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第18話 墨田区のダンジョン
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休日明けの月曜日、俺と新木は墨田区に現れたダンジョンの入り口の前に立っていた。
内閣総理大臣秘書官の佐藤さんが言うにはここにはかなり強いモンスターが出るとの話だったが、さてどうなることやら。
今回はきちんと通達が行き届いていたようで、自衛隊員に止められることなく俺たちはダンジョンへと足を踏み入れることが出来た。
「おおー、前回のダンジョンよりも広いなーっ」
新木の声がダンジョン内に響き渡る。
新木の言う通り、たしかに前回潜った中野区のダンジョンよりも一回りくらい通路の高さと横幅が大きい。
これならこれまでよりも強大なモンスターが現れても不思議ではない。
「結城、何してんだよ。さっさと行こう」
「ああ、わかってるよ」
好奇心の塊のような新木は俺の返事も待たずに歩き出した。
しばらく進むと地面にアイテムが落ちているのを発見した。
それも一か所にまとまって三つもだ。
新木が駆け寄りそれらを拾い上げていく。
「おい、結城。見ろよ、薬草とポーションとエリクシールだぞっ」
腕に抱えながら新木が俺に振り返って言った。
薬草は先に前述したとおりだが、ポーションとエリクシールの説明はまだだったな。
ポーションというのは簡単に言えば薬草の液体バージョンみたいなものだ。
だが薬草とは違ってかなり美味しい飲み物で、喉を潤すことが出来るためダンジョン探索では結構役に立つ。
そしてエリクシールは肌年齢を十歳若返らせるという美容効果のある飲み物だ。
俺はまったくもって興味はないが女性からしたらかなり有用なアイテムかもしれない。
新木はそれら三つのアイテムを【マジックボックス】に収納してから探索を続ける。
俺も新木のあとを追うようにまた通路を歩き始めた。
☆ ☆ ☆
地下一階に下りると鼻を突く嫌な臭いが立ち込めていた。
新木と顔を見合わせもしやとうなずき合う。
俺たちはその臭いの正体を知っていた。
俺たちの予想が正しければそれは――ゾンビの臭いだ。
『ガァァァ……!』
『ガァァァ……!』
『ガァァァ……!』
『ガァァァ……!』
直後、地面から下級ゾンビの群れが這い出てきた。
「うわ、出やがったな。気色悪い奴らめっ」
新木が口にするのももっともで下級ゾンビは目玉が飛び出ていて体中の肉も腐っている。
悪臭を放ちながらのそのそとこちらへと向かってくる下級ゾンビたち。
新木はゾンビが苦手らしく俺の背後へ回り込む。
だが俺も決して得意というわけではない。
何より素手で殴ったりするとゾンビの腐った肉がはじけ飛びそれを浴びることになってしまう。
そんなことは御免こうむる。
そこで俺は下級ゾンビたちに手を向けると
「デスフレイム!」
と唱えた。
その瞬間、俺の手のひらから地獄の業火が大きな火の玉となって発射された。
その火の玉は下級ゾンビたちを飲み込むと、一瞬のうちに燃やし尽くしてしまう。
完全に灰と化した下級ゾンビたち。
それを見て、
「やっぱ遠距離攻撃系のスキルがあるとこういう時便利だよなぁ」
と新木はうらやましそうにつぶやいた。
ちなみに【デスフレイム】にも制約はあり、一日の使用限界回数が十回までと決まっている。
なのでここから先もゾンビたちが現れるのだとすれば無駄撃ちは出来ない。
節約して使わないとな。
俺は心の中でそう考えると再び通路を先へと進むのだった。
内閣総理大臣秘書官の佐藤さんが言うにはここにはかなり強いモンスターが出るとの話だったが、さてどうなることやら。
今回はきちんと通達が行き届いていたようで、自衛隊員に止められることなく俺たちはダンジョンへと足を踏み入れることが出来た。
「おおー、前回のダンジョンよりも広いなーっ」
新木の声がダンジョン内に響き渡る。
新木の言う通り、たしかに前回潜った中野区のダンジョンよりも一回りくらい通路の高さと横幅が大きい。
これならこれまでよりも強大なモンスターが現れても不思議ではない。
「結城、何してんだよ。さっさと行こう」
「ああ、わかってるよ」
好奇心の塊のような新木は俺の返事も待たずに歩き出した。
しばらく進むと地面にアイテムが落ちているのを発見した。
それも一か所にまとまって三つもだ。
新木が駆け寄りそれらを拾い上げていく。
「おい、結城。見ろよ、薬草とポーションとエリクシールだぞっ」
腕に抱えながら新木が俺に振り返って言った。
薬草は先に前述したとおりだが、ポーションとエリクシールの説明はまだだったな。
ポーションというのは簡単に言えば薬草の液体バージョンみたいなものだ。
だが薬草とは違ってかなり美味しい飲み物で、喉を潤すことが出来るためダンジョン探索では結構役に立つ。
そしてエリクシールは肌年齢を十歳若返らせるという美容効果のある飲み物だ。
俺はまったくもって興味はないが女性からしたらかなり有用なアイテムかもしれない。
新木はそれら三つのアイテムを【マジックボックス】に収納してから探索を続ける。
俺も新木のあとを追うようにまた通路を歩き始めた。
☆ ☆ ☆
地下一階に下りると鼻を突く嫌な臭いが立ち込めていた。
新木と顔を見合わせもしやとうなずき合う。
俺たちはその臭いの正体を知っていた。
俺たちの予想が正しければそれは――ゾンビの臭いだ。
『ガァァァ……!』
『ガァァァ……!』
『ガァァァ……!』
『ガァァァ……!』
直後、地面から下級ゾンビの群れが這い出てきた。
「うわ、出やがったな。気色悪い奴らめっ」
新木が口にするのももっともで下級ゾンビは目玉が飛び出ていて体中の肉も腐っている。
悪臭を放ちながらのそのそとこちらへと向かってくる下級ゾンビたち。
新木はゾンビが苦手らしく俺の背後へ回り込む。
だが俺も決して得意というわけではない。
何より素手で殴ったりするとゾンビの腐った肉がはじけ飛びそれを浴びることになってしまう。
そんなことは御免こうむる。
そこで俺は下級ゾンビたちに手を向けると
「デスフレイム!」
と唱えた。
その瞬間、俺の手のひらから地獄の業火が大きな火の玉となって発射された。
その火の玉は下級ゾンビたちを飲み込むと、一瞬のうちに燃やし尽くしてしまう。
完全に灰と化した下級ゾンビたち。
それを見て、
「やっぱ遠距離攻撃系のスキルがあるとこういう時便利だよなぁ」
と新木はうらやましそうにつぶやいた。
ちなみに【デスフレイム】にも制約はあり、一日の使用限界回数が十回までと決まっている。
なのでここから先もゾンビたちが現れるのだとすれば無駄撃ちは出来ない。
節約して使わないとな。
俺は心の中でそう考えると再び通路を先へと進むのだった。
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