692 / 2,091
外伝 ~ヨツバ王国編~
オロナ鉱山へ到着
しおりを挟む
――二人の忍者の案内の元、遂にレナは三日目にして目的地であるオロナ鉱山へと辿り着く。ここまでの道中で何度か休憩を挟んではいるが、流石に体力の消耗も激しく、疲労と眠気に耐えながらレナ達は山の麓まで到着した。
「しっかりしろ、これから採掘場まで登る事になるぞ」
「兄者、やはりレナ殿のために少し休憩を挟んだ方が……」
「いや、このまま進もう……正直、身体を動かしてないと意識が飛びそう」
ハンゾウの肩を借りながらもレナは歩き、やっとここまで辿り着いたにも関わらずに自分が気絶すると作戦が台無しとなるため、レナは意地でも採掘場に辿り着くまで意識を保つために歩き続けた。そんな彼を見てカゲマルは珍しく励ましの言葉を掛ける。
「今回の作戦の立案者はお前だ、ならば意地でもやり通せ……お前になら出来るはずだ」
「言われなくても……やってみせるよ」
「しかしレナ殿、その……そこは拙者の腰ではなくお尻でござるが……やんっ」
「おい、俺の妹弟子に何をしている」
「わ、わざとじゃないです」
途中で一種即発の雰囲気になりかけはしたが、どうにかレナ達は採掘場に続く道を登っていくと、戦闘を移動していたカゲマルが立ち止まって大きな岩の後ろに身を隠す。
「……ちっ、兵士が巡回している。流石にここの守備の兵士も増員したようだな」
「どうするでござる?」
「お前達はここで隠れていろ、俺が様子を調べる」
レイビの方も万が一に人質の500人の兵士を働かせている採掘場の警備を強化したらしく、三日前には存在しなかった増員された兵士の姿を確認してカゲマルは偵察に向かう。残されたレナは少しでも体力の消耗を抑えるために身体を休ませ、意識を保つために頬を叩く。
「戻ったぞ、どうやら増員された兵士の数はそれほどではないが、警備は強化されている。これでは当初の作戦通りに採掘場に忍び込むのは時間が掛かりそうだ」
「それならばどうするのでござる?これ以上にレナ殿に負担を掛けるのは不味いでござる」
「仕方あるまい……おい、意識はまだあるか?最初の作戦とは異なるが、奴等を呼び出せ」
「うっ……分かった」
カゲマルの言葉にレナは掌を前に差し出すと、空間魔法を発動させて黒渦を生み出す。その瞬間、黒渦の中から次々と武装した仲間達が姿を現す。
「おらぁっ!!敵は何処だい……あれ?」
「無事か、お前達!!……ん?」
「おい、静かにしろ……まだここは採掘場じゃないぞ」
最初に飛び出してきたのは大剣を抱えたバルと、鉞を両手に構えたギンタロウが黒渦から姿を現すが、周囲の光景を見てまだ山の麓である事を確認すると二人は首を傾げる。その間にも続々と他の冒険者や兵士達が姿を現す――
――レナの考えた作戦は王都に忍び込む際にも行った「空間魔法」を利用した移動法で採掘場の兵士達を救い出すという作戦だった。まずは事前に東壁街にて空間魔法を発動させて黒渦を設置し、その後にレナが採掘場に忍び込んだ後、東壁街に待機する仲間達を呼び寄せる手はずだった。
どれほどの距離が存在しようと空間魔法の黒渦を潜り抜ければ一瞬で目的地に辿り着けるため、その性質を生かしてレナは採掘場に仲間達を呼び出して兵士達を奪還し、皆で東壁街へ撤退するという作戦を提案する。だが、魔力消費が激しい黒渦を常に維持し続けるという行為はレナの身体に負担が大きく、そもそも三日間も魔法の意地のために意識を保ち続けるのは流石のレナでも精神的にも肉体的にも限界近くまで消耗していた。
「おい、大丈夫かレナ!?」
「無事かレナ!?」
「ちょっと、レナは大丈夫なの!?」
「……大分疲れているみたい」
「大丈夫、レナ君!?」
「レナ様、こんなに無理をさせるなんて……」
「ううっ……大声出さないで、かなりきついんだよ……」
レナの元にダイン、ゴンゾウ、シズネ、コトミン、ミナ、ジャンヌが駆けつけて安否を心配するが、当のレナは意識を保つのが限界だった。だが、帰還のためにはレナの力が必要不可欠のため、ここでレナが気絶しようものなら作戦が全て台無しになってしまう。
「何だよ?ここ採掘場じゃないじゃねえか、どうしてこんな場所で呼び出したんだよ」
「予定よりも早く、こちらの方にも兵士の増員がされていた。だから作戦を変更してここにお前達を呼び寄せた」
「ふむ、ならばどうする?ここまで来た以上は撤退はあるまい」
「何言ってんだい、採掘場だろうが山の麓だろうが関係ないよ、とにかくここにいる敵を全員ぶっ飛ばして人質を解放すればいいだけの話だろう?」
「うむ、その通りだ!!レナ君のお陰で俺達は労せずにここまで来れたからな!!後は任せてしっかり休んでいてくれ!!おっと、眠っては駄目だぞ?帰れる方法がなくなるからな!!はっはっはっ!!」
人質として捕らえられている500人の配下の兵士を救う絶好の機会に恵まれたギンタロウは普段よりもテンションが高く、今にも一人で突っ込んで採掘場まで上り詰めそうな雰囲気だった。
「しっかりしろ、これから採掘場まで登る事になるぞ」
「兄者、やはりレナ殿のために少し休憩を挟んだ方が……」
「いや、このまま進もう……正直、身体を動かしてないと意識が飛びそう」
ハンゾウの肩を借りながらもレナは歩き、やっとここまで辿り着いたにも関わらずに自分が気絶すると作戦が台無しとなるため、レナは意地でも採掘場に辿り着くまで意識を保つために歩き続けた。そんな彼を見てカゲマルは珍しく励ましの言葉を掛ける。
「今回の作戦の立案者はお前だ、ならば意地でもやり通せ……お前になら出来るはずだ」
「言われなくても……やってみせるよ」
「しかしレナ殿、その……そこは拙者の腰ではなくお尻でござるが……やんっ」
「おい、俺の妹弟子に何をしている」
「わ、わざとじゃないです」
途中で一種即発の雰囲気になりかけはしたが、どうにかレナ達は採掘場に続く道を登っていくと、戦闘を移動していたカゲマルが立ち止まって大きな岩の後ろに身を隠す。
「……ちっ、兵士が巡回している。流石にここの守備の兵士も増員したようだな」
「どうするでござる?」
「お前達はここで隠れていろ、俺が様子を調べる」
レイビの方も万が一に人質の500人の兵士を働かせている採掘場の警備を強化したらしく、三日前には存在しなかった増員された兵士の姿を確認してカゲマルは偵察に向かう。残されたレナは少しでも体力の消耗を抑えるために身体を休ませ、意識を保つために頬を叩く。
「戻ったぞ、どうやら増員された兵士の数はそれほどではないが、警備は強化されている。これでは当初の作戦通りに採掘場に忍び込むのは時間が掛かりそうだ」
「それならばどうするのでござる?これ以上にレナ殿に負担を掛けるのは不味いでござる」
「仕方あるまい……おい、意識はまだあるか?最初の作戦とは異なるが、奴等を呼び出せ」
「うっ……分かった」
カゲマルの言葉にレナは掌を前に差し出すと、空間魔法を発動させて黒渦を生み出す。その瞬間、黒渦の中から次々と武装した仲間達が姿を現す。
「おらぁっ!!敵は何処だい……あれ?」
「無事か、お前達!!……ん?」
「おい、静かにしろ……まだここは採掘場じゃないぞ」
最初に飛び出してきたのは大剣を抱えたバルと、鉞を両手に構えたギンタロウが黒渦から姿を現すが、周囲の光景を見てまだ山の麓である事を確認すると二人は首を傾げる。その間にも続々と他の冒険者や兵士達が姿を現す――
――レナの考えた作戦は王都に忍び込む際にも行った「空間魔法」を利用した移動法で採掘場の兵士達を救い出すという作戦だった。まずは事前に東壁街にて空間魔法を発動させて黒渦を設置し、その後にレナが採掘場に忍び込んだ後、東壁街に待機する仲間達を呼び寄せる手はずだった。
どれほどの距離が存在しようと空間魔法の黒渦を潜り抜ければ一瞬で目的地に辿り着けるため、その性質を生かしてレナは採掘場に仲間達を呼び出して兵士達を奪還し、皆で東壁街へ撤退するという作戦を提案する。だが、魔力消費が激しい黒渦を常に維持し続けるという行為はレナの身体に負担が大きく、そもそも三日間も魔法の意地のために意識を保ち続けるのは流石のレナでも精神的にも肉体的にも限界近くまで消耗していた。
「おい、大丈夫かレナ!?」
「無事かレナ!?」
「ちょっと、レナは大丈夫なの!?」
「……大分疲れているみたい」
「大丈夫、レナ君!?」
「レナ様、こんなに無理をさせるなんて……」
「ううっ……大声出さないで、かなりきついんだよ……」
レナの元にダイン、ゴンゾウ、シズネ、コトミン、ミナ、ジャンヌが駆けつけて安否を心配するが、当のレナは意識を保つのが限界だった。だが、帰還のためにはレナの力が必要不可欠のため、ここでレナが気絶しようものなら作戦が全て台無しになってしまう。
「何だよ?ここ採掘場じゃないじゃねえか、どうしてこんな場所で呼び出したんだよ」
「予定よりも早く、こちらの方にも兵士の増員がされていた。だから作戦を変更してここにお前達を呼び寄せた」
「ふむ、ならばどうする?ここまで来た以上は撤退はあるまい」
「何言ってんだい、採掘場だろうが山の麓だろうが関係ないよ、とにかくここにいる敵を全員ぶっ飛ばして人質を解放すればいいだけの話だろう?」
「うむ、その通りだ!!レナ君のお陰で俺達は労せずにここまで来れたからな!!後は任せてしっかり休んでいてくれ!!おっと、眠っては駄目だぞ?帰れる方法がなくなるからな!!はっはっはっ!!」
人質として捕らえられている500人の配下の兵士を救う絶好の機会に恵まれたギンタロウは普段よりもテンションが高く、今にも一人で突っ込んで採掘場まで上り詰めそうな雰囲気だった。
1
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。