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第37話 剣術大会
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そして剣術大会当日を迎えた。
ジョパン城の中庭ではガシュウ国のランド王子がリング上で次々と相手を斬り倒している。
やられた者たちは腕に覚えのある強者ばかりのはずだが、みんな病院送りになっていた。
徹夜で覚えた付け焼き刃の俺の剣術ではまかり間違っても勝てそうにはない。
「さあ、次の奴出てこい! いないのか、オレに勝ったらジュエル王女をくれてやるぞ! そうなれば次期ジョパン国王だ!」
周りの人間を挑発するように剣先をリングの下にいる者たちに向けていくランド王子。
聞いていた通り嫌な感じの奴だ。
それは剣術大会とは名ばかりのランド王子ショーだった。
屈強な剣士たちがランド王子に挑んでは負け、挑んでは負けていく。
だがやらせは一切ない。正真正銘の真剣勝負。
それだけランド王子は強いってことだ。
そんなランド王子をVIP席から眺めているガシュウ国王とジョパン国王とジュエル王女。
プルセラ王女は体調が悪いとかで欠席している。もちろん仮病だが。
『スタンス、聞こえるか?』
イヤホンからプルセラ王女の声が聞こえてきた。
いっそ無視してやろうかとも思ったが、
「……はい、よく聞こえますよ」
あとがうるさそうなので答える。
『私は自分の部屋のカーテンの隙間からお前を見ているぞ』
俺はプルセラ王女の部屋を見上げてみた。
プルセラ王女はカーテンの隙間から望遠鏡を覗かせている。
『私が指示を出すからあの腐れ外道をこてんぱんにしろよ、いいなっ』
「あのですね、ランド王子って確かに嫌な奴ですけど一応戦いは真面目にやってますよ。俺たちイヤホン使ってるのやっぱりまずくないですか?」
『バレなきゃいいんだっ』
プルセラ王女の声が耳に響く。
これじゃどっちが悪者かわからないな。
「さあ、もうオレに挑戦する奴はいないのか! ちっ、へたれどもがっ!」
ランド王子がリングに唾を吐く。
「あの、今さらですけどなんでジョパン国王はあんな奴と自分の娘を結婚させようとしてるんですかね?」
『それはジョパン国よりガシュウ国の方が力があるからだ』
「あ~なるほど。だからジョパン国王も断り切れないんですね」
VIP席を見返すとガシュウ国王は機嫌よさそうに笑っているがジョパン国王は苦虫を嚙み潰したような顔をしてランド王子を見ていた。
とてもこの催しを楽しんでいるようには見えない。
ちなみにジュエル王女はというと感情ゼロ。無の表情をしていた。
「オレの相手がいないならもう剣術大会は終了してジュエル王女とハネムーンとしゃれこむぜっ!」
『おい、早く手を上げろっ! ランド王子がリングを下りてしまうぞっ!』
「はいはい、わかってますよ」
そんな大声で怒鳴らなくても聞こえてるってば。
「は、はい……俺が戦いますっ」
俺はプルセラ王女の命に従いおそるおそる手を上げた。
ジョパン城の中庭ではガシュウ国のランド王子がリング上で次々と相手を斬り倒している。
やられた者たちは腕に覚えのある強者ばかりのはずだが、みんな病院送りになっていた。
徹夜で覚えた付け焼き刃の俺の剣術ではまかり間違っても勝てそうにはない。
「さあ、次の奴出てこい! いないのか、オレに勝ったらジュエル王女をくれてやるぞ! そうなれば次期ジョパン国王だ!」
周りの人間を挑発するように剣先をリングの下にいる者たちに向けていくランド王子。
聞いていた通り嫌な感じの奴だ。
それは剣術大会とは名ばかりのランド王子ショーだった。
屈強な剣士たちがランド王子に挑んでは負け、挑んでは負けていく。
だがやらせは一切ない。正真正銘の真剣勝負。
それだけランド王子は強いってことだ。
そんなランド王子をVIP席から眺めているガシュウ国王とジョパン国王とジュエル王女。
プルセラ王女は体調が悪いとかで欠席している。もちろん仮病だが。
『スタンス、聞こえるか?』
イヤホンからプルセラ王女の声が聞こえてきた。
いっそ無視してやろうかとも思ったが、
「……はい、よく聞こえますよ」
あとがうるさそうなので答える。
『私は自分の部屋のカーテンの隙間からお前を見ているぞ』
俺はプルセラ王女の部屋を見上げてみた。
プルセラ王女はカーテンの隙間から望遠鏡を覗かせている。
『私が指示を出すからあの腐れ外道をこてんぱんにしろよ、いいなっ』
「あのですね、ランド王子って確かに嫌な奴ですけど一応戦いは真面目にやってますよ。俺たちイヤホン使ってるのやっぱりまずくないですか?」
『バレなきゃいいんだっ』
プルセラ王女の声が耳に響く。
これじゃどっちが悪者かわからないな。
「さあ、もうオレに挑戦する奴はいないのか! ちっ、へたれどもがっ!」
ランド王子がリングに唾を吐く。
「あの、今さらですけどなんでジョパン国王はあんな奴と自分の娘を結婚させようとしてるんですかね?」
『それはジョパン国よりガシュウ国の方が力があるからだ』
「あ~なるほど。だからジョパン国王も断り切れないんですね」
VIP席を見返すとガシュウ国王は機嫌よさそうに笑っているがジョパン国王は苦虫を嚙み潰したような顔をしてランド王子を見ていた。
とてもこの催しを楽しんでいるようには見えない。
ちなみにジュエル王女はというと感情ゼロ。無の表情をしていた。
「オレの相手がいないならもう剣術大会は終了してジュエル王女とハネムーンとしゃれこむぜっ!」
『おい、早く手を上げろっ! ランド王子がリングを下りてしまうぞっ!』
「はいはい、わかってますよ」
そんな大声で怒鳴らなくても聞こえてるってば。
「は、はい……俺が戦いますっ」
俺はプルセラ王女の命に従いおそるおそる手を上げた。
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待って! 僕に奉仕する順番でケンカするとか、訳が分かんないよっ!
※第○話:主人公視点
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