神々の間では異世界転移がブームらしいです。

はぐれメタボ

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神々の間では異世界転移がブームらしいです。 第2部 《精霊の紋章》

132話 魔境からの帰還

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  サーリスさんとしばらく話していると、リゼさんとサレーネさんがやって来ました。
  お話はもう良いのでしょうか?

「待たせたわね」

「もう良いのか?」

「ええ、別にこれが最後という訳じゃないからね。
  リゼッタが生きていてくれただけで嬉しいわ」
  
  出会った時の何処か元気の無い様子だったサレーネさんですが、今は笑顔でとても嬉しそうです。
  サレーネさんの後に続き、リゼさんもやって来ました。
  親子だと知って見ると確かに2人は似ていますね。

「さぁユウちゃん、帰るわよ」

「もうですか?」

「そうよ、目的の物は手に入れたんだから早く戻らないと」

「でも折角お母さんに出会えたのですよ?」

「いや……その……まぁ、また会いには来れるからね」

  リゼさんは恥ずかしいのか顔を赤くして答えました。
  わたしは半目でジトーとリゼさん見つめます。
  
「ちゃんと会いに来るんですよ」

「わ、わかってるわよ」

  いつもの飄々とした態度とは違い、オドオドとするリゼさん、少し面白いです。
  わたしが、リゼさんが何だかんだと理由を付けて会いに来ないのではないか、と心配していると、サレーネさんがニコニコしながらやって来ます。

「大丈夫ですよ、ユウさん。
  その時はわたしが会いに行くわ」

  そう言ってサレーネさんはリゼさんに抱きつきます。
  リゼさんは振り払う事も出来ず、赤くなって戸惑っています。
  サレーネさんは意外にアクティブですね。 

  サレーネさんの変わり様に驚くわたしにサーリスさんが耳打ちします。

「姉さんは元々あんな感じだったんだ。
  明るく楽観的で行動力がある」

「なるほど、その点はリゼさんとよく似ていますね」

  そんなやり取りの後、わたし達は聖地を後にする事になりました。
  
「ユウとリゼッタは人間の国に帰るのだろう?
  ミルミット王国で良いのか?」

「え、そこまで送ってくれるのですか?」

「ああ、その程度問題ないぞ。
  大した距離でも無いからな」

「助かります。
  龍仙境からミルミット王国に戻るだけで数ヶ月は掛かりますからね。
  戻った時には戦争までギリギリだと思っていました」

「そうか、俺が飛べは数日で着くはずだ。
  ユウには世話になったからな。
  任せてくれ」

「助かります」

「それで、ミルミット王国の辺境まで送ればいいのか?」

「はい、おねが……」

「あ、王都まで送ってくれないかしら?」

  わたしの言葉を遮り、リゼさんが口を挟みます。

「リゼさん、龍が王都に向かえば大騒ぎになりますよ」

「雲より上を飛べは問題無いわ。
  サーリスはオリオンより速いわよ。
  辺境から王都までの時間をかなり短縮出来るわ」

「降りる時はどうするのですか?
  王都の前で着陸なんてすれば国軍が出て来ますよ」

「私に考えが有るから任せて頂戴」

「分かりました、リゼさんにお任せします。
  あ、そうだ。
  サーリスさん、わたし龍仙境でお土産とか買いましたけど、龍仙境の事は秘密にしておいた方がいいですか?」

  悪人が龍族の武具を求めて攻め込んだりするかも知れません。
  わたしがその懸念を話すと……

「気にしなくていい。
  そもそも、龍仙境までたどり着く事が出来る者なんてほとんどいない」

「言われてみればその通りですね」

「だろ?
  ただ、龍族が人間の振りをして人間の国に紛れ込んでいる事は秘密にして欲しい」

「分かりました」

  わたし達は、サーリスさんと約束し、龍族の聖地から大空へと飛び立ちました。




  龍族の聖地から旅立ち数日、物凄い速さでミルミット王国の王都に向けて飛んでいます。

「ユウ、リゼッタそろそろミルミット王国の王都だ」

「もう着いたのですか、流石に速いですね」

「ありがとうサーリス、此処からは自分で行くわ」

「そうか、世話になったな。
 リゼッタ、たまに姉さんに会いに来てくれ。
  龍仙境に来てくれれば俺が聖地に連れて行く」

「ええ、その時はお願いね」

「サーリスさん、ありがとうございました。
  それで、リゼさん。
  どうやって降りるのですか?」

  この高さではオリオンは召喚出来ませんし、リゼさんの秘策とはなんなのでしょうか?

「行くわよ、ユウちゃん」

「え?きゃあぁぁぁあ!!!」
  
  リゼさんはわたしを小脇に抱えると眼下に広がる雲海へと飛び降りたのでした。
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