神々の間では異世界転移がブームらしいです。

はぐれメタボ

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神々の間では異世界転移がブームらしいです。第4部《新たなる神話》

13話 わたしと紳士

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  わたし達はイナミさんの影に隠れながらリセルシアの背後にある通路を目指します。

「させる訳無いだろ!」

  駆け出したわたし達の目の前に、突然少女の姿のリセルシアが現れました。
  む、また時間を止めて回り込まれました。
  これは予想以上に厄介です。
  
  ガッ!

  わたしが迎撃に動こうとすると、割り込む様にイナミさんが現れてリセルシアの拳を蹴りで止めます。
  イナミさんも時間停止での移動ですか。
  これだから時間系能力者は困ります。

「退け、イナミ・ヤマウチ!」

「ダメだね、300年前の決着を付けようぜ」

  イナミさんがリセルシアを抑えてくれている内に部屋を走り抜けました。
  正直に言えばリュウガ王国での借りを返したいと思わなくも無いですが、今は目的を優先します。
  大人の判断って奴です。
  そのまま廊下を走り、途中現れた魔王の部下と戦う為、数を減らしながら中庭の様な場所に出ました。
  いつの間にか雨が降り出したのか空から弾丸の様な雨粒が地面に叩きつけられています。

「あ、アレは⁉︎」

  中庭の中心部で立ち止まったわたし達は目的地に続く通路の前を陣取っている奴に対峙します。

「まさか、Sランクの魔物まで従えているとは驚きました」

「こいつは俺も知らなかったな。
  おそらくリセルシアの奥の手だったのだろう」

  わたし達の前に立ち塞がったのは獅子の身体にサソリの尾を持つSランクの魔物、マンティコアです。

「仕方ありません、わたしが残ります。
  ザシさんは皆さんと先に進んで下さい」

  いま残っているメンバーで、Sランクのマンティコアに勝てるのはわたしかザジさんだけでしょう。
   ザジさんには道案内をしてもらわなければなりません。
  ならここに残るのは消去法でわたしです。
  しかし、わたしがピリオドを取り出しマンティコアに向かおうとするのを止める人がいました。

「まてユウ、ここは俺達が残る」

「ユウはザジとオーブの魔方陣を止めに行ってくれ」

「カイさん、ジャギさん、ヤナギさん……しかし……」

「マンティコアが強力な魔物だって言うのは分かっている。
  だが、この先にはまだ魔王がいるかも知れない、マンティコアみたいな強力な魔物がいるかも知れない。
  なら、やはりここに残るのは俺達の役目だ」

「なに、俺達だってそう簡単にはやられたりはしないさ」

「……分かりました、よろしくお願いします。
  それとカイさん!」

「なんだ?」

「前にリーブン王国でカイさんの妹のナミさんに会いました。
  なんでもカイさんは『ビックになってやる』と言って家を飛び出したらしいですね。
  そろそろ帰ってあげないとダメですよ?」

「なんで今言うんだよ‼︎」

  日に焼けた頬を更に赤く染めながらカイさんが抗議します。

「約束ですよ」

「…………わかったよ」

  わたしはポーションが入ったマジックバッグを取り出しジャギさんに渡します。

「持っていて下さい。
  ポーションと、解毒ポーションです。
  マンティコアの毒にも効くはずです」

「たすかる」

  わたしは3人の用意が整った事を確認し、ザジさんとタイミングを合わせて走り出しました。

「邪魔です!」

  ピリオドを一振りし、マンティコアを弾き飛ばします。
  やはり硬いですね。
  多少弾き飛ばしましたが大したダメージは無さそうです。
  わたしとザジさんが通路に飛び込むと、マンティコアはわたし達を追いかけて通路に飛び込もうとします。
  しかし、そこにカイさんとジャギさんとヤナギさんがタイミングをずらして攻撃を入れて動きを止めてくれています。
  
「目的地はまだですか?」

「もう少しだ!」

  そうして目的地の手前だと言う部屋に到着したわたしとザジさんですが、目の前には魔族が1人だっています。

「それで、彼は何者ですか?」

「ああ、セルジュ……魔王だ」

  燕尾服をピシッと着こなした紳士が丁寧に腰を折ります。

「御機嫌よう、ザジ様。
  そちらの女性とは初めてお会いしますね。
  初めまして、私は魔王の1人を名乗らせて頂いております。
  セルジュと申します、以後お見知り置きを」

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