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外伝 ~ヨツバ王国編~
南方の地へ
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「しっかりと付いて来い、常に魔力感知と気配感知のスキルは怠るな。場合によっては精霊の力を借りて俺達の位置を探れ」
「分かった……万が一見つかった場合はどうするの?」
「その場合は撤退するでござる。だから失敗は許されないと思って欲しいでござる」
「気を付けるよ……」
レナ達は匍匐前進で移動を行い、念のために「隠密」「気配遮断」「無音歩行」のスキルを発動させ、更に「気配感知」「魔力感知」のスキルで周囲の状況を把握し、慎重に進む。領地の境目とだけあって両軍の兵士が睨み合い、緊迫した雰囲気に覆われていた。
カゲマルが先導を行い、その後にレナが続き、最後尾はハンゾウが勤める。カゲマルが先行して安全を確保し、レナが残した痕跡をハンゾウが消して移動する方法で遂に南聖将の領地へ忍び込む。
1時間の時が経過し、やっと兵士の見張りが存在しない場所へ辿り着くと、レナ達は身体を起きあげて休憩を行う。慣れない行為に大分体力を消耗してしまったが、ここから先は夜通し走り続ける事になる。
「ふうっ……いてて、身体が痛い」
「ハンゾウ、お前はそいつの身体を解してやれ。俺は周囲の様子を調べる」
「レナ殿、拙者にそこに横になってほしいでござる。拙者の指圧で固まった身体を解すでござる」
レナと同じように1時間も匍匐前進を行ったはずだが、カゲマルもハンゾウも何事もないように次の行動に移す。レナは忍者である二人の体力に驚きながらもハンゾウの指圧を受けると、一気に身体が楽になった。
「あ~……そこ、良い感じ」
「こうして、同胞以外に指圧をするのは初めてでござる。それにしてもレナ殿の筋肉は素晴らしいでござるな、まるで人間よりも獣人族のようなしなやかな筋肉でござる」
「そう?ずっと森で暮らしていたからそういう筋肉になったのかな」
「拙者たちも山や森で訓練を行うのでござるが、正直に言ってレナ殿のような筋肉は羨ましいでござる」
「おい、呑気に話している場合か。十分に解れたのならば先を急ぐぞ」
ハンゾウはレナの肉体を解している最中にカゲマルが戻り、安全を確認したのかレナ達は起き上がる。ここから先は木々の枝を飛び越えて進むらしく、3人は「跳躍」のスキルを活かして木々を飛び移る。
「あまり早く飛びすぎるな!!枝に着地する際に音を出来るだけ小さくするんだ!!」
「分かった!!」
「レナ殿、きついと感じたらすぐに教えて欲しいでござる!!休憩を怠ると後で大変な事になるでござる!!」
「大丈夫、これぐらいなら問題ない!!」
3人は木々の枝を次々と飛び移り、巡回する兵士達に見つからないように気を配りながら先へ進む。それから本当に夜が明けるまで木々を飛び越え、夜明を迎えると地上へ降りて徒歩で移動を行う。
「夜が明けた以上、木々を飛び移って移動するのは目立ちすぎる。ここから10キロ先までは徒歩で歩くぞ」
「足跡とかは気を付けなくていいの?」
「問題ないでござる。雨で地面がぬかるんでいない限り、足跡はそう簡単には残らないでござるよ」
夜通し飛び回り続けたのでレナは汗を掻くが、カゲマルとハンゾウは涼し気な表情で歩む。ここまで同行してレナは和国の忍者がどれほど優秀なのかを思い知り、マリアが二人を優遇する理由が分かった気がした。
(この二人が味方で本当に良かった……そういえば国内に残った緑影はどうしてるのかな?ラナによると王国内に滞在していた緑影は味方にしたらしいけど、ヨツバ王国内に残っている緑影の様子が気になるな)
緑影は暗殺に特化した部隊でもあり、情報収集や操作だけではなく、時には暗殺者として行動する事もある。敵に回すと厄介な存在のため、レナは二人に尋ねる。
「二人とも、ヨツバ王国の緑影がどうしているのかは知っている?」
「……我々もこの国へ訪れたばかりだ。まだ情報は集まり切ってはいない、だが奴等と同じ組織のラナの話によると迂闊に動く事はないだろう」
「どうして?俺達がもう東聖将さんの所で世話になっている事は知られているし、暗殺のためにカレハが緑影が送り込まれるじゃないの?」
「緑影が使えるのは王国ではなく、ハヅキ家だ。現在の奴等は当主であるハヅキが亡くなった事を知って混乱状態に陥っている。ハヅキ家の跡取りであるアイラはバルトロス王国で保護され、マリア様はカレハ王女に拘束されているからな……現在は誰が緑影を纏めるのかで揉めているそうだ」
「じゃあ、緑影が襲ってくる可能性はないの?」
「今の所はな……だが、楽観は出来ん。奴等が敵に回った場合に備え、東壁街の守備も固める必要がある。だからこそ俺たち以外の忍びは置いてきた」
「ラナ殿も協力してくれるので緑影の対策は万全でござる!!」
緑影の中でもラナはハヅキの側近として人望もあり、バルトロス王国内に潜入していた隊員は全て従え、現在は東壁街の防備に専念している。そのお陰でヨツバ王国の緑影が動き出したとしても万全に対処出来るという。
※投稿が遅れて申し訳ありません(;´・ω・)
「分かった……万が一見つかった場合はどうするの?」
「その場合は撤退するでござる。だから失敗は許されないと思って欲しいでござる」
「気を付けるよ……」
レナ達は匍匐前進で移動を行い、念のために「隠密」「気配遮断」「無音歩行」のスキルを発動させ、更に「気配感知」「魔力感知」のスキルで周囲の状況を把握し、慎重に進む。領地の境目とだけあって両軍の兵士が睨み合い、緊迫した雰囲気に覆われていた。
カゲマルが先導を行い、その後にレナが続き、最後尾はハンゾウが勤める。カゲマルが先行して安全を確保し、レナが残した痕跡をハンゾウが消して移動する方法で遂に南聖将の領地へ忍び込む。
1時間の時が経過し、やっと兵士の見張りが存在しない場所へ辿り着くと、レナ達は身体を起きあげて休憩を行う。慣れない行為に大分体力を消耗してしまったが、ここから先は夜通し走り続ける事になる。
「ふうっ……いてて、身体が痛い」
「ハンゾウ、お前はそいつの身体を解してやれ。俺は周囲の様子を調べる」
「レナ殿、拙者にそこに横になってほしいでござる。拙者の指圧で固まった身体を解すでござる」
レナと同じように1時間も匍匐前進を行ったはずだが、カゲマルもハンゾウも何事もないように次の行動に移す。レナは忍者である二人の体力に驚きながらもハンゾウの指圧を受けると、一気に身体が楽になった。
「あ~……そこ、良い感じ」
「こうして、同胞以外に指圧をするのは初めてでござる。それにしてもレナ殿の筋肉は素晴らしいでござるな、まるで人間よりも獣人族のようなしなやかな筋肉でござる」
「そう?ずっと森で暮らしていたからそういう筋肉になったのかな」
「拙者たちも山や森で訓練を行うのでござるが、正直に言ってレナ殿のような筋肉は羨ましいでござる」
「おい、呑気に話している場合か。十分に解れたのならば先を急ぐぞ」
ハンゾウはレナの肉体を解している最中にカゲマルが戻り、安全を確認したのかレナ達は起き上がる。ここから先は木々の枝を飛び越えて進むらしく、3人は「跳躍」のスキルを活かして木々を飛び移る。
「あまり早く飛びすぎるな!!枝に着地する際に音を出来るだけ小さくするんだ!!」
「分かった!!」
「レナ殿、きついと感じたらすぐに教えて欲しいでござる!!休憩を怠ると後で大変な事になるでござる!!」
「大丈夫、これぐらいなら問題ない!!」
3人は木々の枝を次々と飛び移り、巡回する兵士達に見つからないように気を配りながら先へ進む。それから本当に夜が明けるまで木々を飛び越え、夜明を迎えると地上へ降りて徒歩で移動を行う。
「夜が明けた以上、木々を飛び移って移動するのは目立ちすぎる。ここから10キロ先までは徒歩で歩くぞ」
「足跡とかは気を付けなくていいの?」
「問題ないでござる。雨で地面がぬかるんでいない限り、足跡はそう簡単には残らないでござるよ」
夜通し飛び回り続けたのでレナは汗を掻くが、カゲマルとハンゾウは涼し気な表情で歩む。ここまで同行してレナは和国の忍者がどれほど優秀なのかを思い知り、マリアが二人を優遇する理由が分かった気がした。
(この二人が味方で本当に良かった……そういえば国内に残った緑影はどうしてるのかな?ラナによると王国内に滞在していた緑影は味方にしたらしいけど、ヨツバ王国内に残っている緑影の様子が気になるな)
緑影は暗殺に特化した部隊でもあり、情報収集や操作だけではなく、時には暗殺者として行動する事もある。敵に回すと厄介な存在のため、レナは二人に尋ねる。
「二人とも、ヨツバ王国の緑影がどうしているのかは知っている?」
「……我々もこの国へ訪れたばかりだ。まだ情報は集まり切ってはいない、だが奴等と同じ組織のラナの話によると迂闊に動く事はないだろう」
「どうして?俺達がもう東聖将さんの所で世話になっている事は知られているし、暗殺のためにカレハが緑影が送り込まれるじゃないの?」
「緑影が使えるのは王国ではなく、ハヅキ家だ。現在の奴等は当主であるハヅキが亡くなった事を知って混乱状態に陥っている。ハヅキ家の跡取りであるアイラはバルトロス王国で保護され、マリア様はカレハ王女に拘束されているからな……現在は誰が緑影を纏めるのかで揉めているそうだ」
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「ラナ殿も協力してくれるので緑影の対策は万全でござる!!」
緑影の中でもラナはハヅキの側近として人望もあり、バルトロス王国内に潜入していた隊員は全て従え、現在は東壁街の防備に専念している。そのお陰でヨツバ王国の緑影が動き出したとしても万全に対処出来るという。
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