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都市崩壊編
通路の先には
「よっと」
「おい、無暗に入って大丈夫なのか!?」
レナはシュンの制止の言葉を耳にしながらも通路の中に入り込み、あまりの異臭に顔を顰めるが、耐え切れない程ではない。暗闇に支配された通路を照らすために光球の魔法を発動させると、巨人族でも通貨出来る程に天井が高く、更にトロッコを運び出すようなレールまで配置されている事が判明した。そして通路内にはゴブリンキングと思われる足跡が存在し、通路の奥へ足跡は続いていた。
「この足跡……やっぱりここに隠れていたのか」
「何だと?」
アカイが穴の中に飛び込み、通路に存在するゴブリンキングの足跡を確認すると、即座に追いかけようとした。しかし、そんな彼の肩をレナが掴んで引き留める。
「待って下さい、迂闊に追いかけると危険です」
「知った事か!!あの程度の相手、俺一人で十分だ!!」
「ここは地下なんですよ?この場所で派手に暴れたら地上がどうなるか……」
「坊主の言う通りだ。少しは落ち着きやがれ馬鹿が」
「ぐっ……」
続けてシュンも穴の中に飛び込み、レナの言葉に同意する。追跡する事自体は否定はしないが、迂闊に地下通路で戦闘を行えば地上も大きな影響を受けるだろう。ゴブリンキングの所持している紅蓮は爆発を引き起こす妖刀である以上、戦闘に突入すれば地下通路その物を崩壊する危険性も高い。
「だが、ここでみすみすと奴を逃がすわけには行かん」
「分かっているよ。だけどな、この場所だと風の精霊も上手く扱えねえ……俺もお前も万全には戦えないんだぞ?」
「え?そうなんですか?」
「ああ、精霊魔法は環境によって大きく効果が変化する。こんな碌に換気もされてなさそうな地下の空間だと風の精霊も呼び集める事も難しいんだよ」
シュンとアカイの扱う戦法は風の精霊に大部分に依存されてしまうため、密封されている空間では風の精霊を呼び集める事も難しい。そのため、通路を進む場合は二人は地上に居た時のようには戦えないという。
「シュン、怖気付いたのならお前は残れ。俺は一人でも行くぞ」
「馬鹿かお前は?一人でどうにか出来る相手じゃねえだろ!!王国四騎士だか何だか知らないが下らねえプライドなんて捨てちまえっ!!」
「ふんっ……俺は行くぞ」
「あ、待って下さい!!」
シュンの制止の言葉を無視して先に歩もうとするアカイに対し、レナは慌てて後を追いかける。シュンも仕方なく二人の後を追い、通路に残された足跡を辿って奥へ進む。
「くそ、鼻がひん曲がりそうだな……だが、下水の臭いじゃねえな」
「……この臭いは血だ。壁をよく見てみろ、血の跡が残っているだろう」
「あ、本当だ……」
通路を充満している異臭の正体は下水ではなく、通路内の至る箇所に付着した血の臭いだと判明する。過去にこの場所で大勢の人間が血を流したのか至る場所に血痕が残っており、その中には明らかに最近に染み付いた血も存在した。まるで拷問所の中に入り込んだ気分に陥り、冒険都市に長らく住むシュンもこのような地下通路が存在する事を知らなかった。
「おいおいマジかよ……この都市にこんな場所があるなんて聞いた事がねえぞ」
「この都市はかつて存在した帝国の都だと聞いている……この地下通路も帝国時代に築かれた物かも知れん」
アカイの言葉にレナはアイリスから教わった話を思い出し、冒険都市の地下通路は帝国時代に築かれた物だと聞いている。そして旧帝国の末裔である王妃は地下通路の存在を知り尽くしており、この通路を通じて魔獣兵を送り込んだという。
(アイリス!!駄目か……まだ交信出来ない。という事はこの近くにホネミンがいるのか?)
アイリスと交信を行おうとしても繋がらず、考えられるとしたらホネミンがレナからそれほど離れていない場所に存在する事になるが、どうして闘技場に向かったはずの彼女が冒険都市に戻ってきたのかが分からない。仮に敵に掴まって拘束されたと推定した場合、どうやって王妃達がレナ達とホネミンの関係を知ったのかが不明である。
(それにしてもかなり動き回っているのにアイリスと交信出来ないなんて……ホネミンは何処にいるんだ?)
ホネミンが存在しない場所にレナが移動すればアイリスと交信して現在の状況を確認出来るが、彼女が存在する正確な位置を把握しなければ迂闊に動き回る事は出来ない。今はゴブリンキングを倒す事だけにレナは集中すると、先頭を走っていたアカイが唐突に立ち止まった。
「……この音は」
「どうかしたんですか?」
「しっ!!何か聞こえるな……」
人間よりも聴覚が鋭い森人族であるアカイとシュンは何かを感じ取ったように立ち止まり、二人に習ってレナも耳を研ぎ澄ませると、僅かにだが物音が聞こえた。それと同時に通路内に振動が走り、徐々に地震のように振動が強まる。
「何だ!?」
「これは……レールだ!!奥から何かが来るぞ!!」
アカイが通路の中心に設置されているレールを警戒するように告げた瞬間、前方の通路から強烈な光が放たれた。
「おい、無暗に入って大丈夫なのか!?」
レナはシュンの制止の言葉を耳にしながらも通路の中に入り込み、あまりの異臭に顔を顰めるが、耐え切れない程ではない。暗闇に支配された通路を照らすために光球の魔法を発動させると、巨人族でも通貨出来る程に天井が高く、更にトロッコを運び出すようなレールまで配置されている事が判明した。そして通路内にはゴブリンキングと思われる足跡が存在し、通路の奥へ足跡は続いていた。
「この足跡……やっぱりここに隠れていたのか」
「何だと?」
アカイが穴の中に飛び込み、通路に存在するゴブリンキングの足跡を確認すると、即座に追いかけようとした。しかし、そんな彼の肩をレナが掴んで引き留める。
「待って下さい、迂闊に追いかけると危険です」
「知った事か!!あの程度の相手、俺一人で十分だ!!」
「ここは地下なんですよ?この場所で派手に暴れたら地上がどうなるか……」
「坊主の言う通りだ。少しは落ち着きやがれ馬鹿が」
「ぐっ……」
続けてシュンも穴の中に飛び込み、レナの言葉に同意する。追跡する事自体は否定はしないが、迂闊に地下通路で戦闘を行えば地上も大きな影響を受けるだろう。ゴブリンキングの所持している紅蓮は爆発を引き起こす妖刀である以上、戦闘に突入すれば地下通路その物を崩壊する危険性も高い。
「だが、ここでみすみすと奴を逃がすわけには行かん」
「分かっているよ。だけどな、この場所だと風の精霊も上手く扱えねえ……俺もお前も万全には戦えないんだぞ?」
「え?そうなんですか?」
「ああ、精霊魔法は環境によって大きく効果が変化する。こんな碌に換気もされてなさそうな地下の空間だと風の精霊も呼び集める事も難しいんだよ」
シュンとアカイの扱う戦法は風の精霊に大部分に依存されてしまうため、密封されている空間では風の精霊を呼び集める事も難しい。そのため、通路を進む場合は二人は地上に居た時のようには戦えないという。
「シュン、怖気付いたのならお前は残れ。俺は一人でも行くぞ」
「馬鹿かお前は?一人でどうにか出来る相手じゃねえだろ!!王国四騎士だか何だか知らないが下らねえプライドなんて捨てちまえっ!!」
「ふんっ……俺は行くぞ」
「あ、待って下さい!!」
シュンの制止の言葉を無視して先に歩もうとするアカイに対し、レナは慌てて後を追いかける。シュンも仕方なく二人の後を追い、通路に残された足跡を辿って奥へ進む。
「くそ、鼻がひん曲がりそうだな……だが、下水の臭いじゃねえな」
「……この臭いは血だ。壁をよく見てみろ、血の跡が残っているだろう」
「あ、本当だ……」
通路を充満している異臭の正体は下水ではなく、通路内の至る箇所に付着した血の臭いだと判明する。過去にこの場所で大勢の人間が血を流したのか至る場所に血痕が残っており、その中には明らかに最近に染み付いた血も存在した。まるで拷問所の中に入り込んだ気分に陥り、冒険都市に長らく住むシュンもこのような地下通路が存在する事を知らなかった。
「おいおいマジかよ……この都市にこんな場所があるなんて聞いた事がねえぞ」
「この都市はかつて存在した帝国の都だと聞いている……この地下通路も帝国時代に築かれた物かも知れん」
アカイの言葉にレナはアイリスから教わった話を思い出し、冒険都市の地下通路は帝国時代に築かれた物だと聞いている。そして旧帝国の末裔である王妃は地下通路の存在を知り尽くしており、この通路を通じて魔獣兵を送り込んだという。
(アイリス!!駄目か……まだ交信出来ない。という事はこの近くにホネミンがいるのか?)
アイリスと交信を行おうとしても繋がらず、考えられるとしたらホネミンがレナからそれほど離れていない場所に存在する事になるが、どうして闘技場に向かったはずの彼女が冒険都市に戻ってきたのかが分からない。仮に敵に掴まって拘束されたと推定した場合、どうやって王妃達がレナ達とホネミンの関係を知ったのかが不明である。
(それにしてもかなり動き回っているのにアイリスと交信出来ないなんて……ホネミンは何処にいるんだ?)
ホネミンが存在しない場所にレナが移動すればアイリスと交信して現在の状況を確認出来るが、彼女が存在する正確な位置を把握しなければ迂闊に動き回る事は出来ない。今はゴブリンキングを倒す事だけにレナは集中すると、先頭を走っていたアカイが唐突に立ち止まった。
「……この音は」
「どうかしたんですか?」
「しっ!!何か聞こえるな……」
人間よりも聴覚が鋭い森人族であるアカイとシュンは何かを感じ取ったように立ち止まり、二人に習ってレナも耳を研ぎ澄ませると、僅かにだが物音が聞こえた。それと同時に通路内に振動が走り、徐々に地震のように振動が強まる。
「何だ!?」
「これは……レールだ!!奥から何かが来るぞ!!」
アカイが通路の中心に設置されているレールを警戒するように告げた瞬間、前方の通路から強烈な光が放たれた。
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