不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?

カタナヅキ

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都市崩壊編

ゴブリンキングVSレナ

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『ウギィイイイイッ!!』
「この声は……!?」
「やはりここに隠れていたかっ!!」


通路内にゴブリンの鳴き声が響き渡り、車輪の音が鳴り響く。レナ達の前方に存在する線路から巨大なトロッコが出現した。遂に姿を現したゴブリンキングは押し運んでいたトロッコを蹴り上げると、中に山積みされていた黒色の鉱石が通路内にばら撒かれる。


『フゥンッ!!』
「うわっ!?何だっ!?」
「こいつは……不味い!!火属性の魔石の原石だぞ!?」


広範囲に散らばった鉱石の正体に気付いたシュンが声を上げると、ゴブリンキングは腰に差していた大太刀を引き抜き、再び地面に突き刺そうとした。もしも密封された空間内で火属性の原石に炎が襲い掛かった瞬間、通路内は爆炎に飲み込まれる事は間違いなく、レナ達は跡形もなく吹き飛ばされてしまうだろう。


『ギィイイイッ!!』
「させるかっ!!」


ゴブリンキングが大太刀を振り翳した瞬間、咄嗟にシュンが刀身が半ば折れた剣を振り払って「風の斬撃」を生み出す。しかし、地上で発現させた時と比べると威力も規模も弱体化されており、シュン本人は手首を切り裂くつもりで放ったのだが、ゴブリンキングの手元を弾いた程度で皮膚に傷を付ける事も出来なかった。


『ギィアッ……!?』
「くそっ……掠り傷さえ負わせられないのかよ!?」
「退け!!俺が仕留める!!」


どうにか攻撃を止める事には成功したが、損傷を与える事も出来ない程に弱体化した自分の技にシュンは嘆き、今度はアカイが右腕を振り翳してゴブリンキングの腹部に拳を放つ。


「乱撃!!」
『ウギィッ……!?』


両腕に小規模の竜巻を纏わせながらアカイが何発も拳を叩きつけるが、地上の時と比べて速度も威力も大きく劣る彼の攻撃ではゴブリンキングに致命傷どころか損傷すら与える事は出来ない。それどころか煩わしいとばかりにゴブリンキングは腕を振り払い、アカイの顔面を裏拳で叩きつける。


『フギィッ!!』
「ぐはぁっ!?」
「カイ!!」


地上に居た際はゴブリンキングが仕掛けた至近距離からの「紅蓮」の爆発にも耐えきったアカイだが、地下通路内では王国四騎士最強の防御力も発揮できず、顔面を打ち付けられて壁に激突してしまう。絶命は免れたが、頭部に強い衝撃を受けた影響で気絶してしまい、壁に背中を預ける形で倒れこんでしまう。


「くそ、だから油断するなと言っただろうが……うおっ!?」
『ウギィッ!!』


今度はシュンに標的を定めたゴブリンキングが大太刀を振り回し、慌ててシュンは距離を取って刃を躱す。ゴブリンキングが所持する紅蓮は物体に衝突した際に爆炎を生み出す魔剣のため、もしも地面に散らばっている火属性の魔石の原石に炎が燃え移れば大惨事になる。


「おい、坊主!!お前もしっかりと戦いやがれ……坊主?」


戦闘の最中にシュンは先ほどからゴブリンキングに攻撃を仕掛けないレナを怒鳴りつけようとするが、何時の間にか通路内にレナの姿が消えている事に気付く。慌ててシュンは背後を振り返り、地上への唯一の出入口である天井の穴を確認するがレナの姿は確認できない。


「あの野郎、まさか一人で逃げたのか!?」
『ギィアアアアッ!!』


自分達を置いて先に逃げ出したのかと驚愕の声を上げるシュンに対し、隙を逃さずにゴブリンキングは大太刀を構え、横薙ぎに振り払う。剣の腕は素人同然だが、尋常ではない腕力から繰り出される攻撃は剣聖であるシュンでさえも見切るのが精いっぱいであり、回避する事も出来ずにシュンの肉体が壁に叩きつけられた。


「ぐあっ……!?」
『ギィイッ!!』


折れた剣を盾代わりにする事で直撃は免れたシュンだが、想像以上の一撃の重さに肉体は吹き飛ばされ、壁に叩きつけられてしまう。背中を強打しただけでは収まらず、鼻と目から血を流しながらシュンの肉体が先ほどのカイと同様に地面に倒れてしまう。


「くそ、がっ……!?」
『ギギィッ……!!』


勝利を確信したようにゴブリンキングは笑みを浮かべてシュンの元へ移動すると、刃を振り下ろそうとした。しかし、そんなゴブリンキングの背後から「隠密」のスキルで気配を完全に殺していたレナが姿を現す。


「刺突っ!!」
『ギャアァアアアッ!?』


通路内に血飛沫が舞い上がり、ゴブリンキングの背後からレナは鎧の隙間に正確に反鏡剣の刃を突き刺した。背中を突き刺されたゴブリンキングは悲鳴を上げて必死にレナを振り払おうとするが、先に反鏡剣を引き抜いたレナは今度は反対の腕に握りしめていた退魔刀を振り翳し、全力の一撃を放つ。


「加速剣撃……旋風!!」
『ギィアッ……!?』


強烈な一撃がゴブリンキングを襲い、巨体が壁際にまで吹き飛ばされ、その拍子に握りしめていた大太刀が地面に手放してしまう。
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