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闘技祭 決戦編
四騎士のジダンVS剣聖のシュン
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「俺にとっては王国四騎士なんて大層な称号なんてどうでもいいんだよ。はっきり言って、面倒臭い」
「面倒臭いだと!?そんな理由で貴様は……!!」
「どうだっていいだろ?それにお零れだろうが何だろうがお前は四騎士に選ばれたんだ。何でそれが不満なんだよ」
「お前に……お前に俺の気持ちが分かるのか!!どれほど功績を立てようと影で成り上がりの騎士とバカにされた俺の気持ちを……!!」
ジダンが王国四騎士として就任した後、彼は周囲の人間から疎まれていた。理由としてはデブリが彼ではなく、シュンやハヤテを四騎士に迎え入れようとしていた事が大きく、実力はあるのにジダンは常に二人と比べられていた。彼が功績を立てようと「シュンやハヤテならもっと上手く出来た」と影口を言われ、逆に何らかの失態を犯すと「シュンやハヤテならこんな失敗をしなかった」と嘆かれる。
だからこそジダンは誇りある四騎士に就任したにも関わらずに肌身の狭い思いをしており、自分が四騎士に相応しい人間である事を示すためにこの闘技祭でシュンを打ち倒し、実力を認めさせようと考えていた。しかし、そんな彼に対してシュンは悪びれもせずに告げた。
「知った事かよ。お前の気持ちを何で俺が理解しないといけないんだよ。人を恨むぐらいなら他の奴等から認められる程の力を見せつければいいだろ」
「知った風な口をほざくな!!お前が俺にそれを言うのか!!何が剣聖だ……そんな称号如きでいい気になって威張るな!!」
「……何だと?」
剣聖の称号を口にしたジダンに対し、シュンは目つきを鋭くさせて睨みつける。その気迫にジダンは無意識に後退り、彼から異様な怒気を感じ取る。
「お前……俺が剣聖の称号を得るまでにどれだけの物を犠牲にしたのか知っているのか?」
「な、何だ急に……」
「こっちはよぉっ……優れ過ぎた師匠のせいでガキの頃から苦労させられてんだよ!!どんなに頑張っても師匠には及ばねえ、周りからも認められねえ、実の親からも期待されなくなった……だから何もかもどうでもよくなったんだよ……あいつと出会うまではな」
「何の話を……!?」
シュンは話の途中で観客席に視線を向け、特等席に座っているレナを睨みつける。唐突に顔を向けられたレナは戸惑うが、そんな顔を見てシュンは笑みを浮かべた。
「師匠以外で俺の事を虚仮にした奴はゴウライ以来だ。正直、年下のガキに負けるはずがないと思い込んでいた……だが、そんな自惚れが俺を腑抜けにしていたんだな。だから俺は見栄を張るのを止めて師匠に土下座までして修行をやり直した。強くなるためなら何だってする、そういう気持ちが今までの俺は薄かったんだよ」
「何を、言っている……」
「お前は少し前の俺なんだよ。自分の弱さを人のせいにして、自分は悪くないと思い込んでいるガキなんだよ!!違うのなら俺を倒して証明して見せろ、そうしたらお前の事を認めてやるよ」
「くっ……その言葉、忘れるな!!」
『あの……もう他の二人の選手も集まっているんですけど』
二人が口論している間にもラビットは選手の紹介を終えて居たらしく、盾を構えた巨人族と槍を構えた獣人族が存在した。どちらも気まずそうな表情でシュンとジダンを見つめており、渋々と二人もお互いの距離を取る。
「てめえが俺に劣っていないというのなら証明してみやがれクソガキ」
「いいだろう……王国四騎士の力、見せてやる!!」
「けっ……またそれか」
あくまでも「王国四騎士」である事を強調するジダンに対し、シュンは溜息を吐きながら指定の黒柱に移動する。全員が準備を整えると、解説役のラビットが試合開始の合図を放つ。
『試合……開始っ!!』
試合が始まった瞬間、ジダンは真っ先にシュンに狙いを定めて駆け出す。そんな彼の行動を予測していた様にシュンは剣を鞘に納めたまま動かず、黙ってジダンが接近するのを待つ。
(臆したかっ!!)
動く様子がないシュンにジダンは怒りを抱きながらも装着した鍵爪を構え、腕を捩じらせる。彼は生まれつきに身体が柔らかく、常人では捩じる事が出来ない角度まで腕を回転する事が出来た。回転を加えた鍵爪の斬撃を防がれた事は一度もなく、ジダンは動かぬシュンに両腕を突き出す。
「喰らえっ!!」
「――馬鹿がっ!!」
自分に突き出された鍵爪に対し、シュンは剣を引き抜くのと同時に横薙ぎに振り払い、正面から鍵爪を受け止める。今までに一度たりとも止められた事がないジダンの鍵爪がシュンの刃に触れた瞬間、金属音が響き渡る。
「なっ……!?」
ジダンの視界に砕かれた鍵爪の刃が空中に弾かれる光景が映し出され、剣を振り抜いたシュンは反対の腕でジダンの肩を掴み、無理やりに引き寄せると同時に頭突きを食らわせた。
「じゃあなっ!!」
「ふぐぅっ!?」
二人の額が衝突し、血が流れる程に強く叩きつけられたジダンは意識を失い、その場に倒れこむ。その様子を頭を抑えながらもシュンは見下ろし、剣を肩に乗せながら完全に気絶したジダンに呟く。
「今度から自慢するときは……てめえの力だけで果たした武勇でも語りやがれ。王国四騎士の称号に何時までも捉われている限り、お前は一生強くなれねえよ……」
少し前までは「剣聖」の称号に拘り過ぎていたシュンはジダンが「王国四騎士」という称号に拘る気持ちは理解できなくもない。だからこそ今回の敗北で彼が称号に拘り過ぎる事を止めるように助言するが、既に意識を失っているジダンの耳には届いては居なかった――
「面倒臭いだと!?そんな理由で貴様は……!!」
「どうだっていいだろ?それにお零れだろうが何だろうがお前は四騎士に選ばれたんだ。何でそれが不満なんだよ」
「お前に……お前に俺の気持ちが分かるのか!!どれほど功績を立てようと影で成り上がりの騎士とバカにされた俺の気持ちを……!!」
ジダンが王国四騎士として就任した後、彼は周囲の人間から疎まれていた。理由としてはデブリが彼ではなく、シュンやハヤテを四騎士に迎え入れようとしていた事が大きく、実力はあるのにジダンは常に二人と比べられていた。彼が功績を立てようと「シュンやハヤテならもっと上手く出来た」と影口を言われ、逆に何らかの失態を犯すと「シュンやハヤテならこんな失敗をしなかった」と嘆かれる。
だからこそジダンは誇りある四騎士に就任したにも関わらずに肌身の狭い思いをしており、自分が四騎士に相応しい人間である事を示すためにこの闘技祭でシュンを打ち倒し、実力を認めさせようと考えていた。しかし、そんな彼に対してシュンは悪びれもせずに告げた。
「知った事かよ。お前の気持ちを何で俺が理解しないといけないんだよ。人を恨むぐらいなら他の奴等から認められる程の力を見せつければいいだろ」
「知った風な口をほざくな!!お前が俺にそれを言うのか!!何が剣聖だ……そんな称号如きでいい気になって威張るな!!」
「……何だと?」
剣聖の称号を口にしたジダンに対し、シュンは目つきを鋭くさせて睨みつける。その気迫にジダンは無意識に後退り、彼から異様な怒気を感じ取る。
「お前……俺が剣聖の称号を得るまでにどれだけの物を犠牲にしたのか知っているのか?」
「な、何だ急に……」
「こっちはよぉっ……優れ過ぎた師匠のせいでガキの頃から苦労させられてんだよ!!どんなに頑張っても師匠には及ばねえ、周りからも認められねえ、実の親からも期待されなくなった……だから何もかもどうでもよくなったんだよ……あいつと出会うまではな」
「何の話を……!?」
シュンは話の途中で観客席に視線を向け、特等席に座っているレナを睨みつける。唐突に顔を向けられたレナは戸惑うが、そんな顔を見てシュンは笑みを浮かべた。
「師匠以外で俺の事を虚仮にした奴はゴウライ以来だ。正直、年下のガキに負けるはずがないと思い込んでいた……だが、そんな自惚れが俺を腑抜けにしていたんだな。だから俺は見栄を張るのを止めて師匠に土下座までして修行をやり直した。強くなるためなら何だってする、そういう気持ちが今までの俺は薄かったんだよ」
「何を、言っている……」
「お前は少し前の俺なんだよ。自分の弱さを人のせいにして、自分は悪くないと思い込んでいるガキなんだよ!!違うのなら俺を倒して証明して見せろ、そうしたらお前の事を認めてやるよ」
「くっ……その言葉、忘れるな!!」
『あの……もう他の二人の選手も集まっているんですけど』
二人が口論している間にもラビットは選手の紹介を終えて居たらしく、盾を構えた巨人族と槍を構えた獣人族が存在した。どちらも気まずそうな表情でシュンとジダンを見つめており、渋々と二人もお互いの距離を取る。
「てめえが俺に劣っていないというのなら証明してみやがれクソガキ」
「いいだろう……王国四騎士の力、見せてやる!!」
「けっ……またそれか」
あくまでも「王国四騎士」である事を強調するジダンに対し、シュンは溜息を吐きながら指定の黒柱に移動する。全員が準備を整えると、解説役のラビットが試合開始の合図を放つ。
『試合……開始っ!!』
試合が始まった瞬間、ジダンは真っ先にシュンに狙いを定めて駆け出す。そんな彼の行動を予測していた様にシュンは剣を鞘に納めたまま動かず、黙ってジダンが接近するのを待つ。
(臆したかっ!!)
動く様子がないシュンにジダンは怒りを抱きながらも装着した鍵爪を構え、腕を捩じらせる。彼は生まれつきに身体が柔らかく、常人では捩じる事が出来ない角度まで腕を回転する事が出来た。回転を加えた鍵爪の斬撃を防がれた事は一度もなく、ジダンは動かぬシュンに両腕を突き出す。
「喰らえっ!!」
「――馬鹿がっ!!」
自分に突き出された鍵爪に対し、シュンは剣を引き抜くのと同時に横薙ぎに振り払い、正面から鍵爪を受け止める。今までに一度たりとも止められた事がないジダンの鍵爪がシュンの刃に触れた瞬間、金属音が響き渡る。
「なっ……!?」
ジダンの視界に砕かれた鍵爪の刃が空中に弾かれる光景が映し出され、剣を振り抜いたシュンは反対の腕でジダンの肩を掴み、無理やりに引き寄せると同時に頭突きを食らわせた。
「じゃあなっ!!」
「ふぐぅっ!?」
二人の額が衝突し、血が流れる程に強く叩きつけられたジダンは意識を失い、その場に倒れこむ。その様子を頭を抑えながらもシュンは見下ろし、剣を肩に乗せながら完全に気絶したジダンに呟く。
「今度から自慢するときは……てめえの力だけで果たした武勇でも語りやがれ。王国四騎士の称号に何時までも捉われている限り、お前は一生強くなれねえよ……」
少し前までは「剣聖」の称号に拘り過ぎていたシュンはジダンが「王国四騎士」という称号に拘る気持ちは理解できなくもない。だからこそ今回の敗北で彼が称号に拘り過ぎる事を止めるように助言するが、既に意識を失っているジダンの耳には届いては居なかった――
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