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神々の間では異世界転移がブームらしいです。 第3部《交錯する戦場》
21話 魔王シルバリエ
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聖都跡に造られた魔族の砦の奥、部屋の中ではシルバリエが1人、報告書を睨んでいた。
トントン
「入れ」
シルバリエがノックの音に入室を許可すると、疲れた顔をしたザジが部屋に入って来た。
「戻りました」
「ご苦労、例の冒険者とやり合ったそうだな」
「はい、死ぬかと思いました」
「だが、お陰で魔法部隊への被害は最小限で済んだ。
良くやった」
「お褒めに預かり光栄ですが……2度目は勘弁して欲しいです」
「ふふ、疲れているところ悪いが報告を頼む」
「はっ!」
疲れた顔で愚痴るザジに意地の悪そうな笑みを浮かべたシルバリエは報告を促す。
「今日の戦闘で先鋒のグレース配下、リセルシア配下はほぼ全滅、現在残っているのはグレース配下が数名とグレース、リセルシアの2名です」
「奴らは天幕に戻っているのか?」
「いいえ、撤退の笛を無視して戦い続けているようです」
「そうか…………他の街はどうなっている?」
軽く頭を抱えたシルバリエは続けて尋ねた。
「はい、リゼッタ殿は、事前にリークした情報により、戦力を配置してくれたようです。
予定通り、リセルシア配下の魔物使いは全滅しています」
「そうか」
「それと、リセルシア配下の隠密が転移を使って帝国に向かった様なのですが……」
「どうした?」
「はい、帝都郊外の森で消息を絶った様です。
おそらく人間側の何者かに排除されたのではないかと……」
「確かな情報か?」
「いえ、隠密を帝都に送ったのは事実らしいのですが、その後の消息は推測の域を出ません」
「そうか……まぁいいだろう。
そろそろ潮時か」
「では……」
「うむ、計画を……」
バン
「シルバリエ様!」
シルバリエの部屋に魔族の男が飛び込んで来た。
「レグルス、シルバリエ様の許可も得ずに入室するなど失礼だぞ」
ザジが睨みつけるが、レグルスは無視してシルバリエに鋭い視線を向ける。
「何の用だ、レグルス」
「何故、魔法使いに支援を命じないのですか⁉︎」
「何を言っている。
魔法部隊は先鋒部隊を支援しているぞ?」
「いいえ!
アレは明らかに手を抜いております。
それに例のオーブを使った切り札はいつになったら到着するのですか!
既にグレース様の配下とリセルシア様の配下は………………」
レグルスは自分の言葉に何かに気が付いたのか、驚愕の表情を浮かべる。
そして、薄い笑みを貼り付けたシルバリエの顔を見つめる。
「シルバリエ様……貴方は……」
「…………ふむ、君は優秀だな。
あの脳筋の配下にしておくのは勿体無い。
どうだ、私の配下にならないか?」
「……シルバリエ!貴様ぁ!!!」
勧誘するシルバリエに激昂したレグルスは腰の剣を抜き斬りかかる。
しかし、その切っ先はシルバリエに届く前にザジによって止められる。
「くっ!」
「シルバリエ様」
「ああ、レグルス。
私の配下になる気は無いのだな?」
「誰が!
我が主人は魔王グレース様のみ!」
「そうか…………ザジ、始末しろ」
「はっ!」
レグルスは踵を返し扉に向かって踏み出す。
しかし、その手が扉に触れる前に扉が土壁に覆われる。
「くそっ!」
視界の端では、椅子に腰を掛けたままのシルバリエが魔法を使った事を感じさせない様子で紅茶を口に運ぶ。
目の前には光り輝く剣を振りかざしたザジ。
「すまんなレグルス、これも魔族の為なんだ」
レグルスはとっさに剣を掲げるが、その剣ごとザジはレグルスを真っ二つに斬り裂いた。
「終わりました」
「ご苦労」
レグルスの死を確認した確認したザジに簡単な労いの言葉を掛けたシルバリエは机の引き出しからいくつかのスクロールを取り出す。
「それでは計画を開始するか」
シルバリエが軽く指を振るとスクロールが燃え上がり煤となって消える。
それを見送ったシルバリエは椅子から立ち上がる。
「さぁ、行くぞザジ」
「はい」
こうして、後の世の歴史学者曰く、この人類連合と魔族の戦争において唯一の勝者であると言われる男、魔王シルバリエは動き出したのである。
トントン
「入れ」
シルバリエがノックの音に入室を許可すると、疲れた顔をしたザジが部屋に入って来た。
「戻りました」
「ご苦労、例の冒険者とやり合ったそうだな」
「はい、死ぬかと思いました」
「だが、お陰で魔法部隊への被害は最小限で済んだ。
良くやった」
「お褒めに預かり光栄ですが……2度目は勘弁して欲しいです」
「ふふ、疲れているところ悪いが報告を頼む」
「はっ!」
疲れた顔で愚痴るザジに意地の悪そうな笑みを浮かべたシルバリエは報告を促す。
「今日の戦闘で先鋒のグレース配下、リセルシア配下はほぼ全滅、現在残っているのはグレース配下が数名とグレース、リセルシアの2名です」
「奴らは天幕に戻っているのか?」
「いいえ、撤退の笛を無視して戦い続けているようです」
「そうか…………他の街はどうなっている?」
軽く頭を抱えたシルバリエは続けて尋ねた。
「はい、リゼッタ殿は、事前にリークした情報により、戦力を配置してくれたようです。
予定通り、リセルシア配下の魔物使いは全滅しています」
「そうか」
「それと、リセルシア配下の隠密が転移を使って帝国に向かった様なのですが……」
「どうした?」
「はい、帝都郊外の森で消息を絶った様です。
おそらく人間側の何者かに排除されたのではないかと……」
「確かな情報か?」
「いえ、隠密を帝都に送ったのは事実らしいのですが、その後の消息は推測の域を出ません」
「そうか……まぁいいだろう。
そろそろ潮時か」
「では……」
「うむ、計画を……」
バン
「シルバリエ様!」
シルバリエの部屋に魔族の男が飛び込んで来た。
「レグルス、シルバリエ様の許可も得ずに入室するなど失礼だぞ」
ザジが睨みつけるが、レグルスは無視してシルバリエに鋭い視線を向ける。
「何の用だ、レグルス」
「何故、魔法使いに支援を命じないのですか⁉︎」
「何を言っている。
魔法部隊は先鋒部隊を支援しているぞ?」
「いいえ!
アレは明らかに手を抜いております。
それに例のオーブを使った切り札はいつになったら到着するのですか!
既にグレース様の配下とリセルシア様の配下は………………」
レグルスは自分の言葉に何かに気が付いたのか、驚愕の表情を浮かべる。
そして、薄い笑みを貼り付けたシルバリエの顔を見つめる。
「シルバリエ様……貴方は……」
「…………ふむ、君は優秀だな。
あの脳筋の配下にしておくのは勿体無い。
どうだ、私の配下にならないか?」
「……シルバリエ!貴様ぁ!!!」
勧誘するシルバリエに激昂したレグルスは腰の剣を抜き斬りかかる。
しかし、その切っ先はシルバリエに届く前にザジによって止められる。
「くっ!」
「シルバリエ様」
「ああ、レグルス。
私の配下になる気は無いのだな?」
「誰が!
我が主人は魔王グレース様のみ!」
「そうか…………ザジ、始末しろ」
「はっ!」
レグルスは踵を返し扉に向かって踏み出す。
しかし、その手が扉に触れる前に扉が土壁に覆われる。
「くそっ!」
視界の端では、椅子に腰を掛けたままのシルバリエが魔法を使った事を感じさせない様子で紅茶を口に運ぶ。
目の前には光り輝く剣を振りかざしたザジ。
「すまんなレグルス、これも魔族の為なんだ」
レグルスはとっさに剣を掲げるが、その剣ごとザジはレグルスを真っ二つに斬り裂いた。
「終わりました」
「ご苦労」
レグルスの死を確認した確認したザジに簡単な労いの言葉を掛けたシルバリエは机の引き出しからいくつかのスクロールを取り出す。
「それでは計画を開始するか」
シルバリエが軽く指を振るとスクロールが燃え上がり煤となって消える。
それを見送ったシルバリエは椅子から立ち上がる。
「さぁ、行くぞザジ」
「はい」
こうして、後の世の歴史学者曰く、この人類連合と魔族の戦争において唯一の勝者であると言われる男、魔王シルバリエは動き出したのである。
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