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二章 休息とそれぞれの出会い
夢の世界
しおりを挟むイーヴルと別れて寮に戻ったイオは、アーサー達と話をするために眠りについた。
明日の午後のお茶会で話す事も考えたが、一刻も早く二人に相談したかったのだ。
眠りについて間もなく、イオの前には一頭の美しい馬が現れた。一角獣、ユニコーン。夢の中に住む幻想的な精霊である。
「こんばんわ。悪いけど君の背に乗せてくれない? 友達に会いに行きたいんだ」
綺麗な見た目に反して気性が激しいと言われるユニコーンだが、イオが頼みごとをすると、すぐに寄ってきてその背中に乗せてくれた。
夢の世界を旅して間もなく、イオはトシキの姿を見つけた。
「おーい! トシキー!」
「あれ? イオ……なんでお前がここに?」
「紹介するよ。僕の友達、ユニコーン。夢の中を自由に移動することが出来るんだ」
「成程。それで俺の夢の中に、突然お前が出て来たわけね」
異世界トリップという非現実的な体験をしているトシキは、突然夢の中に現れたイオの存在にも動じる事無く受け止める。
「ごめん。驚かせて」
「別にいいけど……何の用?」
「ちょっと相談したいことがあって。一緒に来てくれない?」
「明日じゃ駄目なの? 俺、今アイドルをプロデュースするのに忙しいんだけど」
いい夢を見ていたらしいトシキが、邪魔されて不機嫌そうに渋る。
しかし、イオは折れなかった。
「お願い!」
「うーん……」
「……ユニコーンに乗りたくない?」
「っ!? の、乗りたい! すっげー乗りたいっ!」
最終的に、トシキはユニコーンの背に乗るという誘惑に勝てずに、イオと共にアーサーを探す旅に出たのだった。
「すっげー……これが夢の世界か。幻想的だなぁ」
虹色のオーロラがかかった世界を自由に飛ぶユニコーンの背中に乗って移動していたトシキは、珍しく興奮した様子で目を輝かせている。
「夢の中にしか出てこない精霊も多いんだよ。ユニコーンもその一つ」
「現実世界では住めねーの?」
「うん。行く事は出来るけどそこで生きることは不可能なんだ。どんなに頑張っても一日が限度かな。精霊には住む世界が決まっている者が多いんだ。もし、別の世界で住む事になったら代償を払う事になる」
「代償って?」
「それは……あっ! アーサーだ!」
イオが説明する途中でアーサーの姿を発見して、その話は逸らされた。
「ん? 何故トシキとイオがここに?」
「イオの仕業。ユニコーンで夢の中を飛んできたんだよ。にしてもよ、お前夢の中でも剣振り回してんの?」
トシキが呆れた様子で指摘したように、アーサーは夢の中でも剣の素振りを行っていた。
「当たり前だ。剣士は常に剣と共にある」
「あっそ。お前の夢に文句言うつもりはねーけど、夢の中くらい休んだ方が良いと思うぞ?」
「僕もそう思う」
「……善処しよう。ところで、わざわざ夢に出て来たって事は何か伝える事があるのか?」
「そうなんだ! 実はね……」
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