189 / 2,091
剣鬼 闘技祭準備編
固有職
しおりを挟む
『精霊石はこの世界で最も強力な魔石です。レナさんがこれまでに扱ったカラドボルグもエクスカリバーも元々は精霊石の力を引き出すためだけの道具に過ぎません』
『じゃあ、本当に凄いのは精霊石という事?』
『そうとも言い切れませんよ。聖剣以外に精霊石の力を引き出せる道具は存在しませんからね。ちなみに七大魔剣は聖剣とは製造方法が異なるので精霊石は使用されていませんが、使い手の力量によっては精霊を吸収する事も出来ます』
『吸収?』
『まあ、その辺は別の機会で説明しますね。話を戻しますが、レミアの母親も彼女と同じく聖騎士の職業を習得していました。そして母親がレミアの父親となる人物と結婚した時、既にお腹の中に赤子を身籠っていました。ですが、生まれてくる子供の職業を占術士に占って貰った事が悲劇が始まりました』
『占術士?』
初めて聞く単語の職業にレナは疑問を抱くと、アイリスは簡単に職業の詳細を教える。
『要は占い師の職業です。但し、レナさんの世界の占い師と違ってこちらの占術士は他人のステータスを覗く事が出来ます。場合によっては生まれる前の状態の赤子のステータスも確認する事が出来ます』
『叔母様の鑑定みたいな能力?』
『そうですね。だけど、鑑定の場合だと完全にはステータスを読み取ることが出来ません。せいぜい名前や種族、レベルや残存しているSPが分かる程度です。ですが、占術士の場合はステータスを完全に解読できるだけではなく、まだ本人が覚えていない能力さえもどの時期に覚えるのかも見抜けます』
『それは凄いな』
占術士の職業の人間は他者のステータスを完全に読み取れるだけではなく、将来的にどのような能力を覚えられるのかも把握できるらしく、レミアの母親は生まれてくる子供のステータスを調べて貰ったらしい。
『占術士の調査の結果、残念ながら生まれてくる赤子は「騎士」の職業の人間だと判明しました。しかも2つの職業を持つ人間ではなく、固有職という1つだけしか職業が覚えられない子供が生まれてくる結果を先読みしてしまったんです』
『固有職……?』
『前にも話したことがあるかもしれませんけど、基本的にはこの世界の人間は生まれた時から二つの職業を所有しています。レナさんの場合だと支援魔術師と錬金術師ですね。しかし、世界の中には生まれた時から1つの職業しか覚えられない者は「固有職」と呼ばれています』
『固有職の場合だと何か不味いの?覚えられる能力が限られているとか?』
『いえ、普通ならば喜ぶべきことです。固有職の人間は通常の二重職の人間と違い、レベルの上昇率が非常に高く、能力も覚えやすいんです。一つの職業に特化しているからこそ成長速度が高いわけですね」
『二重職?』
『あ、すいません。二重職は二つの職業を覚える人間の事です。世界中の9割以上の人間が二重職となりますね』
固有職の人間は覚えられる能力の数は限られているが、通常の二重職の人間よりもレベルの上昇率が高く、能力の習得も早い。一方で二重職の人間は覚えられる能力の数が多い反面、レベルの上昇率が低い事になる。
『レミアの母親が懐妊した時は世継ぎを期待していた祖父母もこの結果を聞いて落胆しました。特に祖父は強い焦燥感を抱いていただけに落ち込むようは凄かったですよ』
『どうして?』
『十数年前はレミアの祖母が大将軍をだったんですよ。本来は子供が生まれたら跡を継がせるつもりだったんですが、御二人の間に出来た子供は一人だけでしかも普通の騎士の職業でした。だから孫が聖騎士の職業を継ぐことを祈っていたんですが、結果的には生まれてくる子供は普通の子供だと判明しました』
『でもレミアは聖騎士なんでしょ?』
『そう、そこが重要なんです。どうしてレミアが聖騎士に至ったのか……それは精霊石と母親が関係しています』
『……何をした?』
雰囲気が怪しくなってきたことを感じ取り、レナはレミアの身に何が起きたのかを問い質す。
『レミアの家の名前は「ルトリア家」レナさんのハヅキ家のように特別な家系なんです。彼等は白騎士レイナが受け取った聖属性の精霊石、つまりは聖光石を保管しています。本来は王家だけが所持する事を許される秘宝をルトリア家は所持しているんです』
『そうなの?でも、それがどう関係するわけ?』
『精霊石は魔石の中で最も強大な力を持ちます。装備し続けているだけで所有者の肉体に影響を与える事から管理の際は厳重に気を付けなければなりません。これをもしも人体に取り入れた場合、とんでもない現象が起きます』
『現象?』
『膨大な魔力が肉体に供給され、最終的には病のように肉体が衰弱し、死に至ります。しかし、ある特定の条件下で使用者が妊婦だった場合、生まれてくる子供にだけは悪影響を与えずに素晴らしい効果を発揮できます』
『まさか……!?』
『レミアが聖騎士になれた理由、それは彼女の母親がレミアがまだ体内に存在した時期に聖光石の欠片を飲用した事です。この事で母親は自分の肉体と引き換えにレミアの職業を聖騎士へと変化させる事に成功しました』
『自分の身を……犠牲にしたのか』
アイリスの言葉にレナは呆然と呟いてしまい、同時に言いようのない怒りを抱く。どうして母親を犠牲にしてまでレミアに「聖騎士」の職業を継がせたルトリア家の人間達に怒りを抱く。しかし、彼女の話はまだ終わっていなかった。
『じゃあ、本当に凄いのは精霊石という事?』
『そうとも言い切れませんよ。聖剣以外に精霊石の力を引き出せる道具は存在しませんからね。ちなみに七大魔剣は聖剣とは製造方法が異なるので精霊石は使用されていませんが、使い手の力量によっては精霊を吸収する事も出来ます』
『吸収?』
『まあ、その辺は別の機会で説明しますね。話を戻しますが、レミアの母親も彼女と同じく聖騎士の職業を習得していました。そして母親がレミアの父親となる人物と結婚した時、既にお腹の中に赤子を身籠っていました。ですが、生まれてくる子供の職業を占術士に占って貰った事が悲劇が始まりました』
『占術士?』
初めて聞く単語の職業にレナは疑問を抱くと、アイリスは簡単に職業の詳細を教える。
『要は占い師の職業です。但し、レナさんの世界の占い師と違ってこちらの占術士は他人のステータスを覗く事が出来ます。場合によっては生まれる前の状態の赤子のステータスも確認する事が出来ます』
『叔母様の鑑定みたいな能力?』
『そうですね。だけど、鑑定の場合だと完全にはステータスを読み取ることが出来ません。せいぜい名前や種族、レベルや残存しているSPが分かる程度です。ですが、占術士の場合はステータスを完全に解読できるだけではなく、まだ本人が覚えていない能力さえもどの時期に覚えるのかも見抜けます』
『それは凄いな』
占術士の職業の人間は他者のステータスを完全に読み取れるだけではなく、将来的にどのような能力を覚えられるのかも把握できるらしく、レミアの母親は生まれてくる子供のステータスを調べて貰ったらしい。
『占術士の調査の結果、残念ながら生まれてくる赤子は「騎士」の職業の人間だと判明しました。しかも2つの職業を持つ人間ではなく、固有職という1つだけしか職業が覚えられない子供が生まれてくる結果を先読みしてしまったんです』
『固有職……?』
『前にも話したことがあるかもしれませんけど、基本的にはこの世界の人間は生まれた時から二つの職業を所有しています。レナさんの場合だと支援魔術師と錬金術師ですね。しかし、世界の中には生まれた時から1つの職業しか覚えられない者は「固有職」と呼ばれています』
『固有職の場合だと何か不味いの?覚えられる能力が限られているとか?』
『いえ、普通ならば喜ぶべきことです。固有職の人間は通常の二重職の人間と違い、レベルの上昇率が非常に高く、能力も覚えやすいんです。一つの職業に特化しているからこそ成長速度が高いわけですね」
『二重職?』
『あ、すいません。二重職は二つの職業を覚える人間の事です。世界中の9割以上の人間が二重職となりますね』
固有職の人間は覚えられる能力の数は限られているが、通常の二重職の人間よりもレベルの上昇率が高く、能力の習得も早い。一方で二重職の人間は覚えられる能力の数が多い反面、レベルの上昇率が低い事になる。
『レミアの母親が懐妊した時は世継ぎを期待していた祖父母もこの結果を聞いて落胆しました。特に祖父は強い焦燥感を抱いていただけに落ち込むようは凄かったですよ』
『どうして?』
『十数年前はレミアの祖母が大将軍をだったんですよ。本来は子供が生まれたら跡を継がせるつもりだったんですが、御二人の間に出来た子供は一人だけでしかも普通の騎士の職業でした。だから孫が聖騎士の職業を継ぐことを祈っていたんですが、結果的には生まれてくる子供は普通の子供だと判明しました』
『でもレミアは聖騎士なんでしょ?』
『そう、そこが重要なんです。どうしてレミアが聖騎士に至ったのか……それは精霊石と母親が関係しています』
『……何をした?』
雰囲気が怪しくなってきたことを感じ取り、レナはレミアの身に何が起きたのかを問い質す。
『レミアの家の名前は「ルトリア家」レナさんのハヅキ家のように特別な家系なんです。彼等は白騎士レイナが受け取った聖属性の精霊石、つまりは聖光石を保管しています。本来は王家だけが所持する事を許される秘宝をルトリア家は所持しているんです』
『そうなの?でも、それがどう関係するわけ?』
『精霊石は魔石の中で最も強大な力を持ちます。装備し続けているだけで所有者の肉体に影響を与える事から管理の際は厳重に気を付けなければなりません。これをもしも人体に取り入れた場合、とんでもない現象が起きます』
『現象?』
『膨大な魔力が肉体に供給され、最終的には病のように肉体が衰弱し、死に至ります。しかし、ある特定の条件下で使用者が妊婦だった場合、生まれてくる子供にだけは悪影響を与えずに素晴らしい効果を発揮できます』
『まさか……!?』
『レミアが聖騎士になれた理由、それは彼女の母親がレミアがまだ体内に存在した時期に聖光石の欠片を飲用した事です。この事で母親は自分の肉体と引き換えにレミアの職業を聖騎士へと変化させる事に成功しました』
『自分の身を……犠牲にしたのか』
アイリスの言葉にレナは呆然と呟いてしまい、同時に言いようのない怒りを抱く。どうして母親を犠牲にしてまでレミアに「聖騎士」の職業を継がせたルトリア家の人間達に怒りを抱く。しかし、彼女の話はまだ終わっていなかった。
14
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。