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二章 休息とそれぞれの出会い
オディアの贈り物
しおりを挟む「はぁ……緊張した」
ディーン達が去った後、アレンは少し疲れた様子で息を吐いた。
「まさか風紀と監督生、両方から勧誘されるなんて……返事は急がなくて良いって言ってたけど、どうしようイーヴル?」
『アレンが望むようにすればいい。我はアレンの行く道にどこまでもついていく』
「そう……解った。じっくり考えてみるよ。ありがとう、イーヴル」
『ところで、学園長から何を貰ったのじゃ?』
「そうだった! 早速開けてみよう」
ピンク色のリボンが巻かれた包みをアレンは丁寧に開く。するとその中には――。
『こ、これは……幻の食材、マジカルウルトラハイパーデラックスラビットの肉ではないか!』
「ものすごくセンスを疑う名称だけど……もしかして、君の好物なの?」
中に入っていたのは竜族の大好物、兎の干肉。それとは別に丁寧に包装された包みと手紙が添えられていた。
『アレン! アレンッ! 食べても良いか?』
「ちょっと待って。手紙が入ってる……オディア様直筆の手紙みたい」
手紙の内容はこうだった。
『初めまして アレン。
新入生歓迎会での君の活躍は大変素晴らしいものだった。
君とイーヴルの勇気ある行動に敬意を表してこれを贈る。
学校を救ってくれたお礼だから遠慮せずに貰って欲しい。
ありがとう アレン、イーヴル。
学園長 オディア』
「オディア様……僕達がマッドベアを倒した事、知っていらっしゃったんだ……」
読み終わったアレンはオディアの温かい手紙に感動して、じっと文面を見つめていた。
『アレン! もう食べても良いだろう!?』
「ごめん、どうぞ」
『ッ! うむ、いただきますっ!』
主から許可を貰ったイーヴルは、目をキラキラさせて目の前の肉に齧りついた。
「美味しい?」
『おうっ! 美味じゃ美味じゃ! 人間の学園長もなかなか気が利くのぅ~』
イーヴルは大満足な様子で食事をしている。アレンはその様子を見て小さく笑い、もう一つの包みを開いた。
「これって、まさかドワーフのローブ!?」
一目見てアレンはそのローブが何なのか解った。世界で最も有名なローブだったからだ。
『ドワーフが製作したローブか。見た目の美しさもさることながら、軽量で実用的且つ、対魔術攻撃と対物理攻撃どちらにおいても耐久性があり、世界一の防御力を誇ると言われている高級品じゃな。ドワーフはもう人間界には住んでおらんから希少性もかなり高そうじゃし』
「精霊の間でも有名なんだこれ……って、こんな高いの貰えないよ!」
『手紙には遠慮せず貰えって書いてあったじゃろう』
「で、でも……」
『それに、そのローブと今わしが食った肉は大して値段は変わらんぞ?』
「えぇ!? あの肉そんなに高級だったんだ! なのにペロッと食べちゃったの!?」
『ちゃんと味わって食したぞ』
「もぉ、そういう事は先に言ってよ。そんなに気性なら僕も少し食べてみたかったよ」
『どっちにしろ我は食うぞ? アレを目の前にして我慢するなんて出来ぬ』
「はぁ……どうしよう……」
悩むアレンにイーヴルは先ほどとは違い、真剣みを帯びた瞳でアレンを見つめて諭す。
『……こういう希少品との出会いは偶然のようでいて、必然であるものだ。つまり、いずれ必要になる時が来るということじゃろう。その時まで大事に保管しておくのじゃ。オディアとやらもきっとそれを望んでおる』
「僕には勿体ない気がするけど、オディア様が不在じゃ、返す事も出来ないしね……大切にとっておくことにするよ」
『出来れば……これを使う時など来なければ良いのだがなぁ』
いつか、主人も戦争に駆り出される時が来るのかも知れない……その時、アレンの隣に立っているのは自分でありたいと、イーヴルは心の中で願った。
「ところで、寮長達はなんでウンディーネを探していたんだろ?」
『ッ!? そ、そう……じゃなぁ……? 何故、探しておったのかのぅ?』
「イーヴル、君何か変じゃない?」
『な、何でもない!!』
「んー?」
突然、挙動不審になったイーヴルに首を傾げるアレンだった。
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