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闘技祭 決戦編
リンダの実力
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――予選試合は順調に進み、昼の時刻を迎えようとする頃には半分近くの予選突破者が存在した。特等席には試合を終えた予選参加者の姿もあり、その中で予選を勝ち抜いた「15名」の参加者は午前最後の試合に注目していた。
『お待たせしました!!これより午前の部の予選最終試合を始めます!!試合終了後は1時間の休憩を挟み、午後の部を始めますのでご注意ください!!』
「もうそんなに時間が経っていたのか……昼はどうしようか?」
「なんか適当な物でも買ってここで過ごせばいいじゃねえか?まあ、間違っても俺達に真面な物を売ってくれるとは思わねえけどよ」
「その点は大丈夫でござる。後でうちの冒険者が差し入れを持ってきてくれる手筈でござる。皆の分も用意しているので安心して欲しいでござる」
闘技場に居る間は食事に関しても気を配る必要があり、間違っても闘技場内で販売している食料品は口に出来ない。警戒しすぎかもしれないが、用心は必要である。レナはハンゾウの話を聞いて彼女に振り返り、耳元で囁く。
「最初の試合に出ていた仮面の人はどうなったか調べてくれた?」
「あの女剣士でござるな?レナ殿に頼まれて拙者も調べて見たでござるが、既に闘技場にはいない様でござるが……何か気になるのでござるか?」
「うん、まあ気になるというか……何か知り合いと似ているんだよね」
確証は持てないがレナは最初の試合に出場した仮面の女剣士の事が気にかかり、本当ならばアイリスに相談して彼女の正体を探りたい所だが、現在はとある事情で彼女と交信ができない。なのでハンゾウに調査を依頼したのだが、既に闘技場を立ち去っているのかハンゾウでも居場所は掴めなかったという。
「そういえば先ほど、バル殿とマリア殿も見かけたでござる。何故か人気の無い場所でバル殿が正座してマリア殿に怒られていたでござる」
「え?あの二人も来てるの!?観客席で見かけなかったからチケット買い忘れていたのかと思ってた……」
「それはないでござるよ……というか、仮にも冒険都市の管理者の席を用意しないのはおかしいでござる」
「王妃の陰湿な嫌がらせなら有り得そうじゃん」
「それは否定しにくいでござるが……」
マリアが観客席の前売り券購入するために並んでいるところ、王妃が売り子になって彼女の番が回ってきたときに前売り券を完売した事を伝える光景を想像し、レナはちょっと噴き出してしまう。そんな彼にハンゾウは訝し気な表情を浮かべながらも試合場を指差す。
「ほら、話している間に試合に選手が集まっているござるよ。おおっ!!あれはリンダ殿でござる!!」
「あ、本当だ。リンダさんが出場するのか……そういえば午後の部に出場する選手はどうするんだろう。試合場で待機のまま?」
「それはないと思うでござるが……ぬう?おかしいでござるな」
「どうかした?」
「いや、残りの選手の中にハヤテ殿の姿が……」
『では試合を開始します!!午前の部、最終試合……始めっ!!』
ハンゾウが言葉を言い終える前にラビットの開始の合図が響き渡り、レナは試合場に集中する。出場選手の中で顔見知りはリンダだけだが、彼女の他に存在するのは全員が巨人族だった。
「ぬおおおっ!!」
最初に動いたのは鎧を身に纏い、巨大な斧を抱えた巨人であり、リンダに向けて駆け出す。自分に接近する巨人に視線を向けたリンダは右足を前に出すと、巨人との距離が2メートルにまで迫ると彼女は地面を強く踏み込む。
「はっ!!」
「うおおっ!?」
リンダの右足の裏から強烈な衝撃が地面に伝わり、振動と化して巨人の身体を浮き上がらせる。巨人は体勢を保てずに前のめりに倒れ込み、それを確認したリンダは両手を差し出して自分の元へ倒れてくる巨人に得意とする戦技を放つ。
「発徑!!」
「ぐおおっ!?」
相手に触れた状態で外側ではなく、内側に衝撃を与える戦技が発動させ、リンダは頑丈な鎧に守られている巨人を吹き飛ばす。鎧に包まれていようと彼女の発徑を防ぐ事は出来ず、巨人は泡を噴いて倒れこみ、気絶してしまう。その光景に観客は圧倒され、何が起きたのか理解するのに時間が掛かった。
「す、凄まじいでござるな……あれがリンダ殿の発徑でござるか」
「傭兵仲間にも格闘家の職業の人間はいるけど、あれほど凄まじい威力の発徑は見た事ないわ」
ハンゾウは試合場の光景に冷や汗を流し、何時の間にかレナの隣に立っていたシズネも驚いた表情を浮かべる。その一方でリンダの実力を知っているレナとシュンは黙って彼女の姿を観察し、協力関係を築いているとはいえ、本戦で戦う可能性がある以上はリンダの実力を測る必要がある。
「ふうっ……」
試合開始早々に巨人の一人を打ち倒したリンダは残りの二人の巨人に視線を向けようとした時、既に試合場の反対側の方でも巨人同士が激戦を繰り広げている事に気付く。
『お待たせしました!!これより午前の部の予選最終試合を始めます!!試合終了後は1時間の休憩を挟み、午後の部を始めますのでご注意ください!!』
「もうそんなに時間が経っていたのか……昼はどうしようか?」
「なんか適当な物でも買ってここで過ごせばいいじゃねえか?まあ、間違っても俺達に真面な物を売ってくれるとは思わねえけどよ」
「その点は大丈夫でござる。後でうちの冒険者が差し入れを持ってきてくれる手筈でござる。皆の分も用意しているので安心して欲しいでござる」
闘技場に居る間は食事に関しても気を配る必要があり、間違っても闘技場内で販売している食料品は口に出来ない。警戒しすぎかもしれないが、用心は必要である。レナはハンゾウの話を聞いて彼女に振り返り、耳元で囁く。
「最初の試合に出ていた仮面の人はどうなったか調べてくれた?」
「あの女剣士でござるな?レナ殿に頼まれて拙者も調べて見たでござるが、既に闘技場にはいない様でござるが……何か気になるのでござるか?」
「うん、まあ気になるというか……何か知り合いと似ているんだよね」
確証は持てないがレナは最初の試合に出場した仮面の女剣士の事が気にかかり、本当ならばアイリスに相談して彼女の正体を探りたい所だが、現在はとある事情で彼女と交信ができない。なのでハンゾウに調査を依頼したのだが、既に闘技場を立ち去っているのかハンゾウでも居場所は掴めなかったという。
「そういえば先ほど、バル殿とマリア殿も見かけたでござる。何故か人気の無い場所でバル殿が正座してマリア殿に怒られていたでござる」
「え?あの二人も来てるの!?観客席で見かけなかったからチケット買い忘れていたのかと思ってた……」
「それはないでござるよ……というか、仮にも冒険都市の管理者の席を用意しないのはおかしいでござる」
「王妃の陰湿な嫌がらせなら有り得そうじゃん」
「それは否定しにくいでござるが……」
マリアが観客席の前売り券購入するために並んでいるところ、王妃が売り子になって彼女の番が回ってきたときに前売り券を完売した事を伝える光景を想像し、レナはちょっと噴き出してしまう。そんな彼にハンゾウは訝し気な表情を浮かべながらも試合場を指差す。
「ほら、話している間に試合に選手が集まっているござるよ。おおっ!!あれはリンダ殿でござる!!」
「あ、本当だ。リンダさんが出場するのか……そういえば午後の部に出場する選手はどうするんだろう。試合場で待機のまま?」
「それはないと思うでござるが……ぬう?おかしいでござるな」
「どうかした?」
「いや、残りの選手の中にハヤテ殿の姿が……」
『では試合を開始します!!午前の部、最終試合……始めっ!!』
ハンゾウが言葉を言い終える前にラビットの開始の合図が響き渡り、レナは試合場に集中する。出場選手の中で顔見知りはリンダだけだが、彼女の他に存在するのは全員が巨人族だった。
「ぬおおおっ!!」
最初に動いたのは鎧を身に纏い、巨大な斧を抱えた巨人であり、リンダに向けて駆け出す。自分に接近する巨人に視線を向けたリンダは右足を前に出すと、巨人との距離が2メートルにまで迫ると彼女は地面を強く踏み込む。
「はっ!!」
「うおおっ!?」
リンダの右足の裏から強烈な衝撃が地面に伝わり、振動と化して巨人の身体を浮き上がらせる。巨人は体勢を保てずに前のめりに倒れ込み、それを確認したリンダは両手を差し出して自分の元へ倒れてくる巨人に得意とする戦技を放つ。
「発徑!!」
「ぐおおっ!?」
相手に触れた状態で外側ではなく、内側に衝撃を与える戦技が発動させ、リンダは頑丈な鎧に守られている巨人を吹き飛ばす。鎧に包まれていようと彼女の発徑を防ぐ事は出来ず、巨人は泡を噴いて倒れこみ、気絶してしまう。その光景に観客は圧倒され、何が起きたのか理解するのに時間が掛かった。
「す、凄まじいでござるな……あれがリンダ殿の発徑でござるか」
「傭兵仲間にも格闘家の職業の人間はいるけど、あれほど凄まじい威力の発徑は見た事ないわ」
ハンゾウは試合場の光景に冷や汗を流し、何時の間にかレナの隣に立っていたシズネも驚いた表情を浮かべる。その一方でリンダの実力を知っているレナとシュンは黙って彼女の姿を観察し、協力関係を築いているとはいえ、本戦で戦う可能性がある以上はリンダの実力を測る必要がある。
「ふうっ……」
試合開始早々に巨人の一人を打ち倒したリンダは残りの二人の巨人に視線を向けようとした時、既に試合場の反対側の方でも巨人同士が激戦を繰り広げている事に気付く。
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