合馬車に乗ったのが、裏目になってしまった。

 盗賊に、馬車が襲われてしまった。既に、盗賊に取り囲まれてしまい、頼みの警護要員の冒険者達は我先に逃げてしまった。

 御者と、商人たちは、馬車を降りて、荷物をあきらめた。軍人2人が素直に馬車を下りている。まだ、馬車の中には乗客が残っている。

 私達は、様子見で、最後まで、馬車に残るつもりだった。

 
 「早く、降りてこい」と言いながら、乗り込んで来た盗賊は、入り口に座っていた冒険者の一人に、剣で、切られてしまった。その冒険者は、一瞬で、2人の盗賊を倒して、また、椅子に座り直した。

 「おい、仲間が切られたぞ」

 外の盗賊たちは、想定外の出来事に、パニックになっている。その中の3人が、また、馬車の中に乗り込もうとしたが、先ほどと同様に、切られて倒された。

 「おい、迂闊に乗り込むな。お頭の指示を待て」

 「お頭、どうしましょうか」

 「あの方々にお任せしよう。すみませんが、お願いします」

 いつの間にか、遠方に居た5人のレベルの高い人達が、馬車の近くまで来ていた。

 「分かった。ジャール行ってこい」

 「はい、わかりました」

 ジャールと呼ばれた青年は、短剣を武器にしていた。馬車に乗り込むと、先ほどの剣を振るっていた冒険者と戦い始めた。ジャールが押している。冒険者は、受け身になり、一方的に攻撃され始めた。

 だが、一緒にいた他の冒険者達は、不思議なことに未だに座ったままだった。

 ついに、冒険者風の男性が切られて、倒された。

 「次は、誰だ除くと、かかってこい」

 誰も、動こうとしない。ジャールは、その他の乗客を降ろそうとし始めた。

 今度は、誰も抵抗しないで、素直に、降り始めた。仕方がないので、同じ様に、私達も降りて行った。

 馬車を下りながら、もう一度、スキル探索で、周りを調べた。

 5人の飛び抜けた用心棒を除くと、盗賊が18人 若い冒険者風の2人、軍人2人、それと私達だった。

 馬車を降りると全員並べられた。盗賊がロープで、ひとりずつ、縛り始めた。全員抵抗せずに、素直に従っていた。私達も、それに合わせた。

 「馬車ごと頂くぞ。誰か、御者の所に座れ」

 「お頭、私が行きます」

 「俺も、行く」

 盗賊の2人が、馬車の御者の所に座った。

 「ご苦労様でした。後は、我々で処理しますので、御帰りになって結構です」

 「本当にいいのか?」

 用心棒のリーダー格の人物が確認していた。

 「はい、大丈夫です」

 「それじゃ、返るとしよう。皆、帰るぞ」

 「「了解」」

 5人の用心棒は、消えてしまった。

 「お前ら、こいつらの持っている物をすべて奪え」

 お頭の指示で、盗賊の何人かが、持ち物を調べ始めた。

 私達は、触られるのが嫌なので、ロープを切り、立ち上がった。私は、自分とスピアに闇魔法で、結界を張り、防御力を高めた。これで、盗賊の攻撃は、すべて、無効となる。

 「お前ら、何、立ち上がってるんだ。座ってろ」

 「先を急いでいるので、お構いなく」

 私が、盗賊に返事をすると、周りにいた盗賊が一斉に襲ってきた。何もしなくても、怪我をしないので、攻撃を無視して、歩き去ろうとした。

 「おい、逃がすな。捕まえろ」

 盗賊の頭が、怒鳴っている。私達は、それを無視して、歩き去ろうとしていると、縛られている商人が私に、囁いた。

 「私も、連れて行ってください。お礼は、後でいくらでもしますから」

 「うん。いいよ」

 「スピア、助けたいのか?」

 「うん。助けたい」

 「お爺さん、一緒に行きますか」

 「はい、お願いします。荷物は、要りません。ただ、従者も一緒に助けて貰えませんか」

 「スピア、どうする?」

 「うん。いいよ」

 「そうか、助けようか」

 私は、商人たち3人にも闇魔法で、結界を張り、攻撃を防げるようにしてから、スピアにロープを切らせた。

 「さあ、行きましょう。馬がないので、歩かないといけませんが、大丈夫ですか?」

 「はい、頑張って、歩きます」

 私達5にんは、一緒に、馬車を離れようとした。その時、いままで、ダンマリだった、軍人2人が声を掛けて来た。

 「おい、お前達、俺たちも助けろ」

 「スピア、どうする」

 「厭だよ」

 「そうか。だめだって。諦めてね」

 私達が、馬車から離れて、森の中に進んで行こうとしたとき、また、盗賊たちが襲ってきた。

 「スピア、倒してくれる。煩わしいから」

 「うん。倒すね」

 スピアは、一瞬の内に、残っている盗賊を鋭い爪で、切り裂いていった。残ったのは、盗賊の頭と馬車に乗っている盗賊2人だけだ。

 「あれ、馬車が使えそうですよ」

 急に、商人の老人が言い出した。確かに、馬車を使ってもいいよね。

 「スピア、どうする?馬車を使う?」

 「できれば、お願いします。歩いて行くのには、この歳なので、きついです」

 「うん。いいよ。馬車でもいいよ」

 「そうか、スピアは、馬車を扱えるか?」

 「いいえ、だめ、馬車、扱えない」

 「そうだね。馬が怖がるね」

 「お爺さんの従者は、馬車を扱える?」

 「どうだ、お前達、馬車を扱えるか」

 「はい、ご主人様、扱えます」

 「それじゃ、この2人を馬車の御者の所に座って貰って」

 スピアは、2人の従者を抱えて、馬車の御者の所に降ろすと同時に、座っていた盗賊2人を切り裂いて、馬車の御者の所から、落とした。

 「それじゃ、馬車に乗って行きましょうか」

 私達は、残りの者を無視して、立ち去ることにした。

 馬車は、何事もなく走り始めた。後の事は、気にならなかった。
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~

放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」 大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。 生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。 しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。 「すまない。私は父としての責任を果たす」 かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。 だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。 これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

無能勇者の黙示録~勝手に召喚されて勝手に追放されたので勝手に旅に出ます~

枯井戸
ファンタジー
力も強くない、足も速くない、魔法も使えないし、頭も大してよくない、どこにでもいるちょっとオタク趣味の主人公・東雲真緒が白雉国に勇者として転生する。 同期の勇者はそれぞれ力が強かったり、魔法が使えたり、回復ができたりと各々の才能を開花させ頭角を現していくのだが、真緒に与えられた才能は異世界転生モノでよく見る〝ステータスオープン〟のみだった。 仲間には使えないと蔑まれ、ギルドには落第勇者の烙印を押され、現地人には殺害されかけ、挙句の果てに大事な人を亡くし、見ず知らずの土地の最底辺で生きていくことになった真緒だったが、彼女はまだ〝ステータスオープン〟の可能性に気づいていないだけだった。 ───────────── ※投稿時間は多少前後しますが毎日投稿は続けていくつもりです。 ※タイトルは予告なしにガラリと変わる場合があるのでご了承ください。 ※表紙は現在の主人公のイメージ図です。もしまた別の国へ行く場合、彼女の装いも変化するかもしれません。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

英雄将軍の隠し子は、軍学校で『普通』に暮らしたい。~でも前世の戦術知識がチートすぎて、気付けば帝国の影の支配者になっていました~

ヒミヤデリュージョン
ファンタジー
帝国の辺境で、ただ静かに生き延びたいと願う少年、ヴァン。 彼に正義感はない。あるのは、前世の記憶と、母が遺した『物理法則を応用した高圧魔力』という危険な理論だけだ。 敵の大軍が迫る中、ヴァンは剣も振るわず、補給線と心理を切り裂く。 結果、敵軍は撤退。代償も、喝采も、彼には無意味だった。 だが、その「効率的すぎる勝利」は帝国の目に留まり、彼は最高峰の『帝国軍事学院』へと引きずり出される。 「英雄になりたいわけじゃない。生き残りたいだけだ」 謎の仮面メイド『シンカク』、命を取引に差し出した狼耳の少女『アイリ』。 少年は選択する。正義ではなく、最も費用対効果の高い道を。 これは、合理が英雄譚を侵食していく、学園ミリタリーファンタジー。 【※作者は日本語を勉強中の外国人です。翻訳ソフトと辞書を駆使して執筆しています。至らない点もあるかと思いますが、物語を楽しんでいただければ幸いです。】

ギルドの受付嬢はうごかない ~定時に帰りたいので、一歩も動かず事件を解きます~

ぱすた屋さん
ファンタジー
ギルドの受付嬢アイラは、冒険者たちから「鉄の女」と呼ばれ、畏怖されている。 絶世の美貌を持ちながら、常に無表情。そして何より、彼女は窓口から一歩も動かない。 彼女の前世は、某大手企業のコールセンター勤務。 営業成績トップを走り抜け、最後には「地獄のクレーム処理専門部署」で数多の暴言を鎮めてきた、対話術の怪物。 「次の方、どうぞ。……ご相談ですか?(クローズド・クエスチョン)」 転生した彼女に備わったのは、声の「真偽」が色で見える地味な能力。 だが、彼女の真の武器は能力ではなく、前世で培った「声のトーン操作」と「心理誘導」だった。 ある日、窓口に現れたのは「相棒が死んだ」と弔慰金をせしめようとする嘘つきな冒険者。 周囲が同情し、ギルドマスターさえ騙されかける中、アイラは座ったまま、静かにペンを走らせる。 「……五秒だけ、沈黙を差し上げます。その間に、嘘を塗り直すおつもりですか?」 戦略的沈黙、オウム返し、そして逃げ場を塞ぐイエス・セット。 現代のコールセンター術を叩きつけられた犯人は、自らその罪を吐き散らし、崩れ落ちる。 「あー、疲れた。一五分も残業しちゃった。……マスター、残業代三倍でお願いしますね」 これは、一歩も動きたくない受付嬢が、口先だけで悪を断罪し、定時退勤を目指す物語。

処理中です...