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神々の間では異世界転移がブームらしいです。第4部《新たなる神話》
14話 俺達と因縁
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ユウさん達と別れてしばらく、俺達はクルスの案内で、人数を減らしながらも邪神の玉座を目指して進んでいた。
リゼッタさんも道中、待ち受けていた魔王グレースを止める為に残り、他の冒険者も魔王の配下や魔物の相手をする為に別れて行き、現在は《精霊の紋章》のメンバーとクルスのみとなっている。
通路が少しずつ下りになっていた様で、既にここは地下になるらしい。
少し広い場所に出た。
俺達が進んで来た通路は橋の様になっており、遥か下では地下水が轟々と音を立てて流れている。
轟音と共に流れる水を見てクルスが呟く。
「流れが速い、外は雨かな……」
その橋の中央、俺達の前に現れたのは……
「…………コルダール‼︎」
ランスが怒りを押し殺す様な声を上げる。
俺も腹の底から燃え上がる様な怒りが込み上げて来る。
あいつは俺の村の人達に呪いを掛けて、更にカートの命を奪った奴だ。
「あぁん?
ちっ、てめぇらかぁ」
「ここを抜ければ後は一本道だ。
エリオくん、ここは僕が時間を稼ぐよ!」
クルスの言葉にコルダールが馬鹿にする様に挑発する。
「おいおい、クルス。
てめぇみてぇな裏切り者に、んな事できる訳ねぇだろ?」
「なに!」
「待て、クルス。
あいつは……あいつだけは俺達の手で倒す」
「…………わかった」
俺は決意を固め、クルスを止める。
クルスは俺の表情から何かを感じ取ったのか静かに頷いた。
「ちょっと待って」
俺達が武器を構えた時、ずっと黙っていたマーリンが一歩前に出る。
「んだぁ小娘ぇ?」
「光よ まやかしを打ち破り真実を晒せ 真実の光」
マーリンの杖の先からいくつもの光の筋が伸び、コルダールの身体を照らす。
「ちっ、クソがぁ!」
光に照らされたコルダールの姿は俺達に衝撃を与えた。
顔は大きく焼け爛れており、左目は完全に潰れている。
更に腕や首など肌が見えいる場所は例外なく火傷の跡が見て取れる。
「な、なんだと⁉︎」
「あいつ、ずっと幻影を纏っていたのよ」
「そうか……あの時のカートの魔法は無意味ではなかったんだな……」
俺はスラリと剣を抜く。
あの時の様な恐怖は無い。
「行くぞ、みんな!」
俺は剣を構えて駆け出した。
それに続く様にパーティメンバーとクルスもコルダールへと向かう。
「はっ!」
「ふん!」
ギンッ!
左下から右上に向けての切り上げをコルダールはナイフで受け止める。
ヒュッ!
空気を切り裂く様なジンの矢を軽く頭を傾けただけで躱すと、鍔迫り合っていた俺に蹴りを放つ。
俺が跳び退がると入れ替わる様にソフィアが前に飛び出し、大盾を叩きつけた。
ズザァァア!!
コルダールは腕を交差させてその衝撃に耐える。
「おおぉぉお」
「 ⁉︎ 」
しかし、防御の為に一瞬硬直したタイミングを狙ってバッカスの戦鎚がコルダールを襲う。
ズガッン!!!
足場の橋を叩き割らんとばかりに叩きつけられた戦鎚だったかが、コルダールはナイフで器用に受け流していた。
「重力場」
コルダールが移動した先、足元に魔方陣が発生する。
「ぐっ!」
魔方陣の中では通常の数倍の重力が発生していた。
一瞬にして数倍になった体重にコルダールの動きが鈍る。
「はぁぁあ!」
コルダールの隙を縫う様に懐に飛び込んだランスの拳がコルダールの胴を捉えた。
「がっは!」
拳を受けたコルダールは近くにあった柱を砕き、土埃の中に消えて行った。
リゼッタさんも道中、待ち受けていた魔王グレースを止める為に残り、他の冒険者も魔王の配下や魔物の相手をする為に別れて行き、現在は《精霊の紋章》のメンバーとクルスのみとなっている。
通路が少しずつ下りになっていた様で、既にここは地下になるらしい。
少し広い場所に出た。
俺達が進んで来た通路は橋の様になっており、遥か下では地下水が轟々と音を立てて流れている。
轟音と共に流れる水を見てクルスが呟く。
「流れが速い、外は雨かな……」
その橋の中央、俺達の前に現れたのは……
「…………コルダール‼︎」
ランスが怒りを押し殺す様な声を上げる。
俺も腹の底から燃え上がる様な怒りが込み上げて来る。
あいつは俺の村の人達に呪いを掛けて、更にカートの命を奪った奴だ。
「あぁん?
ちっ、てめぇらかぁ」
「ここを抜ければ後は一本道だ。
エリオくん、ここは僕が時間を稼ぐよ!」
クルスの言葉にコルダールが馬鹿にする様に挑発する。
「おいおい、クルス。
てめぇみてぇな裏切り者に、んな事できる訳ねぇだろ?」
「なに!」
「待て、クルス。
あいつは……あいつだけは俺達の手で倒す」
「…………わかった」
俺は決意を固め、クルスを止める。
クルスは俺の表情から何かを感じ取ったのか静かに頷いた。
「ちょっと待って」
俺達が武器を構えた時、ずっと黙っていたマーリンが一歩前に出る。
「んだぁ小娘ぇ?」
「光よ まやかしを打ち破り真実を晒せ 真実の光」
マーリンの杖の先からいくつもの光の筋が伸び、コルダールの身体を照らす。
「ちっ、クソがぁ!」
光に照らされたコルダールの姿は俺達に衝撃を与えた。
顔は大きく焼け爛れており、左目は完全に潰れている。
更に腕や首など肌が見えいる場所は例外なく火傷の跡が見て取れる。
「な、なんだと⁉︎」
「あいつ、ずっと幻影を纏っていたのよ」
「そうか……あの時のカートの魔法は無意味ではなかったんだな……」
俺はスラリと剣を抜く。
あの時の様な恐怖は無い。
「行くぞ、みんな!」
俺は剣を構えて駆け出した。
それに続く様にパーティメンバーとクルスもコルダールへと向かう。
「はっ!」
「ふん!」
ギンッ!
左下から右上に向けての切り上げをコルダールはナイフで受け止める。
ヒュッ!
空気を切り裂く様なジンの矢を軽く頭を傾けただけで躱すと、鍔迫り合っていた俺に蹴りを放つ。
俺が跳び退がると入れ替わる様にソフィアが前に飛び出し、大盾を叩きつけた。
ズザァァア!!
コルダールは腕を交差させてその衝撃に耐える。
「おおぉぉお」
「 ⁉︎ 」
しかし、防御の為に一瞬硬直したタイミングを狙ってバッカスの戦鎚がコルダールを襲う。
ズガッン!!!
足場の橋を叩き割らんとばかりに叩きつけられた戦鎚だったかが、コルダールはナイフで器用に受け流していた。
「重力場」
コルダールが移動した先、足元に魔方陣が発生する。
「ぐっ!」
魔方陣の中では通常の数倍の重力が発生していた。
一瞬にして数倍になった体重にコルダールの動きが鈍る。
「はぁぁあ!」
コルダールの隙を縫う様に懐に飛び込んだランスの拳がコルダールの胴を捉えた。
「がっは!」
拳を受けたコルダールは近くにあった柱を砕き、土埃の中に消えて行った。
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