落ちこぼれ同盟

kouta

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番外編1 幼き日の誓い

幼き日の誓い7

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「いたぞ――! 逃げた最後の一人だ!!」
「拘束しろ!!」

兵士達は、どうやら鎧の女を探していたようだ。壁の傍で気絶している女性の身柄を拘束し、どこかへ連れて行く。

「ガーネット!? お前、なんでこんな所に……しかも、どうしてそんなボロッボロなんだ?」
「父上!」

オーランドはボロボロになった息子の姿を見て、吃驚していたが、息子が手を握っている子どもを見て、何かを察した様子でにやりと笑った。

「はっは~ん、大体想像はついたぞ。可愛いお姫さんと逢引か。さすが俺の息子だなぁ」
「ち、ちがっ……!?」

父の誤解を解こうとガーネットが反撃する前に、顔を真っ赤にして叫んだのは相手の方だった。

「姫じゃない! 私は男だ!」
「え?」
「え゛?」

息子も父も驚いた。天使のように愛らしい顔をしたその子は、自分を男だと言ったのだ。親子揃ってぽかぁんと口を開いて呆然していると、追い打ちをかけるようにモルドレットの護衛隊長であるプリ―メルが彼に気づき、近づいてきてこう言った。

「こちらにいらしたのですねアーサー殿下。お怪我はございませんでしたか?」

天使、もといアーサーの前で、膝を折って訊ねたプリ―メルに親子揃って『殿下ぁ!?』と叫ぶ。彼はむっとした表情を浮かべて言った。

「二人とも。アーサー殿下に失礼ではないか」
「アーサー殿下……ってことはこの姫さんは第三王子のアーサー様ってことか!?」

思わずそう叫んだオーランドにプリ―メルが無言で睨みつけると、彼はとってつけたような敬語でもう一度『……そういうことでしょうか?』と訊ねた。

「その通りだ。ところでアーサー殿下、どうしてこちらにいらしたのですか?」
「もうしわけございません。気分がすぐれなくてバラえんで休んでいたらあの女におそわれたのです。あぶないところをガーネットと……この方がすくってくださいました」

アーサーはガーネットと後ろに立っていたオーランドを見てそう言った。当然、ガーネットもオーランドも不思議そうな顔をするが、プリ―メルはアーサーの意図を察したようで、それ以上追及する事無く、自分の部下を呼ぶと、彼とガーネットを安全な場所に送り届けるよう指示をだした。

 アーサーは最後に一度だけオーランドを振り返り、哀しそうな笑みを浮かべた。オーランドは呆然としたまま息子と彼の後姿を見送った。




「どういう事だ? 俺が来た時にはあの女は既に……」

倒れていた。そして恐らくそれを行ったのはアーサーだ。そう言おうとしたオーランドの言葉を、プリ―メルが遮った。

「いや。アーサー殿下が襲われそうになり、それをお前の息子が救った。そして、息子のピンチに駆けつけたオーランド……お前が彼女を倒した。もし、誰かに事情を聞かれたらそう説明するんだ。例え相手が王様だとしてもだ」
「何故だ?」

既にオーランドは敬語を使っていなかったが、今度は睨まれる事は無かった。

「……それをアーサー殿下が望んでいるからだ」

プリ―メルはそう言って、辛そうに顔を顰めた。

「どういう事だ?」
「……アーサー殿下はお前も知っての通り王妃様の子では無い。しかし、第三王子にしてはアーサー殿下は優秀すぎたのだ。天才とは、ああいう子の事を言うのだろう。おかげでアーサー殿下は孤立しておられる」
「そういえば、何故殿下は一人だったんだ? 護衛はどうした?」
「……アーサー殿下には護衛騎士団がおらぬ」
「はぁ!? 第三王子なのに?」
「なりたがる者がいないのだ……皆、王妃様が恐いのでな」

オーランドの心に、アーサーの最後の笑顔が浮かんだ。とても哀しい笑顔だった。



「ありゃあ……ガキの浮かべる笑顔じゃねーよ」


オーランドはそう呟いて、何かを決意するように強く拳を握りしめた。


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