不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?

カタナヅキ

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外伝 ~ヨツバ王国編~

オロナ鉱山へ到着

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――二人の忍者の案内の元、遂にレナは三日目にして目的地であるオロナ鉱山へと辿り着く。ここまでの道中で何度か休憩を挟んではいるが、流石に体力の消耗も激しく、疲労と眠気に耐えながらレナ達は山の麓まで到着した。


「しっかりしろ、これから採掘場まで登る事になるぞ」
「兄者、やはりレナ殿のために少し休憩を挟んだ方が……」
「いや、このまま進もう……正直、身体を動かしてないと意識が飛びそう」


ハンゾウの肩を借りながらもレナは歩き、やっとここまで辿り着いたにも関わらずに自分が気絶すると作戦が台無しとなるため、レナは意地でも採掘場に辿り着くまで意識を保つために歩き続けた。そんな彼を見てカゲマルは珍しく励ましの言葉を掛ける。


「今回の作戦の立案者はお前だ、ならば意地でもやり通せ……お前になら出来るはずだ」
「言われなくても……やってみせるよ」
「しかしレナ殿、その……そこは拙者の腰ではなくお尻でござるが……やんっ」
「おい、俺の妹弟子に何をしている」
「わ、わざとじゃないです」


途中で一種即発の雰囲気になりかけはしたが、どうにかレナ達は採掘場に続く道を登っていくと、戦闘を移動していたカゲマルが立ち止まって大きな岩の後ろに身を隠す。


「……ちっ、兵士が巡回している。流石にここの守備の兵士も増員したようだな」
「どうするでござる?」
「お前達はここで隠れていろ、俺が様子を調べる」


レイビの方も万が一に人質の500人の兵士を働かせている採掘場の警備を強化したらしく、三日前には存在しなかった増員された兵士の姿を確認してカゲマルは偵察に向かう。残されたレナは少しでも体力の消耗を抑えるために身体を休ませ、意識を保つために頬を叩く。


「戻ったぞ、どうやら増員された兵士の数はそれほどではないが、警備は強化されている。これでは当初の作戦通りに採掘場に忍び込むのは時間が掛かりそうだ」
「それならばどうするのでござる?これ以上にレナ殿に負担を掛けるのは不味いでござる」
「仕方あるまい……おい、意識はまだあるか?最初の作戦とは異なるが、奴等を呼び出せ」
「うっ……分かった」


カゲマルの言葉にレナは掌を前に差し出すと、空間魔法を発動させて黒渦を生み出す。その瞬間、黒渦の中から次々と武装した仲間達が姿を現す。


「おらぁっ!!敵は何処だい……あれ?」
「無事か、お前達!!……ん?」
「おい、静かにしろ……まだここは採掘場じゃないぞ」


最初に飛び出してきたのは大剣を抱えたバルと、鉞を両手に構えたギンタロウが黒渦から姿を現すが、周囲の光景を見てまだ山の麓である事を確認すると二人は首を傾げる。その間にも続々と他の冒険者や兵士達が姿を現す――




――レナの考えた作戦は王都に忍び込む際にも行った「空間魔法」を利用した移動法で採掘場の兵士達を救い出すという作戦だった。まずは事前に東壁街にて空間魔法を発動させて黒渦を設置し、その後にレナが採掘場に忍び込んだ後、東壁街に待機する仲間達を呼び寄せる手はずだった。

どれほどの距離が存在しようと空間魔法の黒渦を潜り抜ければ一瞬で目的地に辿り着けるため、その性質を生かしてレナは採掘場に仲間達を呼び出して兵士達を奪還し、皆で東壁街へ撤退するという作戦を提案する。だが、魔力消費が激しい黒渦を常に維持し続けるという行為はレナの身体に負担が大きく、そもそも三日間も魔法の意地のために意識を保ち続けるのは流石のレナでも精神的にも肉体的にも限界近くまで消耗していた。


「おい、大丈夫かレナ!?」
「無事かレナ!?」
「ちょっと、レナは大丈夫なの!?」
「……大分疲れているみたい」
「大丈夫、レナ君!?」
「レナ様、こんなに無理をさせるなんて……」
「ううっ……大声出さないで、かなりきついんだよ……」


レナの元にダイン、ゴンゾウ、シズネ、コトミン、ミナ、ジャンヌが駆けつけて安否を心配するが、当のレナは意識を保つのが限界だった。だが、帰還のためにはレナの力が必要不可欠のため、ここでレナが気絶しようものなら作戦が全て台無しになってしまう。


「何だよ?ここ採掘場じゃないじゃねえか、どうしてこんな場所で呼び出したんだよ」
「予定よりも早く、こちらの方にも兵士の増員がされていた。だから作戦を変更してここにお前達を呼び寄せた」
「ふむ、ならばどうする?ここまで来た以上は撤退はあるまい」
「何言ってんだい、採掘場だろうが山の麓だろうが関係ないよ、とにかくここにいる敵を全員ぶっ飛ばして人質を解放すればいいだけの話だろう?」
「うむ、その通りだ!!レナ君のお陰で俺達は労せずにここまで来れたからな!!後は任せてしっかり休んでいてくれ!!おっと、眠っては駄目だぞ?帰れる方法がなくなるからな!!はっはっはっ!!」


人質として捕らえられている500人の配下の兵士を救う絶好の機会に恵まれたギンタロウは普段よりもテンションが高く、今にも一人で突っ込んで採掘場まで上り詰めそうな雰囲気だった。
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