両片思いの幼馴染

kouta

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初デート編

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 迎えた土曜日。
 少し想定外の事はあったが、結果的には波留斗の希望通り、連と出かけられることになった。

(変……じゃないよな?)

ゆったりめな服を着ることが多いいつもの休日スタイルとは違い、少しタイトなズボンとオーバーTシャツを着た波留斗は鏡の前でくるりと一回転する。

(うーん……時計とかつけていくべき? 帽子はどうしょう……)

普段ファッションに関しては清潔感以外にはあまりこだわりがない波留斗だったが、初デートなのでかなり浮かれ気味で服を選んでいた。

(いや相手は幼馴染なんだけど……でも、好きな相手だし? 一応、気合は入れていこうかなって)

心の中で自分で自分に対して言い訳していると時間はあっという間に過ぎていった。

(あ、もうこんな時間!)

「行ってきます!」
「あら、波留斗どっかに出かけるの?」
「うん、連と映画観て来る!」
「そう。夕飯どうするかだけ夕方に連絡ちょうだいね」
「はーい!」

玄関の傍で掃除機をかけていた母親にそう答えて、波留斗は家を飛び出した。

 連は自宅前の郵便受けの前に立ってスマホを弄っていた。

「おはよ」
「はよ。映画館って駅前の?」
「うん。まだ席取ってないんだけど、大丈夫かな?」
「平気じゃね? 席にこだわらなければ。人気作だけあって結構上映回多そうだし」
「そっか良かった」

俺と連は並んで歩き出す。とはいってもここはいつもの通学路。制服が私服になっただけで、いつもと景色はさほど変わらない。
 
 連は基本的に真っ黒な服装を好んで着ることが多かった。今日も、黒のジーンズに黒のタンクトップ、その上からグレーのシャツを羽織っていた。モデル体型なだけあって、シンプルながらも連にとてもよく似合っている。

「なんだよ、ジロジロ見て」
「……口元ケチャップついてる」
「え、マジ?」
「うそ」
「くだらねーうそつくなよ」

連は小さく舌打ちしてそう言った。傍から見れば連が怒っているようにしか見えないが、これでも連の中では比較的穏やかな顔をしていると、幼馴染の波留斗は知っている。

 波留斗は笑いながら、連に謝って再び並んで歩き出した。

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